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閑話 教えてアル先生 初代国王と公爵の伝説1

前回、第三章完と閑話を入れることを書き忘れていました。

今回は閑話になります。

「「「教えて、アル先生。ドンドン、パフパフ!!」」」


「なんなんですか、貴也さん。このノリは」


「えっと、この世界のことでよくわからないことをアル先生に解説して貰うコーナーです」


「なんなんですか。そのコーナーって」


「普通にストーリーが展開していくだけじゃ面白くないでしょ。中には名前だけ出てきて説明してないことがあるし、たまにはそういう話をクローズアップ現代?」


「意味がわかりません。大体、誰に説明するんですか?」


「それを言っちゃダメでしょ。お約束だよ」


 アルの頭にチョップを叩き込む貴也。

 余程痛かったのかアルは頭を抱えて蹲っている。


「と言う訳で、解説コーナーです。決して話を入れ忘れたわけではありません」


「いま自爆しませんでしたか?」


「もう一発、チョップが食らいたいのか?」


 貴也が睨み付けるとフルフルと首を振るアルがいた。

 そんなアルのことなどお構いなしで話を続ける。


「それで今回は初代王様と公爵様の伝説について話してもらいます」


「この国では建国神話ですからね。小さい子でも知っている話ですよ」


「だけど、オレってまだちゃんと聞いたことないんだよなあ」


「そうなんですか? では簡単に話しますね。昔、昔、500年ほど前に――」


 文句を言いながらもノリのいいアルは話を始めるのだった。


 500年ほど前にある事件が起こった

 当時、最強とうたわれていた魔王ダイアモンドハート。

 彼は魔王エメラルドウィングの就任祝いのパーティーを主催していた。

 元々、エメラルドウィングはダイアモンドハートの治める国の騎士で有能な武官だった。

 そんな彼の身にある日、魔王の欠片 エメラルドウィングが宿ったのだ。

 それを喜んだ魔王は彼を称えてパーティーを開いたのだ。


 エメラルドウィングは普段は穏和な騎士の仮面を被っていた。

 だが、その実は野心溢れる男だった。

 そんな彼も魔王に反旗を翻す勇気はなかった。

 魔王とはそれほど圧倒的存在なのだ。


 しかし、自分に魔王の欠片が宿った。

 宿ってしまった。

 ダイアモンドハートと同じ魔王になった彼の野心は日に日に高まっていった。


 耳元で毎日のように囁かれる。

 魔王が他の者の下についていいのか?

 お前は至高の存在ではないのか?

 と。


 そして、その日はやって来た。

 大々的に開かれたパーティー。

 煌びやかな来賓の数々。

 他国の王族や魔王まで存在していた。

 ここで問題を起こせば即戦争。

 重大な外交問題である。


 だからこそ、警備も厳重だし、不埒なことをするものなどいるわけないと思われた。

 皆が完全に油断していた。


 目の前に無防備なダイアモンドハート。

 客が途切れ空白のひと時。

 二人きりになり、そして……


 エメラルドウィングが気付いた時には彼の腕がダイアモンドハートの胸を貫いていた。

 そして、手にはいまだ脈打つ心臓があった。


 驚愕に目を見開くダイアモンドハート。

 それ以上に驚いているエメラルドウィング。


 刻々と彼の生命が零れ落ちていくのを見下ろしながらエメラルドウィングは自分の胸に魔王の欠片ダイアモンドハートを埋め込んだ。


 身体中に力が漲る。

 身体が張り裂けそうだ。

 そして、エメラルドウィングは忽然と姿を消した。

 残っていたのは冷たくなったダイアモンドハートの亡骸だけだった。


「続く」


「ええ、こんなところで終わっちゃうの!」


「まあ、まあ、違う話を延々としても仕方がないでしょ」


「確かにキリがいい所かもしれないね。では続きはその内に! 教えて、アル先生! のコーナーでした」


「はあ、マジでこれコーナー化するんですか」


 アルの溜息と共にフェードアウトしていくのでした。

 本当に続くの?


書いた方が良いと思いながらもどのように書こうか迷っていた話です。

とりあえず閑話と言う形で入れてみました。

でも、このペースだと閑話が終わる前に本題の方が終わってしまうような。

まあ、何とかなるでしょう。

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