表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
134/200

第百二十五話 森に降りるのが難しくて無双できない


 高度を上げて諦めたのかそれとも最初の攻撃がただの気まぐれだったのか二度目の攻撃はやってこなかった。

 貴也はホッと胸を撫で下ろす。

 

 だけど


「そうなるとまずいなあ。下から攻撃されるんじゃあ。オレたちだけ下ろすというのも難しいんじゃないのか?」


 貴也は顎に手を当てて考え込む。


 森の外から徒歩だとこの地点まで三日。

 いや、戦闘や地形によっては迂回しなければいけないからさらにその倍は見なければいけないだろう。

 既にアスカの行方が分からなくなってかなりの時間が経っている。

 彼女がそう簡単にくだばるとは思わないけど、もし怪我でもしていたらそう長くもつ者ではないだろう。


 貴也が頭で考えていても良い案は浮かばなかった。

 そこに荷物を抱えた優紀が戻ってきた。

 貴也が考え事をしている間にキャビンで準備を進めていたようだ。


「じゃあ、行くわよ」


「行くってどこに」


「どこって? そこ」


 そう言って下を指差す。


「高度を下げると魔物から攻撃を受けるんだろ。どうやって降りるんだ?」


「ここから飛び降りるんだよ?」


「え?」


「え?」


 二人は同時に首を傾げていた。

 話が全くかみ合っていない。


 そして、我に返った貴也は首を振って


「無理、無理、無理。スカイダイビングなんてやったことないんだぞ。それなのに初めてが森の中にダイブとかありえないだろ」


「心配しなくてもパラシュートなんて使わないわよ。あれって結構操作が難しいのよ。それにパラシュートで優雅に降りてたら魔物に狙撃されちゃうわ」


「じゃあ、どうやって」


 貴也は冷や汗をタラリと垂らす。


「このまま飛び降りるの。着地する瞬間に魔法で衝撃を緩和するから大丈夫。もし怪我してもわたし治癒魔法使えるし」


 そう言って優紀は貴也の腕を掴んだ。

 女とは思えない力で貴也を強引に立たせる。


「冗談だよな」


 懇願するような目を向ける貴也に優紀は優しく微笑む。


「わたしを信じなさい」


「お前が一番信用できないんだよ!!!!」


 叫んでいた時にはすでに貴也は空の中だった。

 ヘリの中でケビンが手を合わせていたのが何故か印象的だった。



いつもお読みいただきありがとうございます。

これからも宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
別作品の宣伝です。
カワイイ男の子が聖女になったらまずはお尻を守りましょう
良ければ読んでください。

あと宜しければ下のリンクを踏んで投票していただけると嬉しいです。
小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ