第百五十七話 謎は深まるばかりで無双できない
申し訳ありません。
最近、執筆時間が全く取れず文章が凄く短くなっております。
それでも週一更新は守りたいのでご容赦を。
スラリンがそんなにとんでもない魔物だったと知って言葉を失う、貴也。
だが
「そんなに心配はいらぬと思うぞ。そやつには繁殖、いや増殖といった方が良いか。その能力がない。奴らの最も恐ろしかった点はその増殖能力だったからな。良く一匹見つけたら十匹はいると言われたものだ」
どこのGだよ、と思いながらも貴也は再度確認する。
「こいつ分裂しますよ。本当に大丈夫なんですか?」
「それは一時的なものだろう。用が済んだらすぐに合体したんじゃないのか?」
貴也が頷くとテンペストの雰囲気が和らぐ。
「それなら大丈夫だ。お前もこやつが増殖しているところを見たことはないだろう。お前と遭ってどれくらい経っているかは知らぬが、これほど成長しているのであれば既に第四世代まで生みだしているはずだ。少なく見積もっても軽く万は超える」
「万って」
貴也は絶句していた。
どうやらスライムの増殖能力を軽く見ていたらしい。
「そうだ。その増殖能力がこやつの先祖を殲滅しなくてはならなかった最たる理由だったのだ」
確かに一匹でも残せばいつの間にか増えて悲劇が繰り返される。
例え、隔離していてもいつの間にか逃げ出して増えてしまっては堪らない。
確かに滅ぼすしかなかったのだろう。
だが、そこで疑問が再度浮かぶ。
「じゃあ、なんでこいつはここに?」
神の分身体が自ら殲滅したのだ。
そこに手落ちがあるとは思えない。
しかも、その分身体が破壊神なのだ。
こいつ等を殲滅させるために世界を一度灰燼に帰すことくらいやっていることだろう。
うん。テンペストが頷いている所を見ると貴也の予想は間違ってないようだ。
マジ、破壊神おっかねえ。
まあ、それは置いといて話を戻す。
「ではスライムが突然変異して似たスライムが生まれたんでしょうか?」
貴也の予測にテンペストは首を振る。
「それは無理だ。このスライムはこの世の理の外にいる存在。白様が手ずから生み出したものだ。このようなスライムを生み出すことが出来るのは最上位の神くらい。破壊神様を除けば創造神様くらいだろう」
その話にホッとしつつも、さらに疑問がわいてくる。
じゃあ、こいつは何者なんだ。
その時だった。
何か思い立ったのかテンペストが呟いた。
「まさかな」
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