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教授の名前は石田和樹。
180センチはあろうかという高身長で、ロマンスグレーの髪をオールバックにしている。
学部の女子からは人気でバレンタインのチョコは普通の学生では勝てないほどもらっている。
年齢は50代ということだ。
ゼミの学生が全員帰り、瞬は教授と一対一になった。
「神木君はなかなか面白い研究をしているね」
「はい、ありがとうございます」
「実は君の研究にスポンサーがつくことになった、学部生の研究にスポンサーというのは非常に珍しいことなんだがね」
「はい」
「スポンサーは防衛省情報本部、近く神木君に予算が出る」
「はい」さすがに話がここまで大きくなると瞬の額に汗がにじんでいた。
「それとこの資料のことを知っている人はいるかな?例えば木島凛さんとか」
もう、調べられている、そう思った。
「はい、凛。いや木島さんは知っています」
「そうか、分かった」
「平日だと神木君はいつなら時間が取れるかな」
「金曜日の午後なら時間があります」
「木島さんも連れてこれるかな?」
「はい」
「では、その時に合わせたい人がいる、情報本部の林三佐だ」
「はい」
「それでは、金曜日にここに来てくれるかな」
「はい」