3.in the end,we dare to runaway.―3
「な、何が……? 私には君が何の未来を見つけたのか、分からないから」
驚きつつも、その仕草を隠そうとユイナが冷静を装って言う。
そんなユイナに、驚愕を表情に貼り付けた坂月が向かい合い、声を大にして言った。
「俺達、アカシック・チャイルドの問題が、国中に広がるじゃねぇか!」
「えぇ!?」
ユイナは坂月の言葉に圧されるようにして、驚きをついに見せた。ユイナの予知では、そこまで辿り着いていなかったのだろう。確かに、知らない、と表情に書いてあった。
「……私も検索してみる。ちょっと、任せたよ……」
自身の目でも確かめてみようと、ユイナも検索を始める。そうして、落ちたユイナの体をそっと抱えてやる坂月。
暫く――一、二分程して、ユイナは目を覚ました。
「お帰り。見たか?」
彼女の身を離してやると、ユイナはそっと立ち上がった。そして、初めて見えてきた表情は、悲しげな、それ。そんな表情を目の当たりにして、坂月は自身の力を知り、同時に、この先の未来が確定した事実だと知る。故に、坂月は、どうしても、悔しげに思う。
(くっそ……)
そう心中で溶かして、先を見据える。
周りは廃墟の一室。無機質な壁が並ぶ。ガラスの割れた窓の先から見えるのは、どうしても近未来化された光景である。町のはずれにきても、自然は見えなかった。