転生はある日突然やってくる?
夫と子ども二人、犬一匹。
ごく普通の家庭で、普通に暮らしていたはずでした。
気がつけば異世界。
そばにいた犬は、どうやら犬ではなく、
そして出会った少年は、ちょっとクセが強めで......
「僕の歳は、生まれて十日が経ったと仰っていたのを聞いた方がいて、その後に三年、さらに七年が経ったと別の方々が言っていたので……おそらく十歳かと。」
「いや、十歳でよくない!?」
なぜか私は、その少年に「師匠」と呼ばれています。
身近魔法を必死に繰り出しながら、
49歳のまま異世界に飛ばされた私が、
弟子と犬もどきと一緒に、
少し不思議に、ちょっと愉快に暮らしていくお話です。
まもなく50歳。
アラフィフなんて言葉、ずっと自分とは無関係だと思っていた。
(いや、そもそも存在すら意識してなかったんだけど。)
気がつけば、今年で40代最後。
「老眼で見えなくて〜」なんてふざけていた30代の頃が懐かしい。
今じゃスマホの文字は“最大よりの大”。
電車では、太ももの上あたりにスマホを置く距離がちょうどいい。
うん、よく見える。
でもこれ、確実に老眼だわ。
うすうす気づいてはいたけどね。
恐るべしアラフィフ。
昭和時代の“老眼鼻眼鏡で上目遣いのおばあちゃん”を、今の私は素でやっている。
でも、あれにちょっと憧れてた人もいるんじゃないかな。(え?いない?)
そう、昭和といえば、子どものころ夢中で読んでいた漫画と、今の漫画ってずいぶん変わった気がしませんか。
少女漫画はもっとピュアで、手を繋ぐまでにどれだけ時間かかるのって世界だったのに、
今じゃ5倍速くらいで、なんなら手より先に唇が接触している。タイパが良過ぎると思う。
そして最近の流行といえば、異世界転生もの。
主人公が貴族令嬢になったり悪役令嬢になったりして、なんだかんだ活躍するあれだ。
もちろん、現代知識持ちの転生だからかなりのチートキャラという設定で。
イケメン王子とのラブライフもセットでついてくるのが定番だ。
実に羨ましい話。
魔法が使えて、容姿も優れていて、性格も良くて、もれなく素敵な王子様もゲットする。
完全に勝ち組。
あ~~! 流行りの異世界転生してみたい!!
勇者になったり冒険者になったりしてスローライフ送ったり、
貴族令嬢になって優雅な生活してみたい!!
娘と一緒に読んでいる漫画の世界線に憧れながら、現実逃避する日々を送っていた。
そう、昨日まではーー
そしてもれなく、転生小説がはじまります!




