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寝取られRPGゲームに転生ました〜NTRフラグをへし折り、推しカプのハッピーエンドを目指します!  作者: ましかり


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レジナルド、単独行動開始

一話更新

 翌朝、カイトたちを見送ったレジナルドたちは、昨日に続きポーションの作成に取りかかる。


 丸テーブルに並ぶ中級ポーションの材料は、下級のポーションと殆ど変わらない。ひとつだけ透明な液体が入った小瓶が追加されていた。


「これは増強剤。薬草の効能を最大限引き出す効果があるの。下級と中級の材料の違いはこれだけね」


「なるほど。昨日より魔力が必要なんですね」


「そう。手順は昨日と殆ど一緒よ。中級ポーション用にベース液を作る魔力を増やすのと、加熱中に加える魔力をベース液にあわせること。増強剤は加熱してすぐに加えればいいわ」


「……魔力、足りるかな」


「まずはお手本から。ロニちゃんは中級ポーション用のベース液が作れるように練習してもらうつもりだから、しっかり見ててね」


「わかりました……!」


 エプロンを身に着け、並んで作業を始める二人を見たレジナルドは、しばらくのあいだ本を読んですごす。


 テキパキと中級レッドポーションを作るアデラの手つきは流石の一言に尽き、ミスらしいミスもなく完成させてしまう。下級よりも赤色の濃いレッドポーションは、市販されている物と比べても遜色のない仕上がりに見えた。


 蓋をしたガラス容器を持つアデラも、完璧な出来だと感じ、頷いた後にそれをロニに手渡す。


「ロニちゃん、昨日教えたとおりに確認してみて」


「わ、わかりました。ん……っ!」


 ロニは前日教わったとおりにポーションに魔力を流す。


 薬草とベース液、その他材料が完璧な反応を起こし、ポーションが完成していれば、魔力が抵抗なく流れ、調薬は成功したとわかる。しかし流した魔力に乱れが生じた場合、それは調薬の失敗をあらわす。


 ロニの持つポーションはとてもスムーズに魔力を通し、調薬の成功を示していた。


「……綺麗に魔力が通ります。これは調薬に成功したポーションです」


「正解。一本一本、調薬したものには必ず魔力を通すようにしましょう。間違っても薬師ギルドに持っていたったら駄目よ。検品ひとつ出来ない人って認識された困るから」


「はい、わかりました……!」


 ロニからポーションを受け取り、アデラがガラス瓶を専用のホルダーに収納する。前日に作った10本のポーションも収められており、彼女は材料を使い切ってから薬師ギルドへ納入しに行くという予定を立てていた。


(今の作成ペースだと昼過ぎまでかかるか。よし……)


 大方の時間を逆算したレジナルドが、本から顔を上げアデラに話しかける。


「アデラ。ちょっと町に出ていいか? 昼過ぎには戻って来ようと思うんだけど」


「いいわよ。でも何をしに行くの?」


「王都の錬金具を見てまわるつもり。まだまだ俺が作れる物は少ないからね。目を肥やしておこうと思って」


「『錬金具』のお店なら、王都のメインストリートの隣にあるセカンドストリートの方があったはずよ。此処じゃ不人気なお店なのよね……やっぱり『魔法具まほうぐ』の方が人気があるもの」


 レジナルドの使う『錬金具』は、属性魔法の素質が無くても使える汎用道具だが、『魔法具』は属性魔法の素質が無ければ使えない特化品となっている。


 『錬金具』が属性魔法の下位互換でマイナー技術と評されるのは、『魔法具』の存在が大きい。


 個の才能を伸ばし、補助する『魔法具』は、極めて効果が高く、装備者に合わせて作る高価な専用道具だ。


 例えば、火の属性魔法を持つ者が、火属性の『魔法具』を所持したとする。本来であれば幾度も練習しなくては身につかない、高威力の火の玉を射出する魔法を、『魔法具』が術者の魔力を使う代わりに発動し、本人はそれを誘導するだけーーといった事すらも可能にする物すらある。


 形状は装飾品である事も多く、使用過多で壊れるまでは何度でも使える。その点も基本使い捨ての『錬金具』よりも優れていた。


 また、才能と金がある貴族が、こぞって『魔法具』を求め、『魔法具』こそ至高、『錬金具』を使うなんてありえない、と評した事もある。


 それらの要因から『錬金具』は才能無き者が使う庶民の道具、というイメージが定着。マイナー扱いされている次第だ。もっともレジナルドたちの暮らす田舎では、そもそも魔法具屋が無いので、『錬金具』は便利な道具扱いをされているのだが。


 田舎と王都では生活環境、生活スタイル、なにもかもが違う。王都で貴族の声が大きいのは仕方のない事だろう。


「ま、王都じゃそんなものだろ。ここで不人気でも使えればいいさ。『魔法具』なんて気にしてもしょうがない。縁が無い物なんだからね」


「ふふ、確かに。気を付けて行ってきてね」


「おにーさん、いってらっしゃい」


 笑顔で見送ってくれる二人に嘘をついているのが心苦しいが、レジナルドはそれを表に出さず頷く。


 彼はアデラの教えてくれたセカンドストリートに行くつもりはない。更にその裏にある裏通りに行くつもりであった。


 そこは原作ゲームでも訪れる事が可能な王都の裏道で、治安の悪い場所ーーという設定だ。王都に暮らす住民から近づかない方が良いと言われ、素直なプレイヤーはその言葉に従うだろう。


 そこには金銭を対価に情報を売る情報屋が潜んでいる。情報屋からはゲームの攻略情報を買う事が可能で、プレイヤーの攻略を助けてくれるのだ。


 しかし住民の話も完全に嘘でなく、カイト単独でなら単なる便利スポットだが、サリーナが一人で来るとたちまち男たちが群がってくる。彼らに捕まればどうなるのか? それは言うまでもないだろう。


(現実では情報屋が何をどこまで教えてくれるのかわからないが……一度、行ってみる価値はあるだろう)


 デミシの使う催眠の道具が『魔法具』なのか『錬金具』なのか、原作では語られていない。人の意志を操るという強力さを考えると『魔法具』の気がするが、『錬金具』の可能性もゼロではない。


 それらの『魔法具』『錬金具』についての情報。もしくはデミシの自宅の場所。レジナルドが知りたいのはこの2点。


 情報屋から仕入れられる事を願いつつ、彼はアデラたちに軽く手を振る。


「ありがとう、行ってくる」


 男ひとりでも警戒を怠らないようにと、己を戒めたレジナルドは宿を出るのだった。

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