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寝取られRPGゲームに転生ました〜NTRフラグをへし折り、推しカプのハッピーエンドを目指します!  作者: ましかり


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冒険者初日の報告

一話更新

 日が暮れ始める少し前、冒険者ギルドへ行っていたカイトたちが宿へ戻って来る。彼らに怪我らしい怪我は見受けられず、レジナルドはホッとする。


 彼らか帰るまでにアデラとロニは、下級のレッドポーションとブルーポーションを5個ずつ作成し終えている。まだまだ魔力に余裕はあるが、ロニの練習をかねているので慌てず、中級は翌朝から取りかかると決めていた。


「ーーって感じで、今日は王都の近郊で魔物狩りだったぜ。まぁ腕試しってところだよな」


「だね。カイトたちなら何の問題も無かっただろう?」


「まぁな! 油断しなけりゃ牙犬きばいぬ角兎つのうさぎにやられたりしないぜ。明日はもっと強い魔物と戦えるように言うつもりだ」


 牙犬と角兎は、原作ゲームの王都近郊に登場する魔物だ。


 名前の通りの外見をした魔物で、人間の身体を食い千切る牙を持つ犬の魔物が牙犬。土手っ腹に穴をあける鋭い角を頭部に生やした大型の兎が角兎と呼ばれている。


 これらの魔物は一般人にとって脅威だが、動きがとてもシンプルなため、戦闘の心得がある者ならばたいした相手ではない。


 それでも新人冒険者が稀に返り討ちに合うことのある魔物。ゆえに初めて町の外で魔物討伐に向かう冒険者の相手に選ばれているーーという設定だったが、現実でも扱いは同じのようである。


 とはいえカイトは元自警団員かつ剣乙女の契約者だ。そもそも腕試しの必要があるのかとも思うが、サリーナによると王都近郊での腕試しは規則で、避けては通れないらしい。


「職員さんがもの凄く恐縮そうにしてたよ。規則なら気にしなくていいのに」


「まぁ、冒険者の中には気の荒い人もいますからね。カイトと同じで闘技大会までに腕を上げたい人も多いでしょうし、俺たちの知らない苦労もあるのでしょう」


「だね。待っているあいだに他の人の話が聞こえてきちゃったけど、職員さんが身の丈以上の依頼は任せられないって言ってる人もいたし」


「依頼を重複して受けられないですし、より良い依頼を求めればそうもなりますか……」


 依頼を受けられるのは、一日一つというルールは同じだ。


 しかしゲームであれば魔物と戦い、消耗したら町に戻って宿で休み、体力の回復や消耗品の補充をしてからまた依頼に戻るという、時間をかけたプレイで格上の魔物が相手でも半ば強引に依頼達成に持ちこむ事が可能だが、現実はそうもいかない。


 時間は有限であり、何度も王都と往復していれば日が暮れてしまう。だから出戻りにならないよう、事前の入念な準備が大切であり、戦力に適した魔物を戦う相手に選ぶことが大切なのだ。


「レジナルドたちはどうだったんだ?」


「ポーション作りなら順調だよ。今日はまだ下級しか作ってないけど、明日には中級ができると思う。依頼で使ったら補充するから言ってくれよ」


「わかった、あてにしてる。ポーションの補充が出来るなら購買所に行く必要もないしな」


 カイトの言葉にレジナルドは内心でガッツポーズをする。


 寝取り男への対策の第一歩は近づかない事だ。


 冒険者ギルドの寝取り男デミシは購買所を担当している。原作ゲームで寝取られフラグが立つ最初の条件は『購買所でサリーナに買い物をさせる』というものであり、購買所に行かなければフラグの立ちようがない。


 普通の冒険者であれば、必需品であるポーションを買うため購買所に行かざるを得ないが、アデラのお陰でその必要性を極めて少なくできる。他にも買うべきものはあるが、その際はカイトに買わせれば良い。


(サリーナさんは自衛ができる人だ。冒険者ギルドで顔見知りにならなければ、町中で話しかけられても警戒を緩めたりしないだろう)


 デミシの使う道具の中には、対象に催眠をかけて意のままに操るという、違法な物もある。しかし警戒さてしていれば、催眠を弾く事などサリーナならば容易い。


 治癒魔法は肉体だけでなく、精神的な異常も癒すことが可能であり、本人の耐性も高くなる。原作ゲームでも彼女は状態異常に強く、正にパーティの守りの要だと言える。


「物によっては俺が作れる物もある。欲しい物があれば相談してくれ」


「わかった。レジナルドは閃光玉だって作れるもんな」


「そういう事。買うより作ったほうが安い……!」


「節約、大事だよな……!」


 自警団員の時、経費節約のために自分の武器を必死に研ぎ石で研いだ記憶が二人の脳裏に蘇る。あれはあれで手入れの勉強になったので無駄では無かったが、やはり武器屋プロの研いだものに比べれば自己流では仕上がりが荒く、使い心地に雲泥の差が出たものだと、思い出を振り返り笑い合う。


「そうだ。夕食の話なんだけど、俺とアデラは外に出たい。実はアデラが薬師ギルドの友人に誘われてね。心配だから俺も付いていこうと思うんだ」


「そうなのか、わかった。ロニちゃんはどうする?」


「悪いけど一緒にいてくれるか?」


「了解。気を付けろよな」


「ありがとう、助かるよ」


 カイトが快諾すると、サリーナに話し終えたアデラがレジナルドの傍に来る。彼女も事情の説明をし、サリーナとシルトにロニを任せたいと話していた。


 アデラの格好は王都の町娘らしい華やかなワンピースで、以前王都に来た時に買ったものである。


 レジナルドも革鎧を脱いでおり、ぱっと見はどこにでもいる青年という風に見える。しかし衣服の下は努力を重ねた戦士のものであり、よくよく観察すれば気づける者もいるだろう。


(外見だけ見ると本当に釣り合ってないんだよなぁ。まぁ、分かりきってた事だからそれは別にいい。それよりも目を離さないようにしないとね)


 改めて妻の美しさをレジナルドは自覚する。原作では死亡しているだけに、アデラがいつどこでどんな事に遭遇するのか彼には予想がつかなかった。


 空気を読まずにアデラに同行するのも、関所の二の舞にならないようにするためだ。当の彼女は心配しているのだと感じ、彼を空気を読まない人だとは思っていない。


 むしろ、愛されている! と思いご満悦である。


 そんな訳で、約束の時間が近づいた頃にレジナルドとアデラは宿を出た。町を歩けば人は多く、ちらちらとアデラを見る男が時折いるが、レジナルドが睨みをきかせているお陰で、声をかけようという者はいなかった。


(はぁ〜、きちんと守ってくれるなんて……やっぱり、好き……♡)


 ルンルンと上機嫌に歩くアデラと手を繋ぐレジナルドは、彼女の案内に従い約束の店に向かうのだった。

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