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140字の戯言  作者:


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4/5

31~40

31 女の勘


「ねえ、浮気してない?」

「え?」

「最近私を避けている気がするから」

付き合って二年になる彼女に浮気を疑われた。

女の勘ってやっぱりすごい、ここ一カ月ほど新しい彼女と過ごす時間が増えていることに気付いたようだ。

ところで妻は女の勘を働かせ、ここ二年の僕の行動に気付いているのかな。




32 落ち込んだままの父


「お財布は忘れていませんか」

「ああ」

「ハンカチは」

「持ってるよ」

「シャツの襟が立ってます」

「自分で直すから大丈夫だ!」

父が出掛ける際の玄関先での日課も、母が亡くなって聞けなくなった。

鬱陶しいと言わんばかりに家を出ていた父は、何度も振り返って寂しげに家を出るようになった。




33 ビジョンとリスクマネジメント


お前にはビジョンがないから今は何をすべきかという発想もない。

顔を見るたびに見下しながら罵ってくる入社同期の上司。

ビジョンなんて描いたことはないけど、大手の会社にスカウトされたよ。

そして君より役職も上になる。

この会社に残るというリスクだけはしっかりと計算していたからな。




34 評価点数より自分の舌


グルメサイトの上位のお店に連れて行っても彼女は喜ぶことがなかった。

古びた町の定食屋へ行くと笑顔になる彼女は、評価点数に惑わされて美味しいと思い込んだり、自分の好みを変えたり合わせたくはないから、グルメサイトは店の場所の確認などにしか使わない。

そんな彼女を妻にしたのは私です。




35 一人ラーメン


仕事が遅くなりコンビニでレンチンのラーメンを買って帰った。

自分が悪いのに意地を張って判を突いた届けを投げつけ、一時の感情ですべてを失い覆水盆に返らずだ。

湯気の向こうのテレビの破顔の芸人が笑わせようとするがより寂しくなり、お汁よりしょっぱいものでテーブルに大きめの水溜りができた。




36 痕跡


あるハリウッドの俳優はタバコを吸うシーンが本当に格好よく、タバコが似合う大人になろうと追い続けてきた。

でもその俳優はタバコが大嫌いで役のために咥えていただけということを知り、ショックで四〇年間続けたタバコもファンもやめたが、ファンだった痕跡として病気だけが今も身体に残っている。




37 魔法は解けている


「私の事、好き?」

「うん、大好きだよ。知り合った頃は魔女とは無理だと思ったけど、付き合ってるとどんどん惹かれたよ」

「もう付き合いだして五年ね」

「あのさ、そろそろ結婚しようか……」

おかしい、魔法は三年で完全に効果を失うはず。

五年も効いているって魔女としての修行が足りないのかな。




38 成果主義


いつもふざけた事を言って周りを笑わせる先輩、仕事はできないけどこの会社が好きなんだと思っていた。

そんな先輩が必要とされていないからと言い残し、会社を去った。

先輩が去ると雰囲気も売り上げも急激に落ちて行く我が部署。

数字に表れない大きな貢献は成果主義のグラフには描かれないのだ。




39 寄り道もまた人生


道が右に分岐している。

真っすぐ進まずに右に折れた。

しばらく進むとまた分岐しており今度は左に折れた。

何度か左右に折れながら進み、後ろを振り返ると遠くにスタート地点が見える。

右に折れても左に折れても、結局はまっすぐに進むのと同じ。

でも違う道に折れたから違った景色も楽しめた。




40 滅多にしない


改札を通っても駅員はいないし、電車に乗っても自動放送だけ。

まるで無人販売所のようだ。

先日そんな電車に乗ってホームへ降り立つと、何やら放送が聞こえてきた。

お客様対応のために列車が遅れているらしい。

普段はお客の相手なんて一切しないのに、たまに対応するから遅れたのだと真剣に思った。

次回は41~50です……。

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