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伯爵令嬢はチート転生者  作者: 猫柳 鉄平
第一章
9/31

婚約者候補

説明多目。短めです。

 兄に会ってむしゃくしゃしたので、3日かけて『盗賊×兄』のR18同人小説を書いてやった。後悔はしていない。万が一見つかっても日本語なので誰も読めないだろう。


 そういえば新年もあと2週間ほどで迎えるし、そろそろ父が視察から戻ってくる頃かな。

この国では1週間6日、1ヶ月30日、1年12ヶ月となっており、終業パーティは12月の1週目に行われた。そこから各自帰省する。新年を迎えて1月は家族と過ごし、2~3月は社交界のシーズンなので大体の上流貴族は王都の屋敷で過ごす事になる。学園の新学期は5月から始まるので、約5ヶ月の長い休みなのである。休み多すぎワロタ。

ちなみに四季はなく、だいたい春と冬が半年毎に入れ替わる感じだ。


 翌日、父と母が視察から帰ってきた。挨拶を済ませて退出しようとすると夕食の後、応接室に来るように言われた。たぶん断罪イベントに関する呼び出しだろう。兄からの視線が痛い。

ちなみに廊下ですれ違うたびに兄は嫌味を言ってる。昔からなのできっとパッシブスキルだと思う。近いうちに2冊目の同人が作られることでしょう。ぐふふ。


 夕食後、呼び出された応接室へ向かう。入室を許可されるとソファーに座った父母兄がいた。


「失礼します」

「さぁ、エミル座って頂戴。お茶お願いね」


 母は私を向かいのソファーに座ることを促し、侍女に私の分のお茶を入れるよう指示した。


「学園での件は各方面から聞いたぞ」

「お父様にはご迷惑をお掛けしてしまい申し訳ございません」

「過ぎてしまったことは一先ず置いておく、それよりもこれからの事だ」

「これからと申しますと……?」


 父は鋭い眼光をこちらに向ける。目で人を殺せるやつやないかー!我が父ながら怖いわ!!


「グローグ騎士公爵家からお前に婚約の申し込みがあった」

「げっ……」


 思わず顔を引きつらせてしまった。これか!あの伏線はこれかー!なんて日だ!!

うちは伯爵、向こうは騎士公爵。純粋な貴族ではないけど家柄的には向こうの方が上、先祖に王族の血も入ってるらしいし、過去の功績から街を一つ与えられているはず。


「断る理由はないだが、一先ず保留にしておくことにした」

「わかりましたわ。お父様のご判断にお任せいたします」

「話は以上だ。下がりなさい」

「はい、失礼いたします」




 

 戻った自室の寝室で「ふっざけんなぁぁぁぁぁ!!!!」と枕に顔押し付け、思いっきり叫んだ。


「どうせあれでしょ?女に怪我をさせたのを家族に話して、騎士の家系だから罪も無い女性に怪我をさせるとはなにごとだ!男として責任をとれ!!とかって言われただけじゃないのぉぉぉぉおお!?あの謝罪の時だって超顔嫌そうだったし。いやね、私だって政略結婚になるのは仕方ないと思ってましたよ。ええ、思ってました。が、好感度マイナススタートはつらいんだぜ?せめてゼロスタートでお願いしたかった。

……しかも、あいつビッチちゃんの事好きなんでしょ……?」


 誰に言うわけでなく、枕に顔を埋めたまま独りごちる。あぁ泣きそう。

何がつらいって少年が好きな人を諦めて、嫌悪対象の少女と結婚を決めるっていうのがね。おばちゃん的には不憫すぎると思うわけですよ、元現代日本人としては。

どうにか婚約にならないよう進めてあげたい。もう怪我も治っているし、双方が望まない結婚はいくない!こっちはともかく向こうにはメリットなさそうだし。


 一頻り声に出して、なんとか心を落ち着かせた後コンコンと扉がノックされ、許可するとセシリアが入ってきた。


「エミル様、そのお声が聞こえましたが大丈夫でしょうか?」

「え、ええ。ちょっと動揺してしまって……もう問題ありませんわ」

「ご無理をなさらないで下さい。私ができることでしたらなんなりと」

「っ……!」


 私はセシリアに抱きつき号泣した。ストレスが溜まりすぎてて何に対して泣いてるかわからないくらい泣きじゃくった。セシリアマジ天使。胸やわらかすぎるげへへ。


 一頻り泣いた後、目を冷やしてその日は寝た。

翌日起きると目はまだ腫れていたし、家族と顔を合わせるのも嫌だったので今日は自室警備をすることにした。こっそり魔法の訓練もできるし、一石二鳥なのだ。元々引きこもりだしね。

朝から晩まで自室で色々試したところ、飛ぶ魔法<フライ>や瞬間移動魔法<ワープ>、生活魔法等が使えるようになった。ついでに魔法のキャンセルも出来るようになったので、例えば<竜巻>を使っても任意で消すことができるようになった。


 この世界には、所謂ファンタジー要素が盛りだくさんで魔物もいれば迷宮(ダンジョン)もある。勇者の伝説もあるし魔族もいる。ただし、王都近辺では森や渓谷等の自然の中に入らない限り魔物に遭遇することはないし、普通に暮らしていたら魔族と遭遇することもない。亜人は80年代の外国人遭遇率位、つまりは珍しいといった感じの人間優勢地域なのだ。

密かに夢見ていた冒険者という職業は王都近辺では廃れていて、傭兵ギルドの方が人気がある。王都では魔物対策より対人戦闘(PVP)を重要視しているからだ。ついでに言うと戦争なんかも起きたりもする。


 折角魔法を使えるようになっても、王都近辺では冒険者として生活して(やって)いけない。一応貴族だから生活する必要はないかもだけど、やっぱ憧れだから冒険者生活したい。

とりあえず休みの間は魔法練習とアイテム作り、剣もとい鈍器の稽古をして冒険者になれるよう訓練しておかねば!


 毎日部屋に引きこもって魔法練習とアイテム作り、鈍器の稽古をして日々を過ごした。

新年まで後3日というところで、次兄アルスレイン兄様が帰ってきた。

なかなか話が進まず四苦八苦しています。

1人称視点は初めてだったりします。

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