表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

日本衰退備忘録

作者: ぶんかなっとう

 今年から健康保険証が廃止され外資の民間保険に任意加入となった。

 掛け金にはコースプランがあり、風邪などの軽症コースのみは従来と差が無いが5割負担。

 癌など手術が必要な重症は毎月1万円だが2割負担となっている。

 ほとんどの国民は加入せず、一部の富裕層が重症コースに入った。

 すると病院が放火されたりする事案が毎日のように発生した。


 交通事故の件数が激増した。ほとんどが電動キックボードの事故。

 今では幼児でも可能なタイプが販売されているほど生活に浸透している。

 それに伴って増えたが、ガソリン車電気自動車などは登録数が激減したので減った。


 隣国が崩壊したことによって領土問題と拉致問題が解決した。

 自衛隊の存在意味が薄くなり、名称を災害対策実行隊と変更された。

 元々採用数が満たなく人員不足が続いていたので、国土防衛は同盟国が入れ替わりに駐屯している。

 

 政治家は激減した。

 海外で事故や事件に巻き込まれて死亡する事案が増えた。

 病気や自殺も増えた。交通事故や自宅での事故でも無くなった。

 しかも同時に2世とされる世襲も異なる事案で亡くなっている。


 宗教が無くなった。

 仏教キリスト教はもちろん、カルトも実態が消えた。

 葬儀ができたり寄進するほど収入が豊かでなくなり、経営存続ができなくなった。

 寺や教会だった施設や組織は海外の企業に接収され、まったく違う宗教か大国の教会の傘下になってビジネスをしているか、国の公園となっている。


 学校が無くなった。主に義務教育の小学校、中学校は私学の一部を除いて無くなった。

 地域に子供がほとんどいなくなったからだ。生徒を確保するには県内全域から集めてもクラスが限界。

 高校大学は県内に1つだけあるが、無い県もある。

 教育は各自親が自宅学習させるかネット授業にまかせている。

 とはいっても富裕層だけが子供を育てているので多様な学習ができている。

 昨年の出生数は500人を切ったようだからいずれ数人ほどになるのも10年はかからないだろう。


 物価が上昇しすぎて、国民は金持ちと貧民に分かれた。

 貧民のほとんどは自給自足なので税金は物納になっている。

 生活必需品は物々交換で成り立っている。

 デパート商店コンビニは消滅したが、首都に集中した富裕層のために総合施設ができた。

 そこでは学校、スーパー、美容院など生活全てを賄える。

 

 自然が復活し空気が良くなった。

 人口が首都に集中したので発電所は近隣に新設したことで地方は廃れていった。

 貧民が自給自足するには都合がいいの土地が広がった。

 大昔なら木を倒し森を切り開く開拓だったが、アスファルトを削り、コンクリートを倒す。

 おかげで貧民は病気知らずの健康長寿になった。

 首都に集まった富裕層は電動キックボードの事故で亡くなる。

 電車は採算が取れないのでとうの昔に廃止になっている。

 地下鉄の階段も上がらなくなり目的地も近くなり、移動のほとんどはキックボード。

 全ての道に屋根を付けたので雨の日も濡れない。

 キックボード専用に整備されたが、出会いがしらの事故、1センチの段差で転倒して亡くなる。

 自転車に乗れるほど体力がなく、アシスト自転車は重くでかく場所を取るので敬遠されている。

 自動車はトップ富裕層しかもっていない。


 最近は急ピッチに道路の改修工事をしている。

 歩かなくてもいいように自動で道が動かせる。

 坂道もエスカレーターのような仕組みにして。


 世界的にここまでユニークな国は珍しいので海外から観光客が来る。

 昔はサブカルチャー目当てだったようだが、今はその名残すらない。

 伝統文化はもちろん新しい文化流行はうまれていない。

 観光客のほとんどは、原始的な生活をしている地方を見物して、首都の最新生活を楽しみ、自国の幸福さを実感するための戒めとしている。

 反面教師として日本は人気がある。この先もずっと。

 

 

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ