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今の気持ち

すいません

父の手伝いで、少し遠出してました

少し短めなんですが、今回はこれで勘弁お願いします

次回、そう次回頑張りますからぁーー

 昼も終わり、午後からは訓練だ。

 昨日から始まった、軽くアップをして、基礎をやった後は、模擬戦が始まった。

 しかし、今日はとことん厄日らしい。

 城のほうから、異様な雰囲気を漂わせた男がこちらへと向かってきた。


 それは、決戦へと向かう勇敢な兵士のようだった。

 ゆっくりとだが、しっかりと近づいてくる。

 そして、俺の前で止まった。


 「お前が、スミタニか?」


 「ええ、そうですけど」


 目の前の男は、かなりの強者だろう。

 こうして向かい合うだけで、その強い力が伝わってくるようだ。

 目の前の男も、それ以上は何も言葉を発せず、こちらを見ている。

 そして、一つ頷くと戻っていった。


 「何しに来たんだ」


 「シヅルを見に来たのでしょう」


 「俺を見にね……」


 いつもは少し離れたところにいるハスミンがk、今は近くにいてそう言ってくる。

 本当、武芸をやったことがないのか疑問に思う。

 今の寄り方や、ダンジョンで活躍している探知能力はかなりのものなのに。


 「はい。お父様はそういう人です」


 「…………お父さんだったのね」


 そして、いつものごとくそういうことをさらりと言ってくるハスミン。

 もっと、なんていうか言い方を考えようよ。

 さらりと言うことじゃないでしょ。


 そう言いながらも、何もなかったのでいいとしよう。

 しかし、これは間違えであった。

 やはり、今日は休まる時がないのである。


 今度は、若い青年が目を千葉らせてこちらに向かってくるのである。

 見ているのは、やはり俺だろう。

 さっきのハスミンのお父さんのようにゆっくりしっかりではなく、早歩きで怒りを地面にぶつけるように歩いてきている。


 「お前がスミタニだな!」


 ほとんど同じ言葉なのに、こんなにも違う。

 まあ、貫禄とか、雰囲気とか、強さとかが全く違うのだから仕方がないのかもしれないが。


 「ああ、澄谷詩鶴だ」


 「ハスミンは俺のだ。早く、返してもらおうか」


 「どういう意味、ハスミン?」


 「この男は、元婚約者です。まあ、権力や女にしか興味がなく、私としてはあまりお近づきになりたくないんですが」


 ()ということは、やっぱり現婚約者がいるのだろうか?


 「あ、今はいませんよ。勇者のメイドや、執事は手を出されてもいいように、そういうのは解消または、婚約しないようにと言われているので」


 「やっぱりね」


 まあ、女や男で勇者を動かせるようにするとは、最初から考えていた。

 件のイケメン君に寄り添っている第2王女もそれと同じようなものだろう。

 イケメン君は、スキルも強いし、使いやすいという何ともおあつらえ向きな駒だからな。


 「聞いてんのか!?俺と決闘しろ!俺が勝ったらハスミンを返せ」


 「女の子を勝負の景品にするとか、最低だな。ハスミンの気持ちも考えてないってのもまた最低だ。そんな男のとこにハスミンを渡すわけないだろ」


 女の子とかではないので、普通にしゃべれるのはよかった。

 これで、女の子の騎士とかだったら、焦って何を言うかわかったもんではない。

 それについては危なかった。あとは、そこまでイケメンとも言えないというのも良かった点だ。

 これで、超絶のイケメンとかだったら、光の速さよりも早くキレてかかっていたかもしれない。


 「ぐっ、この俺に向かってそんな口を利くとはいい度胸じゃねぇか。俺はこの王国の第3王子、サンダリオ・ヴィエリ・ルー・アレーリだぞ」


 「……王子だったのね。ターイム!!」


 ここで、一回目のタイムを使わせてもらう。

 さあ、始めようか。


 ~第三回異世界脳内会議~


 「では、会議を始めます」


 「今回の議題は……ずばり!………なんでしょう?」


 「ぶっ飛ばしてOKか?どうかでいいんじゃね?」


 「では、OKの人は挙手!全員一致とのことで、()りましょう」




 「待たせたな。やってやるよ」


 「ふ、後悔するなよ。俺は、そこのへぼな団長とは違う。英才教育で―」


 「あー、御託はいい。早く来いよ」


 「その余裕がいつま、ぶべら」


 縮地からの、右ストレートで簡単に吹っ飛んで行き、気絶した。

 あっけないものだった。

 まあ、少しは本気を出したので、こんなものだろう。


 「俺の勝ちだな」


 「シヅル!ありがとうございます。その、とてもかっこよかったです。まるで王子様みたいでした」


 「うん。あっちが本当に王子だから。俺ぶっ飛ばしたほうだから」


 「これからも、生涯ついて行きます!」


 「……その献身さがマジで、心がえぐられます」




 訓練も終わり、みんなが寝静まるころ、今日もダンジョンに出かけようとしていた。


 「シヅル、大丈夫ですか?疲れているように見えます。一日くらい休んでも……」


 「大丈夫、大丈夫。それに早くこのスキルを有効活用できるようになりたいんだ」


 「シヅル……。わかりました、私が支えますから」


 「ありがとう、ハスミン」


 ハスミンの、その柔らかな笑顔にほほえみ返してそう言う。

 告白のこともだが、ハスミンにはとても助かっている。

 あの子のことがなければ、すぐにでも付き合って、もしかしたら結婚までいっていたかもしれない。

 いや、今でもかなり危ない。ハスミンの笑顔で心が温かくなるし、一緒にいるだけで緊張とは違ったドキドキがある。


 「守るよ、ハスミンこと」


 「はい」


 「ダンジョンじゃ、戦えないしね」


 そう、笑って誤魔化す。

 まじめな話だと、この気持ちがあふれそうだから。

 約束を果たすまで、訪れるその時まではと決めたから。

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