残酷な神託
※十分で出来る物語シリーズ。
とある時代、とある国。
一人の姫と騎士がいた。
姫は神に愛された祝福の姫。
騎士は最年少で近衛となった、姫の幼馴染。
十五で一人前の騎士へと昇り詰め、姫の守護騎士となった時。
彼は同じ時を生きて来た姫に、一つの秘密を明かし、誓いと約束を交わす。
自分は最初に出会った時に、既に姫に一目惚れをしていた事を。
必ずや姫に相応しき男となって、あなたに求婚して見せると。
騎士を兄妹の様に思っていた姫は、騎士の告白に戸惑いつつもその真剣な心根に打たれ、その想いを受け入れる事にした。
騎士は喜び勇み、精進に精進を重ねた。
そしてある時姫に、神からの神託が下った。
「姫に最も相応しき者は、彼の王子である。」
敬遠なる神の僕として生きてきた騎士は慟哭し、残酷な神託を下した神を恨み、何故と天に向かって問い続けた。
神を呪う騎士に、友人の司祭は騎士を神殿へと導いて告げた。
騎士に、神からの神託が下っている、と。
「是非、是非お聞かせ下さい!何故神はあの様な残酷な神託を下されたのです!」
「神託は一言です。『時間切れ』と。」
騎士は、二十九歳だった。
「も…………、申し訳、御座いませんでした!」
この日を境に、騎士は姫の前から姿を消したという。
「これがあなたの御父上が、騎士だった頃のお話です。」
姫は娘の護衛騎士に、そう教えて聞かせた。
※この物語は、只の出来心で出来ています。
誰かこのお話を長編化する勇気のある方はいらっしゃいませんでしょうかw