「あなたの日常にサラッと一味!ブラックペッパー屋にございます!」02
「あなたの日常にサラッと一味!
ワタクシ旅の、ブラックペッパー屋でございまぁ~す♪」
「あなたは今、刺激の無い日常に飽き飽きしていませんか?
そんな時こそ魔法の一振り、あなたの日常にちょっとした刺激が届く筈!
ワタクシ、ブラックペッパー屋に御用命を!」
「え、それだけじゃ何も分からない?あらまぁいやらしい御方♪
ネタバレを御所望ですかぁ?仕方ないですねぇ、しかしこちらも商売の種。
ヒントはワタクシ、ブラックペッパー屋にございまぁ~す♪」
※クリスマス企画投稿作品。24日25日連続投稿、後半分。
「カサンドラ」
「あなたの日常にサラッと一味!
ワタクシ旅の、ブラックペッパー屋でございまぁ~す♪」
「あなたは今、刺激の無い日常に飽き飽きしていませんか?
そんな時こそ魔法の一振り、あなたの日常にちょっとした刺激が届く筈!
ワタクシ、ブラックペッパー屋に御用命を!」
時に皆さま、予言者カサンドラは御存じですか?
彼女はトロイの王プリアモストその妻ヘカベの娘として生まれ、その容姿は神々を魅了するほどに美しく、太陽と予言の神アポロンすら求婚者に名を連ねます。
そしてアポロンはカサンドラに予言の力を与えると約束し、彼女も一度は求婚を受けるのです、が!
ここで何と彼女は予言の力で、飽きて捨てられる自分を見てしまいます!
そんなの無い!とカサンドラはアポロンの愛を拒絶。しかし一度授けた予言の力は後から取り消せないのです。
カサンドラは裏切りに怒ったアポロンに「その予言は誰も信じない」という罰を与えられるのですが。
何と彼女が告げる予言の数々は、トロイア戦争の趨勢を変え得る程に重要な代物だったのです!
では先ずその予言と状況を、簡単にですがご説明致しましょう。
○ケース1
兄パリスがスパルタ王メネラーオスの妃ヘレネと駆け落ちして帰国、トロイアに逃げ帰る。
・予言「トロイアに不幸をもたらす。城に入れてはいけない!」
・結果。メネラーオスがミケーネ王アムガメムノンとアテネの英雄オデュッセウスと共にヘレネ―奪還の遠征軍を組織。十年に及ぶトロイア戦争が勃発。
○ケース2
戦争が膠着し、遠征軍はトロイの木馬を残して一時撤退。
オデュッセウスの従兄弟シノーンが木馬について証言。
「ギリシア人は逃げ去り、木馬はアテネの怒りを鎮めるための物。
この木馬がトロイアに入るとギリシア人が負けると予言者カルカースに予言されたため城門よりも大きく造られた。」
トロイア人「ヨシ、敵も撤退したし城門を壊してアテネ神殿に奉納しよう!」
・予言「木馬の中には敵兵が潜んでいる!」
・結果。内外から攻め寄せたギリシア軍によりプリアモス王は殺害、ヘカベ―を始めとする王家の女性達は囚われの身に。
アテナ神殿に逃げ込んだカサンドラは小アイアースに陵辱され、アムガメムノン王が愛妾としてミュケナイへ連れ帰る。
○ケース3
アムガメムノン王に捕われミュケナイへ。
帰国した城で王の妻クリュタイムネストラが夫の帰還を出迎えると、カサンドラは悲鳴を上げてトランス状態に。
・予言。過去や未来を正確に告げた上で、
「アムガメムノン王と一緒にクリュタイムネストラの刃で死ぬ!」
・結果。妻の勧めに従い浴槽に入り、愛人アイギストスと共謀した妻クリュタイムネストラの刺客が二人を殺害する。
「おやおや?何か変ですねぇ……。
ちょっと当事者の立場や証言を、もう少しちゃんと聞いてみましょうか。」
●ケース3
証言者1「いやだってねぇ?流石に信じる訳には行かないでしょ?
そもそも新しい女が妻に向かって「お前に殺されるっ!」て叫んだんですよ?
そりゃ妻だって「何この女に乗り換えるの?私捨てられるの?」ってなるよ。
彼女はあくまで戦利品ですから。王の妻と対等には扱えませんって。
そりゃどっちの顔を立てろって言われたら、長年連れ添った妻を選ぶよ。」
「そこんとこどうなんですかね?」
証言者2「アイツ戦勝祈願の生贄に私の娘イフィゲネイアを捧げやがったのよ!
その理由がなんとね?アウリスの港の森で「自分の腕には女神アルテミスも敵わない」って失言して港から出られなくなった所為だっていうんですよ?
しかもねしかもね?私の初婚は相思相愛の夫タンタロスなの。
それが従兄アムガメムノン王の謀略で敵中に置き去りにされ戦死、唯一の遺児も謀殺されたっぽいの!
その後再婚したのが今の夫!流石にキレない?キレるでしょ?
だから十年間の間に情夫となった前夫の従兄弟アイギストスと結託して、凱旋の夜に二人を風呂に勧めて、風呂場で布の網を被せて殺害したの!」
●ケース2
証言者一同「いやだって同じ予言したラオコーン親子が殺されてるしねぇ……。
常識的に言って、これ以上アテナの怒りを買うのは勘弁でしょ……。」
「ラウコーンさんの予言はどの様なもので?」
証言者2「「ギリシア人の贈り物を恐れよ」といって木馬に槍を投げつけた。」
証言者3「説得中に二匹の海蛇だよ?息子さん二人をラオコーンさん諸共だよ?
明らかに神罰じゃん。アテナの捧げ物に槍投げた所為だよ。」
●ケース1
証言者1「いやだって家族よ?そりゃやらかしてるけど見捨てるとか無いわ。」
証言者2「そもそもパリスは女神アフロディーテに嫁を与えられたのよ?
神に与えられた嫁を否定するとかないわ~。」
「あれ?」
証言者3「でもパレスって「生まれてくる子は父の国を破滅させる」って予言されてたから山中に捨てられたんだよな……?」
「え?ちょっとそこのところ詳しく。」
証言者4「いやあ、捨て子だった僕は羊飼いとして暮らしてまして。
何でも「ペレウスとテティス御両人の結婚式に、神々の中で唯一招かれなかった不和の女神エリスが『最も美しい女神へ』と書かれた黄金の林檎を投げ入れたんだそうでして。」
「そこで権力の女神ヘラ、知と戦の女神アテナ、愛と美の女神アフロディーテ様方が林檎を巡って争われた訳ですね?」
証言者4「ええ。ゼウス様に審判役を頼まれまして。
それぞれ自分を選べば「権力と繁栄」や「知恵と戦の才能」を約束して下さいましたが、僕は「世界一の美女ヘレネの愛」を選びました!」
「それで何故あなたはトロイ王プリアモスト様と暮らせる様に?」
証言者5「王様が競技会を開きまして、その景品に彼の牛が取り上げられたので。
彼も競技会に参加して、遂に決勝で王子ヘクトルに勝利なされたのです。
ですが「王族が羊飼いに負けるなど!」と他の王子達がお怒りになられ、彼を殺そうとなされたのです。」
証言者4「そこで妹カサンドラが颯爽と現れて叫んだんです!
「止めて下さい、この人は只の羊飼いじゃなくて私達の兄弟です!」とね。
お陰で父は私を受け入れ、王子様として暮らせる様になったのです。」
「ところでお客様、トロイア戦争とはゼウス様が増え過ぎた人々を間引く為に始められた戦争だとお聞きしましたが……。
実際の所どうなんでしょうか?」
◆証言者0「ははは、そもそも予言の神様だよ?
予言を与える者が「自分が予言の力を与えたらどうなるかを知らない」と考えるのは結構な侮辱じゃあないかね?
それに不思議じゃないか。
彼女は何故「自分が予言した未来が外れている」事に気付かなかったのかね?」
「ええ。まさにそれが不思議でした。」
◆「与えたのは彼女の兄が捨てられた、「予言者の予言」なんていう不完全な代物じゃない。「神が与えた予言」だ。
防げる様な代物かどうか、考えれば『解る』ことだぜ?」
「予言を信じて『防げたら』、それは『神の予言』じゃないだろう?
違うかい?『神の予言』を受け入れた、愚かで哀れな恋人よ。」
はぁい♪只今むせ返った皆々さま!
胡椒一振り、お買い上げ有難う御座いまぁ~~す!
「あなたの日常にサラッと一味!
ワタクシ、ブラックペッパー屋でございまぁ~す♪」
※クリスマス企画投稿作品。24日25日連続投稿、後半分。
「おやお客様、苦みの利いた涙の出る様なスパイスを御所望ですか?
えぇ、ええ。勿論ご用意出来ますよ?」
「え、ビデオカメラ?撮影に使う?
いえ、私は胡椒売りなので家電の扱いはちょっと……。」
「そうか。じゃあやっぱり念写で地上の者に描かせるしか無いか……。」
現在「ジュワユーズの救国王子~転生王子の胃痛奇譚~」https://ncode.syosetu.com/n1720in/を投稿中。
代表作は未だ「ガラクタの学園https://ncode.syosetu.com/n5215gu/」w。
完結作2「炯目の刺繍鳥https://ncode.syosetu.com/n2229if/」。
短編集「作者は疲れてるシリーズhttps://ncode.syosetu.com/n6500hp/ 」
他「 これはあなたの友人からの懺悔です」「私がこのミステリーを没にした訳」
「人よ持て成せ神様談義~四コマ風小説~」「 一つ目の白髪鬼は悪役令嬢に転生したようですよ?」等を投稿。
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