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第百七十六話 優紀の素朴な疑問に答えるが無双できない

10/6改稿

指摘があり、機械に魔力を流せない理由について書いてなかったので追加しました。

m(__)m


「ちょっと待ってなんか話が大きくなってるんだけど。そもそも機械に魔力は籠められないんでしょ?」


 躊躇いがちに優紀が質問してくる。

 そんな優紀の言葉に魔王は困惑しながら


「なんだ。話していないのか?」


「まあ、まだ実験も済んでませんからね。それに魔王様の危惧はわたしも感じていたことですから」


 貴也の返事に魔王は頷いていた。

 そんな二人に優紀はジト目を向ける。


「あのぉ。二人でわかり合ってないで説明して欲しいんですけど」


 優紀の言葉に貴也はしばらく考えてから口を開く。


「そうだな。二人になら話してもいいか。ただ、この件は絶対に他言無用だ。守る自信がないならしばらく席を外してくれ」


 そう言われてアスカは少し考えていた。

 が、結局、聞くことにしたようだ。

 軽く頷いてくれる。


 優紀は何も考えていないのか、早く話せと目で訴えかけてくる。

 この反応に若干の不安が残るが貴也は溜息を吐きながら話し出した。


「結果からゆうと機械に魔力を流すことは不可能じゃない」


「え?」


 あっけらかんと言い切る貴也にアスカは目を見開いていた。

 話の流れから予想はついていたのだろうが、本当に実現するとは思ってなかったのだろう。


「なんで機械に魔力をこめられないか知ってるか?」


 アスカはしばらく考えて首を振る。

 優紀にいたっては考える気もないようで『わたしがそんな事、知ってるわけないじゃん』

という風情だ。


 貴也はそんな優紀を無視してアスカに説明する。


「魔力は特殊な金属以外伝導率が悪い。あと、直ぐに拡散してしまうことは知っているか?」


「ええ。訓練の時に最初に教わったわ。剣に魔力をこめる時、柄の分に魔力をこめると魔力の浸透率が悪いって。剣身に魔力をこめる様にって」


「へえ。そうなんだ。何となく流れが悪いと思って刃の部分に魔力を流していたけどそんな理由があるのね」


 そんな初歩中の初歩のことを知らない優紀に呆れてよいのやら、本能のような勘を感心して良いのやらわからんがこいつのことは考えるだけ無駄だとスルーすることに決めた。


「まあいい。異なる部品に魔力を流そうとすると魔力が伝わる前に魔力が拡散しやすい。だから、出来るだけ武器は接合部をなくす。一体物が多いのはそう言う理由だ」


「だから、部品の多い機械には魔力を流せないという事なのね」


「そういうこと」


「じゃあ、ダメなんじゃないの?」


 優紀が首を捻っている。


「魔力を遠いところから流そうとするからいけない。魔力を込めたいところのすぐ近くに魔力を発生させて流せばいい」


「なに言ってるの。魔力は接触しないと流せないわよ? 高位の魔導師がそう言う術式を研究しているけどまだ実現してないわ」


 アスカは途方もないことを言う貴也に呆れるような目線を送る。

 そんな反応を貴也も予想していたみたいで不敵に笑い


「できるよ。現に第一段階の実験は公の場で済まされている」


 自信満々に答えた。


「そんなこといつしたの?」


 貴也の目に嘘はみえなかった。

 そのことに半信半疑といった表情で聞いてくる。


「お前も見てただろ?」


 思わせぶりな貴也の言葉に頭を抱えて考えていたようだが、どうやらわからないようだ。

 手を広げて「お手上げ」と言ってくる。

 それに対してアスカが


「もしかして魔王との決闘の件ですか?」


「よくわかったね」


 アスカを褒めながら優紀を軽く見るが彼女は全く気にしていない。

 貴也は苦笑しながらもアスカにその理由を聞く。


「貴也が公の場に出たのはあの時だけでしょ。それで言ってみただけよ。でも、あの時に何か変わったことをやった? やったことと言えば――」


「正解。魔王の魔力を浴びて火傷を負っただろう。あれが実験」


 貴也の言葉に二人はますます混乱していた。


「なんで、あのプレートは魔力を熱に変換するものなんでしょ。それがなんで機械に応用できるの?」


「あのプレートの使い道は本当は別にあるんだよ。そうですよね、魔王様?」


「なぜ、我に聞くのだ?」


 笑いながら惚ける魔王に貴也は肩を竦めて


「あのプレートを初代公爵にあげたのは魔王様なんでしょ?」


 その言葉を聞いた魔王は楽しそうに声を上げて笑っていた。


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