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伯爵令嬢はチート転生者  作者: 猫柳 鉄平
第一章
21/31

舞踏会4

※9/26誤字修正

 アルシェイド王子と話しながらダンスをして、もう少しで曲が終わるかなと思っていると、不意に頭上から亀裂音が聞こえた。顔を上げて頭上を見ると一番大きなシャンデリアが少し揺れている様に見える。ああ、なんか嫌な予感がすると思っていると、王子の手が私の頭に回され顔を胸に押し付けられるように、背中から床へ倒された。目の端から見える景色は天井……


いや、落ちてくるシャンデリアを写していた。


 私は咄嗟にアルシェイド王子の腕の下から天井へと手を伸ばし<シールド>と唱える。直径3メートル程の半円状のドームが私と王子を包み込む。その直後、<シールド>の上に落下した巨大なシャンデリアはガシャンと言う大きな音と共に破片を悲鳴と共に周囲へ撒き散らした。


「あっぶな……!!死ぬかと思った……」


 これは本音が出ても仕方ないと思う。アルシェイド王子に言ったわけじゃないからセーフと言うことにしておこう。王子は私の言葉に反応したのか床につきそうになっていた頭を上げた。顔が近い!


「……助かったのか?」

「はい、私達は大丈夫ですわ。それよりも……殿下、その……」


 アルシェイド王子の問いに慌てて言葉を取り繕って答える。

そして、王子に押し倒された格好……床ドン状態になっている気まずさに、早くどいてほしかったが「どいてください」とは言えずに言葉を濁して伝えてみる。


「あ、ああ。すまないね」

「いえ、とんでもございません。危ないですのでこの結界から出ないで下さい」


 アルシェイド王子は私の上からどいてそのまま床に座った。私も上半身を起こして座り、<シールド>を覆うようにあるシャンデリア本体を支えるべく<シールド>を、パフォーマンスとして両手を挙げたままで張り続けている。

<シールド>の外では既に多くの騎士達が集まっていて、避難誘導や破片で怪我した人の救護、シャンデリアをどかす作業をしてくれている様子が見える。ざわめきが聞こえた方に視線を向けるとビッチちゃんが魔法で治療している様子も見えた。


「本当に危ないところだった。助かったよ」

「恐れながら殿下。何故私を庇ったのでしょうか」

「女性を庇うのは当たり前ではないか?」

「はい、普通の男性でしたら当たり前の事と存じますが、殿下は国にとって大切なお身体でございます。私を守らず盾にしていただく位でないと……」


 安堵したのかにこやかに話しかけてくるアルシェイド王子に、苦言を呈すると王子は顎に手をあて「ふむ……」と考え込む様子をみせた。この先誰が王になるのかはわらかないが、個人的にカイシュが王になることだけは避けたいので自分の体を大切にと暗に伝えたかった。


「なら、君に守・・・・いいか・・・しれないね」


 何かアルシェイド王子が呟いていたけど、断片的にしか聞こえなかったのでスルーした。しばらくして頭上のシャンデリアが騎士達によってどかされたので、<シールド>を解いた。とたんに騎士やら救護兵やらが駆け寄ってきて王子をあっという間に連れ去って行った。


「エミルっ!大丈夫!?」

「問題ありませんわ、レインお兄様」


 アルシェイド王子を連れ去るピットクルーの様な一連の動きを見つめていると、レイン兄様が駆け寄ってきてくれた。


大丈夫と聞かれたら問題ないと答えるマイルールを発動させたが通じるわけもなく、レイン兄様をホッとした表情で私の手を取り立たせてくれた。


「お父様とお母様はご無事で、今は別室におられるから安心していいよ」

「そうですか、それは何よりですわ」

「僕達も別室へ行こうか?」

「あ、レインお兄様。私、初期魔法の<ヒール>なら使えるのですがお役に立てたりしますでしょうか?」

「そんなにひどい怪我の人もいないし、王宮の魔法使い達もきているから手は間に合ってそうだよ」

「そうですか。では別室へ参りましょう」

「うん、行こう」


 レイン兄様にエスコートされながら別室へ向かう。何部屋かあるうちの一室に入ると騒がしかった室内が静まり返り、突き刺さるような視線に晒された。悪いことはしていないのにこの居心地の悪さは一体何なのか?

思っていたよりも短かったです。申し訳ない。

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