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第17話 クーリャ15: 大混乱! 誰かわたしの口を止めてぇ!

「……そうして、わたくしは前世『アタシ』の記憶を得ました。婚約破棄以降の活動は、この前世記憶に基づいたものです。全ては5年後に起きる破滅フラグを阻止する為に!」


 人払いをしている食堂にて、わたしはお父様達に「秘密」を話した。


「ふむ。クーリャの話、一応は辻褄(つじつま)はあっているね。しかし、いきなり前世だの、この世界は『げーむ』だの話されても信じるのは難しいよ」


「それ以前に、クーリャは前までのクーリャと同じなの? 別人になったのなら、前の、わたくしの娘のクーリャを返して!」


「ええ。頭部を打って気絶した際に、前世を騙る悪霊に取り()かれたのかもですわ。わたくし、一応退魔師(エクソシスト)の資格持ちで神聖術の解呪(ディスペル)は神殿で教えて頂いていますの。早速悪霊退治しましょう、奥様!」


 お父様は頭を抱え、お母様は取り乱し、デボラはエクソシストの準備を始める。


「え、えっとぉ自分はどうしたら……」


「デボラさん、それに奥様。落ちついてくださいませ。クーリャ様は確かに異界の英知を得ましたが、クーリャ様のままです!」


「そうなの! クーリャ様はアタシの大事なご主人様なの! デボラ様でも姫様を侮辱するのは許さないの!」


 そしてローベルトは混乱し、先生とカティはわたしを庇う。

 特にカティは、またわたしをぎゅっと抱きしめて、グルルと周囲を威嚇する。


「ちょ、皆様! お父様、お母様を落ち着かせてくださいませ。デボラ、わたくしにディスペルしてもかまいませんが、何も起きませんよ? それとカティ。もう大丈夫ですから、周囲を威嚇するのはやめてね」


 わたしは、周囲を落ち着かせるように穏やかに話す。

 そして今にもデボラに飛びかかりそうなカティを、よしよしと撫でた。


「そ、そうだね、クーリャ。まずは落ち着こう。ニーナ、さっき自分で言ってたじゃないか。クーリャは変らずにキミを愛しているって。後、デボラ。頭が固すぎだぞ。何処に自分から正体をバラす悪霊がいるのかい?」


 お父様の声で、一触即発だった食堂が落ち着いた。


「クーリャ? 本当に貴方は今も昔のままのクーリャなの? わたくしの娘なの?」


「はい。わたくしは今も昔もクーリャですわ。確かに前世記憶と融合しましたので、クーリャでは無い『アタシ』、カエデの部分も一緒になりましたが、元々わたくしとアタシは同一存在。それに、この世界でわたくしを生んでくださったのは、大好きなお母様ですの!」


「くー、クーリャ! ああ、わたくしの可愛い娘!」


「はい、そうです!」


 わたしは、お母様の元に歩み寄りハシタナイと思うもぎゅっと抱きついた。


 ……お母様の匂い、とっても大好きなの!


「ひ、姫様。申し訳ありません。先ほど間違った直後に、再び取り乱してお仕えすべき姫様に対して不敬な発言をしてしまいました」


「いいのです、デボラ。わたくしも前世の知識無しに転生だの前世だの聞いたら、相手を疑ってしまいますものね。で、どうですか? わたくしに悪霊が憑いてますか?」


 わたしはお母様に抱きついたまま、頭が固すぎるデボラを許しつつ少しからかう。


 ……このくらいの嫌味は良いでしょ? 今回限りだし。


「……。いえ、姫様には何も問題ありません。それどころか、以前よりオーラが輝いていて、お力が強くなっていますし、聖なるものも感じます」


 何かを唱えてわたしを霊視したデボラ、驚いたようにわたしのパワーアップを話す。


 ……もしかして魂が2人分合体したから、パワーアップしたのかもね? それは、今後にも好都合なの。わたし、ゲームでは魔力少なかったし。


「ならば、まずは前世だの『げーむ』とかいう物語の事は置いておこう。ここで大事なのはクーリャが得た異世界の知識と今後の事だ」


「はい、マクシミリアン様。姫様の知識は物凄いです。科学に関しては、既にわたくしどころか、学園の教授達を超えています。おそらくこの世界で最高峰かと」


「なれば、クーリャの知識を悪用しようと考える者達が現れるのは時間の問題だね」


 お父様と先生は、理性的に話を進める。

 流石は、共に学院主席を取った2人だ。


 ……お父様に先生も学院でスゴイ成績残したってのは、お母様に聞いたの。お母様は血筋がら学院で孤立していたのをお父様に助けてもらったそうだし、お父様曰く一目ぼれだったんだって。


「そ、それは困りますぅ。わたくし、皆様を幸せにしたいだけで、争いは基本望んでいません。もちろん、降りかかる火の粉、バカなアントニーは許しませんけど」


「おいおい、クーリャ。また口が滑っているよ。大方、キミがバラさなくても全員敵の正体は予想していたと思うけどね。クーリャには情報の出し方について勉強してもらわないと、学院でこのザマなら『げーむ』での運命以前に悪者に捕まって大変な事になるぞ」


「あ! しまったのぉ!!」


 わたしは、また感情のままに口を滑らしてしまった。


 ……この癖治さなきゃ、マジで危ないのぉ。ウンチク癖も、ついやっちゃうのぉ!


「こんなバカな悪霊はいませんですわね。間違いなく姫様です」

「ええ! 確かに賢いのにバカな、わたくしの可愛い娘ですわ!」


「はぁ、姫様の教育が大変ですわ。どうしましょうか?」

「もー。皆どーしてアタシの大事な姫様をバカにするのぉ!」


 周囲の皆は、わたしのバカっぷりに大うけした様だ。


「ローベルト。こういうバカな娘を頼む」

「はい、この命に替えましても」


「あーん! 皆、わたくしをバカにしないでぇ!!」

「クーリャ殿、ほんとにバカなのじゃ。賢いのに抜けまくりなのじゃ! 先生殿は今後大変じゃな。クーリャ殿の口の軽さを治さねば、今後が怖いのじゃ!」


 そうは言わないで下さいね、チエちゃん。

 産み出した作者も、ここまでバカだとは思いませんでしたので。

 私も書いている内にクーリャちゃんの性格を把握した感じです。


「確かにワシやリーヤ殿も、そんな感じだったのじゃ。書いている内に性格が決まるのはあるのじゃな」


 大抵、よりエキセントリックになるのは毎度ですね。

 その方が書きやすいというか、キャラが動かしやすいです。


「納得なのじゃ! では、明日の更新を待つのじゃ!」


 明日は、驚愕の展開が待っていますよー!

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