池のほとり アルアを取り引きする? りくやの策略とは?
アルアはコロポルの洞窟の前で聞いたマッスルという名前、それが仮面をつけていると話していたりくやの言葉を思い出した。
(この人たちはマッスル・キングの仲間なんだろうか)
男たちは何も喋らず、アルアを連れて歩いた。
(もしかしたら、この中にマッスルがいるのかもしれない。だったら、聞いてやる。なぜ町の人たちを殺したのか。なぜ全員殺さなければならないのか。たまたま生き残った僕を殺す必要なんてあるのか。絶対に聞いてやるんだ。でないと腹がたつ)
男たちはビステルの森の手前を北に進み始めた。背丈ほどの草の生えた小道を歩き、池のほとりに出ると、それまで黙っていた男が「ついたぞ」としゃべった。そこにはりくやが待っていた。
(りくやの仲間だったのか)
アルアはりくやが自分を殺すために、戻って来たのだと察した。
「あれから、急いで仲間を集めた。せっかくのチャンスを逃がしてしまうわけにはいかない」
「僕を殺すことがチャンスなのか」
りくやはにんまりと笑っている。アルアは怒りを感じ、りくやを睨んだ。
「誰が簡単に殺したりなんかするものか。マッスルがお前を見たらどんな顔をするかみたいな。その前で息の根を止めてやる。マッスルが取り引きに応じればな」
「取り引きって何だ?」
「お前の知ることではない」
アルアはロープで縛られ、池のそばの大きな木の枝に吊るされた。手は後ろにされたままだ。
(取り引きって何だろう?マッスルが取り引きに応じなければどうなるんだ)
男たちは木の根元に座り、アルアを見張った。
「油断するな、ナタクってやつは手強そうだ。追いかけてくるだろう。こいつとどういう関係かは知らんが、助けに来るに違いない。しっかり見張ってろ。俺は、シトラスが返事を持ってかえるはずだから、聞いてくる」
りくやがアルアの視界から消えた。




