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第百九十話 襲撃されるが無双できない


 あれから一週間が経った。


 魔王は非常に好意的で貴也との会話を楽しんでいるようだった。

 研究には協力してくれないという話だったが、こちらが聞くと色々助言してくれる。

 もとより研究者気質の人のようでこういう議論が好きなようだ。

 まあ、話す内容については考えているようで、なかなか重要な話は聞きだせないのだが……


 そんな探り合いも含めて楽しんでいる様子だ。

 かくいう貴也もかなり楽しんでいる。

 こういう雰囲気は企業に勤めていた頃依頼なのでどれくらいぶりだろうか。


 あと、もっとも重要なこと。


 スライムを一匹頂きました。

 スラリンが一人では可哀想だと、ごねにごねたら魔王が折れてくれました。

 まあ、一体くらいならと最初から考えていたからだろうが、それでもこれは収穫だ。


 色は赤で女の子っぽい? からスラミと名付けました。

 相変わらずのネーミングセンスだが苦情は受け付けません。

 まあ、当人? 当スライム? は気に入っているようなので問題はないだろう。

 スラリンも仲間が増えたのが嬉しいのか、喜んでいる様子だ。




 そんな日だった。


 その日も夜更けまで魔王とあれこれ議論を交わし、心地よい眠りに就こうとした時だった。

 爆発音が階下から響いてきた。

 ベッドが揺れ落ちかける。


「何事だ!」


 貴也は飛び起き周囲を見渡す。

 眠気が一気に吹き飛んでいた。


「貴也! 大丈夫!」


 隣の部屋で休んでいた優紀が飛び込んできた。

 それに遅れてアスカも現れる。


「オレは大丈夫だ。一体何が起こったか分かるか?」


 視線を二人に向けるが二人は首を横に振っていた。


「下から大きな魔力の反応がある。一つは魔王だが、もう一つは……」


 アスカの表情が驚愕に染まる。


「敵に心当たり――」

「そんな場合じゃないよ! 魔王なら心配ないと思うけど、相手の魔力はかなり強大よ。助けに行かないと」


 貴也がアスカの異変に気付いて何か問いかけようとするが、それを優紀に遮られてしまった。

 だが、優紀の言うことも間違ってはいない。

 貴也も敵の魔力の大きさを感知していた。


「凄い魔力だな! 敵は何者だ?」


 魔力から察するにその魔力は並の魔王を凌駕している。

 まあ、貴也が知っている並の魔王と言うとあのポンコツくらいなのだが……


 どうでも良いことを考えそうになった貴也は顔を振って気を取り戻す。


「とりあえず、魔王のところに行くぞ」


 その声に一斉に走り出した。

 って言うか


「置いてくなよ」


 アスカや優紀に身体能力で勝てるわけがなく。

 あっという間に二人は見えなくなるのだった。


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