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寝取られRPGゲームに転生ました〜NTRフラグをへし折り、推しカプのハッピーエンドを目指します!  作者: ましかり


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リーフと食事会

一話更新

 アデラの案内で到着した店は、村には無いしゃれた外見のレストランだった。冒険者たちが騒がしく飲み食いするような大衆向けではなく、大人が普通に会話しながら食事をするちょっと良いお店といった様子だ。


 二人が店内に入ると店員が近づき、アデラがリーフの名前を伝えると、彼女は先に来ているようで席まで案内しようとする。


「久しぶりに会うんだろ? 気兼ね無く話したいだろうし、俺は別の席で食べているよ。帰るときに声をかけてくれれば良いからさ」


「リーフに聞くから一緒に席まで行きましょうよ。レジナルドの紹介だってしたいわ」


「あの、リーフ様からは待ち人は夫婦だと聞いておりますが……? 二人分の席のご用意があります」


「流石リーフね。わかってるじゃない。ほら、行きましょ」


「あ、あぁ……わかったよ」


 頷きながらもレジナルドはいまいち釈然としない。アデラが見せてくれた書き走りは『いつもの店で待っている』というもので、レジナルドには一切ふれていなかった。


 時間も書いてなかったが、それはいつも同じ時間で待ち合わせをしているのなら書かずともわかるだろうと推測できる。しかしレジナルドの同行はわからないはずだ。


(アデラなら連れて来ると予想していたのか?)


 そうなればリーフは、アデラの性格をよく知る友人という事になる。よくよく考えるとレジナルドはアデラの友好関係を全く知らない。


 結婚が急だっただけに、他にも知らない事が多々あるという想像は容易く、これからもっとお互いの事を知らねばと、彼は思う。


 二人が案内されたのは、間仕切り壁で仕切られた四人がけの席で、私服姿のリーフがアデラたちを待っていた。


 リーフの私服はアデラの華やかなワンピースに似たデザインで、同じ店で示し合わせて買ったもの。遠くに離れて住んでいるため会える機会は少ないが、揃いで買った服は二人が心を許し合う友人の証だ。


「ごめんね、待たせちゃった?」


「ううん、来たところよ。座って座って。旦那さんもどうぞ」


「ありがとうございます」


 促されるままレジナルドとアデラはリーフの対面に座る。先に注文を、と言われメニュー表を見ると、それなりの値段が並んでいた。


 あまり食にこだわりのないレジナルドは、アデラが食べたい物をたずね、それと付け合わせのパン選ぶ。取り皿で取り分けのできるおかずをアデラも選ぶと、リーフも便乗し、三人で料理のシェアをすることになった。


 注文を終えたところで、リーフがレジナルドの方を向く。


「では改めて。初めまして。私はリーフ。薬師ギルドで職員をしています」


「初めまして。俺はレジナルド。まだ結婚して数日ですが、アデラの夫です」


 今後ともよろしく、と挨拶をしたところで、リーフがアデラの方へと向き直る。


「本当にびっくりしたわよ。前に会った時、結婚の話がないどころか恋人もいなかったじゃない」


「ま、まぁ色々あって、ね? でもレジナルドは幼馴染なのよ。ちょっと疎遠だったけど……」


 ちょっとだろうか、と思うレジナルドだが、あえて口を挟むことをせず水を飲み、彼は二人の会話を見守り続ける。


「色々あって、ねぇ……。よっぽど言いにくいことがあったみたいね? 結婚もそれに関係してる?」


「うぐ、相変わらず鋭いわね……。話すけど大声は出さないでよ」


 アデラの口から語られるのは、彼女目線での話。薬草摘みに行った際、小鬼に襲われた事と通りがかったレジナルドが助けてくれた事だ。


 小鬼に襲われたと聞いたリーフは、笑顔をキープしているが、明らかに雰囲気が変わっている。こめかみに怒りのマークが浮かんでいそうな威圧感のある笑みに、アデラは自分の不用心さを反省してみせる他ない。


 それが心からの反省だと伝わったが故に、リーフもまた怒りを収めるしかなく、深々と息を吐いた後にじっとアデラを見つめる。


「……わかってるなら、いいのよ。薬草摘みは本当に気を付けて。ギルドで仕事をしていると、似たような話をちらほら聞くから」


「……うん。身にしみてわかったわ」


「……レジナルドさん。アデラを助けてくれて本当にありがとうございます。また彼女と会えたのは貴方のお陰です」


 律儀に頭を下げるリーフの姿から、友の無事を心から喜び、安堵しているのが伝わってくる。彼女の人柄の良さも感じ取ったレジナルドは照れくさそうに笑い、隣のアデラを見た。


「本当に助ける事ができて良かったです。それが縁になって今は夫婦になりましたし、今後もアデラの身に危険が及ばないよう努めたいと思ってます」


「レジナルド……♡」


 きゅ〜ん、と胸が締め付けられたアデラの甘えた声は、リーフが聞いたことのないもので。心からアデラがレジナルドに惚れ込んでいるのと、言葉にせずとも彼女にはよく伝わった。


 そのまま雑談へと移行し、会話に花を咲かせていると料理が運ばれてくる。リーフが取り皿に料理を取り分け、舌鼓を打ちながら和やかに食事が進めば、お互いの人柄はなんとくわかってくるもので、彼女はすっかりレジナルドを友人と認識し、口調が少しくだけたものに変わる。


「良い人掴まえたのね。貴女の幸せそうな顔を見ていると、ちょっとだけ羨ましく感じるわ」


「あら、リーフなら恋人を作ろうと思えば作れるでしょう。前だって職場の人に告白されて断ったって言ってたじゃない」


「あの人は駄目。結婚したら家庭に入って欲しいタイプだって聞いた事があるもの。付き合うなら薬師ギルドの仕事を続けて良いって言ってくれる人じゃないと」


 結婚を視野に入れたリーフの言葉に、アデラとレジナルドは確かにと頷く。薬師ギルドは国が運営する組織で、給料も良く、まともに仕事をしていれば失職する可能性が低い安定した職場だ。


 王都の学校を優秀な成績で卒業して就いた仕事に、リーフは誇りを持っている。結婚適齢期で、学友から結婚報告がちらほらと届き、遠くに住む友人アデラが結婚したと聞いても、今の仕事は譲れなかった。


「でも今気になる人はいるのよ」


「えっ、そうなの? どんな人?」


 恋バナの気配にアデラが色めき立つ。女の人って恋バナ好きだよな、とほのぼのした気持ちになったレジナルドだが、リーフの言葉を聞くとその気持ちは一気に吹き飛んでしまう。


「この前あった冒険者ギルドとの交流会で知り合った人よ。最初はあんまりタイプじゃないと思ったけど、なんだか気になるようになっちゃって。購買所のデミシさんって人なんだけど」


(はっ!? リーフさん……まさか、催眠の影響下に……!?)


「そうなんだ。気になるきっかけでもあったの?」


「……特にコレっていうのは無いかも。何となく、かしら。ふとした時に顔が思い浮かぶようになって……会って話してみたら会話も弾むし、良いかなって。彼も満更でもなさそうだし」


「恋の予感……! 上手くいくといいわね」


 アデラは楽しそうに話しているが、レジナルドは気が気でない。何故ならリーフの話す内容が、レジナルドの知るサリーナ寝取られルートを、リーフに置き換えたものだからだ。


 サリーナが一人で購買所に行き、顔見知りになってから何度も買い物をしているうちに、彼女は彼の豊富な知識や助言を聞き、信頼するようになる。


 そんな彼女にデミシは催眠をかけるのだが、それは違和感を覚えない些細なものから始まる。


 ふと顔が思い浮かぶ、会いたくなり、話したくなるといった軽いものが、偽りの好意を植え付けてのボディタッチへと移り、より深いものへと変わっていくのだ。


 リーフの様子は、催眠にかけられたサリーナの初期状態とあまりに似すぎている。原作でデミシは数多の女冒険者と関係を持つとあったが、その範囲が冒険者にかぎらず王都内にも及んでいる可能性があることに、レジナルドは気づく。


 しかし、リーフが催眠の影響下にあるという証拠はなく、暴く手立てもない。話を聞く限り、まだセクハラ行為をされる前段階のように感じたレジナルドは、アデラの友がもてあそばれ捨てられるような目に合う前に、どうにかしなければと考えるのだった。

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