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1.prologue

この作品は空想科学祭FINALにエントリーしている作品です。


1.prologue.




 世界に、漆黒の穴、『エラー』が出現し始めたのはつい最近の事だ。エラーは突如として、ランダムな位置に出現する大きさも様々な『穴』である。近づくモノを存在の有無すら問わずに、全て呑み込み、世界を滅ぼすといわれている謎の『穴』。この世に存在してはならないモノと言う事で、『世界のエラー』。

 今回は、そんな世界の終焉までの過程を綴ろう。

 この世界は近未来に位置する。そう言われる様になったのは誰もが『コネクト』と呼ばれる完全携帯端末を常備するようになってからの事だった。

 コネクトとは、人間が生まれた時点で右手首に埋め込む超小型『携帯電話』の事である。それは、右手首を二回、とんとん、と軽く叩く事で右手首上に二○インチ程の完全空中投影ディスプレイが表示され、そこでインターネットを閲覧したり、携帯電話の様な機能を扱えるという代物である。

 中でもその空中投影ディスプレイの技術は、世間一般に浸透し、常識となった今でも近未来技術として讃えられていた。

 世界の光景はそんな近未来化が進むと同時に、過去の遺産とは決別を付け始めていた。建物はその殆どが繊細且つ独自で、湾曲や尖塔の様なオプションが目立つ形に移り変わり、自動、という機能が付加されるようになっていた。木々等の自然もちらほらとその姿を見せるが、梢の先にはどうしても近未来の光景が見えてしまう。

 引き裂かれる過去の景色は最早人々の記憶にはセピア調のフィルター越しの写真としか映らない。当然、過去の記録はデータとして鮮明に残されているが、所詮それは記憶ではない。

 そして、そんな進化を遂げた現代では、国や世界のあり方も大分変わっている。それは、境界線防衛軍と呼ばれる、国一つに必ず一つ配備されている軍隊が特徴的だ。

 境界線防衛軍。通称――DFは、国と国の争いを防ぎ、平和を維持するための存在として確立した云わば警察である。そして、世界のために最悪他国とも戦う軍隊である。

 DFは悪しきを殺し、民を守る、そんな正義のヒーローとなっていた。決して漫画や映画の様な裏切りの展開はなく、彼等によって世界は平和の均衡を保っていたのだ。

 だが、DFは民間人を追い駆け(チェイス)始める。

 DFの目標ターゲットの名は坂月明人。

 飲食店でのバイトで生計を立てる所謂『フリーター』の一九歳男子である。

 そんな坂月明人が追われる理由はDFの口から本人にハッキリと告げられた。


『エラーを出現させる悪しき存在、「アカシック・チャイルド」として、DF本部まで同行してもらおう』



 

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