1階
1階に上がると10メートルほど先に出口の玄関が見えた。
開けられた形跡はない。
すると凛をさらった連中は上に上がったのか?それとも1階にまだいるのか。
「隊長、玄関から出てください、凛は俺だけで助けます」ハチキュウを握りながら瞬は真剣な目で最上隊長を見つめる。
「神木様、そういうわけには行きません、我々は護衛のプロですから木島様を救い出すまでは」最上隊長の目もまた真剣であった。
「ありがとうございます」そう小さく呟くと周囲に視線を巡らせる。
凛がどこに運ばれたか分からない以上全ての部屋を捜索しなければならない。
地下にはあれほどいた敵が1階では見当たらない。
ただ、無人というわけもでもなさそうだ。
最上隊長の手の合図のみで近藤が動く、このみは凛がいなくて悲しそうだが隊列を乱さずについてきている。
近藤は右手の部屋のドアを開けた。
物置だろうか。
埃にまみれて色々な生活品が置かれている。
窓から見える月明りが久しぶりに見る自然光だった。
特に人が隠れている様子もなく、順番に部屋から出る。
上ってきた階段を通り過ぎ反対側の部屋にたどり着く。
人の気配がする。
近藤にドアを開けろと最上隊長が手で指示する。
大きく開け放たれたドアの先には、巨大な肉切包丁を持った身長2メートルはあろうかという巨人が立っていた。
キッチンだろうか。
解体されているのは、おそらく人だろう、男性のようだ。
最上隊長はそれらを一瞬のうちに認識するとハチキュウを連射モードにして撃ち込む。
巨人の体に銃弾が吸い込まれていき、巨人は反対側の壁まで吹っ飛び息絶えた。




