瞬と凛
「瞬、シャワー先に入るからね」
「ああ、どうぞ」
神木瞬と木島凛は文雄大学という東京の市ヶ谷にある大学に通っている3年生だ。
神木は社会学部、木島は法学部だが1年次の教養科目を一緒に受講していたのがきっかけになって知り合って、そのままの流れで付き合い始めた。今は半同棲状態にある。
神木の専攻は民俗学、中でも明治時代の風俗について研究している。
朝から15時間以上資料を広げてその解析と整理をしている。
2人が住んでいるのは大学のある市ヶ谷から電車で15分ほどの距離にある西ヶ原駅から歩いてすぐのところにある1LDKのマンションだ。
神木は福島県出身、木島は埼玉県に実家がある。
両家の親にはもう挨拶に行っており、公認のカップルということになる。
木島は埼玉県さいたま市に実家があり、2年生までは実家から通っていた。
木島が二十歳になったのをきっかけに外泊が許され、今は週のうちに5日くらいは神木の家に泊っている。
凛がお風呂から出てくる。
162センチというバランスのいい身長に淡い褐色の肌、ショートにした髪の毛がシャワーの後で色っぽく湿っている。
胸のサイズはDカップで今はその胸をバスタオル一枚で隠している。
「ねえ瞬?」
「ん?」
「少し休まないの?」
バスタオル一枚でかがみ込んだ凛の姿勢からはDカップの胸が強調されている。
もう、夜の11時だ。
「ああ、もうこんな時間か、でも、あと少しやりたいんだ」
「ええ?私よりも文献のほうが大切なの?」
どれどれと凛が瞬の机の上にある資料を覗き込む。