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ワンワンワンワン!!
遠くで犬の鳴き声が聞こえる。
(え、ナッツ......?もう少し寝かせて......)
と寝ぼけながら思った瞬間、 顔面にベロンッと温かい何かが往復した。
「うひゃっ!?ちょ、ちょっと待って!べっちょりなんだけど!?」
目を開けると、犬モンが全力の笑顔で私を舐め回していた。
いや、可愛いけど!可愛いけども!口はやめて!
寝ぼけた頭をなんとか起こして、顔を洗いたくて洗面台を探す。
そしてそこで、何気なしに鏡を見た。
こっちに来て初めて鏡を見てしまった瞬間、
私は固まった。
「......え、ちょっと待って。どういうこと?
私、普通に私なんだけど?」
49年間見慣れた自分の顔。
深まっていくほうれい線も、目じりの皺も、
チャーミング(だと自分は思っている)な小さい鼻も、歳の割には幼く見えると言われる顔も......全部そのまま。
全部そのままの山根麻美がそこにいた。
「転生って普通、主人公補正で美人になったり若返ったりするやつじゃないの?
なんで私、原本フルコピーなの?」
鏡の中の自分に向かって思わずツッコまずにはいられなかった。
「これじゃあ......転生じゃなくて瞬間移動じゃん。
テレポーテーションじゃん......。」
ひとはそれを異世界転移って呼ぶんだぜ




