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伯爵令嬢はチート転生者  作者: 猫柳 鉄平
第一章
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誘拐4

 牢屋があるフロアから一つ上がった。二段ベッドが置かれている部屋が2つと、居間とキッチンが合わさった部屋が1つあって、居間には外に出るための木の扉があった。

もちろん、このフロアにいた犯人一味は魔法で対処済みで、生死関係無しにベッドがある部屋に放り込み錬金術っぽい魔法で扉を固めた。

拉致られた子達はもう一つ部屋で待機してもらうことにした。危険から遠ざけるためにもハルもこの部屋にいてもらう。


 布で覆われた窓からこっそり外を覗くと、夜のようで辺りの様子は伺えない。この世界に魔法があるといっても夜はほぼほぼ闇なので、無闇に外へ出る事は危険なのだ。だから、朝まで待って行動することにして拉致られた子達にも朝まで待つように伝えた。

一人で居間に隠れて朝を待っていると、夜中に馬車の音がしてきた。そっと立ち上がり戦闘態勢に入る。まず誰かが扉を開けたら<スタン>で動きを封じて、ボスっぽかたら拘束する。オーケーこれでかつる!


「カハッ!!」


 キィと扉が開いた瞬間。まさに瞬間だった。こちらに向かってくる影が見えた。何が起こった?なんだこれは?

苦しい!痛い!!薄く目を開けると私の首を掴む男を見下ろしていた。


「ぐっ!」


 更に首をきつく絞められる。苦しい、痛い。

油断した?油断した結果がこれ?

私はまだこの世界で何もしてないじゃないか!

息が出来ない、あぁよだれとか恥ずかしいし、

くるしい、いたいいたいいたいいたい。

ふざけるな、なんだこれはふざけるなふざけるなふざけるな!!!

くそが!!吹き飛べっ!

<エアハンマー>!!!!!


ドゴッ!!


「ヒュ……」


 喉が鳴った。はっ、はっぁ……いき、が。

かすむ目で男の行方を見ると、派手な音と共に扉ごと外へ放り出されたようで大の字になって倒れていた。私は必死になるあまり無詠唱で<エアハンマー>を使って男を吹き飛ばしていたようだ。さらに無詠唱<アイスランス>で追撃し、男の足を使い物にならなくする。足が使えなければ先ほどのようなことは起きないだろうと思って。息を整え、苦しさのあまり流れた涙とよだれを袖口で拭き取ると、男の状態を見るため外へ出た。


「「「光よ全てを照らせ、<ライト>」」」


 うお!まぶしっ!!!

いきなり複数の声が聞こえたと思ったら、<ライト>の魔法が唱えられていた。犯人を照らすサーチライトの様な逆光状態で眩しく、様子を見る事が出来ない。敵か味方か?どうやらかなりの人数がいるらしく、敵だとしたら手加減をする余裕はなさそうだ。


「エミル?……エミルっ!?」


 聞こえてきたのはレイン兄様の声だった。目を細めてみたが幾人ものシルエット見えるだけで、レイン兄様の姿はわからなかった。とりあえず頷いてみたがレイン兄様はこちらには来てくれないようだった。


「エミル。悪いけど手を上げてゆっくりこちらに来てくれるかい?」


 あ、これ。疑われているやつだ。犯人に言うやつだ。とTVっ子の私はピーンときたが、他にどうしようもなかったので、ゆっくりと外へ出た。

短めですみません。

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