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伯爵令嬢はチート転生者  作者: 猫柳 鉄平
第一章
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閑話:お嬢様の休日<セシリア>

 私はセシリア=ルヴォーグ。没落寸前のルヴォーグ男爵家の4女として産まれ、10歳からヴォレスト伯爵家の次女エミル様にお仕えしています。両親としては伯爵家で働いたという実績で箔をつけて、いい感じのところで相手を見つけて結婚というのを望んでいたみたいですが、私は結婚よりも働く事に生きがいを感じてしまったため、18歳となった今も侍女を辞めずヴォレスト家でお世話になっています。


 エミル様とハルティア様が誘拐された事件の後、ようやく日常が戻ってまいりました。

まずは朝の6時にエミル様を起こしに行きます。最近は夜更かしなさっているようでお声をかけると「あと5分。いや10分……。スヌーズで頼む……」とまた夢の中に戻ってしまう事が多く困っております。なんとかエミル様を叩き起こし、着替えと朝食を済ませていただきます。


 アルスレイン様が滞在しているので、朝はアルスレイン様と武術の稽古をなさっているようです。エミル様は王都で購入された禍々しい杖……エミル様は『イビルスタッフ』と名づけてらっしゃいました。を鈍器として使うべく、木製の片手剣と盾を持たれたアルスレイン様と打ち合いをされていますが、数分も持たないうちにエミル様は杖を弾かれたり、地面とキスしておりました。

見かねたアルスレイン様が「んー。エミルに鈍器は向いていないと思うよ。鈍器は扱うのに力が要るし、相手に致命傷を与えるのだって大変だよ?ほら、剣で戦ってみよう」と、エミル様に木製の片手剣を渡し稽古を再開しました。片手剣を持ったエミル様はアルスレイン様に5回に1回ほど勝っておりました。エミル様は納得がいかないお顔で「ハンターの時は鈍器使いだったのに。やっぱりメイン武器は剣にしようかなぁ……」と呟いていらっしゃいましたが、何の事でしょうか。


 昼食を済ませた後、エミル様は自室に引きこもります。これは以前と変わりないですね。いえ、以前は朝から自室に篭っておりましたので、アルスレイン様がいらしてて良かったと思います。


 自室に篭られたエミル様はどうやら魔法の練習をなさっているみたいです。一度、焦げ臭い匂いがしたので慌てて入室すると、絨毯の一部が焦げておりました……この絨毯私のお給金何年分ですかね?

エミル様は悪戯が見つかったといわんばかりの表情で「べ、別に私がやったんじゃないんだからね!」とおっしゃっていましたが、間違いなくエミル様の仕業です。危ない魔法は室内で使わない事をお約束いただき、奥様にどう報告するか考えていましたが、次に入室したときには綺麗さっぱり元通りの絨毯でした。私は夢でもみていたのでしょうか?


 夜食を済ませ入浴をお手伝いした後、お休みいただくところなのですが最近のエミル様は「私にはやることがあるので、セシリアはもう下がっていいわ」と背中をぐいぐい押されて退室させられてしまいます。

夜な夜な何をなさっているのかと、聞き耳を立てたこともありますが「セシリアぺろぺろしたい」とか「下克上本が読みたい!」等と訳の分からない事をおっしゃっておりました。疲れていらっしゃるのかしら。


 12月に倒れられた後からエミル様は変わったように思いますが、これからも妹の様な主として仕えていきたいと思います。

今月は平日の更新が厳しいかもしれません。申し訳ないです。

お読みいただいたり、感想ありがとうございます。


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