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爆裂令嬢(ボンバーガール)は、あきらめない~科学チートで乙女ゲームを攻略するの! アタシを追放した悪徳貴族は後悔しても、もう遅い!!~  作者: GOM
第4章 クーリャの学院生活スタート!

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第34話 (累計・第167話) クーリャ158:戦闘開始! 魔獣の群れなんて、わたし吹っ飛ばすの!

 森の奥、バキバキと木々を踏みつけて行きながら進む赤黒い巨体。

 時折、その巨体の表面から炎が上がり、足元の木々も燃え上がる。

 そして、怪物と火災に追い立てられて逃げ惑う魔獣達。

 王家管理下の森に脅威が迫る。


「ちきしょう。数が多すぎて対処出来ねぇ!」


「ここを突破されたら、子供たちや王都が!」


 騎士団は深い森の中、騎乗では戦えず馬から降りて魔獣達と戦う。

 これらの魔獣は本来、もっと南。

 獣族の住む地域にある魔の森や火山地帯に住む者たちだ。

 巨大な甲殻類に人ほどもある昆虫、小型竜たちに大型猪、そして巨大な蛇に四本腕の巨大猿。


「どうして、今また『モンスター・スタンピード』が再発したんだ!」


「あいつ、あの赤黒くてデカいヤツが原因か!?」


 騎士達は、迫りくる魔獣達を撃退していくも多勢に無勢。

 そして、彼らに迫る巨大な影が口を開く。

 その口内は赤く赤熱をしており、そこから炎の吐息が吹き出された。


「溶岩竜のブレスだ! 全員、魔力シールド展開! 耐えろ!!」


  ◆ ◇ ◆ ◇


「クーリャ様。学生の避難がほぼ完了しました」


「それは良かったですの。では、現在の位置に防衛線を引きます。敵の接敵までどのくらいですか?」


「はい、小型種はあと10分程度で抜けてきます。大型は騎士団が足止め中、超大型についてはどうにも……」


 森の向こう側が赤く燃えている。

 そして、普通の動物たちが鳴きながら逃げ惑うのも見える。

 なお、アントニーは逃げる去り際に、わたしに偉そうに言った。


「クーリャ! 今回の事は貸しにしておく! 学院に帰ったら、もう一度勝負だ。だ、だから、絶対生きて帰って来いよ! オマエを倒すのは俺だけなんだからな!」


 ……まるで野菜人の王子様みたいなツンデレなの。でも、嬉しいな。


「情報ありがとう存じます。詳細は分かりましたの。騎士団の方々は、わたくし共の前で小型種の足止めをお願いします。わたくしたちの中で、狙撃隊は騎士団の後方から敵を各個撃破。砲撃隊は、騎士団が離れ次第大型種に対してロケット弾と大型魔力弾を撃ち込みましょう。超大型は……。因みに超大型の魔獣は何ですか?」


「報告では火吹山と言われる火山に住まいし、溶岩竜です」


 わたしは、騎士団のお兄さん方、そして残っている先生方と作戦会議をしている。

 本来、騎士団を指揮する団長が居るはずなのだが、彼は前線で遅滞攻撃を繰り返しているそうだ。

 なので、今は最も実戦経験が多いマスカーが残った騎士団の指揮をしている。


「マスカー殿、作戦が見事なのは分かりますが、どうして俺達は学生、それも女の子の指揮下で戦っているんですか?」


「クーリャ様は、英知の聖女、勝利の女神様なのです。今回も間違いなく我らに勝利を与えてくれますよ」


「は、はぁ」


 マスカーは、文句を言いそうな若手騎士に、わたしの事を絶賛して黙らせる。


 ……先生方はナターリャ先生がメイン、そして騎士団はマスカー指揮下。これなら、わたしが手加減無しに暴れられるの! でも、マスカーが褒めてくれるのは恥ずかしいよぉ!


「溶岩竜ですか。でしたら、水を大量にぶっかけて水蒸気爆発で吹き飛ばしたいですね。幸い、近くに湖があります。そこにおびき寄せましょう」


「はい、クーリャ様」

「アイ・マム!」


 わたしは、全員に命令を下す。


「皆様、全員生きて帰りましょうね。では、作戦開始なの!」


「おー!」


  ◆ ◇ ◆ ◇


「本当に魔獣をコントロールするとは凄いな」


「ああ、でもこれで憎っくきジングウジの姫や、色々じゃまをしてくれた王国の者たちは全滅に違いない! 流石は指導者(マスター)殿だ」


「それは宜しかったですね。では、今後とも、我らラトフィス様を信仰する教団に協力をお願い致しますね、蓬莱(ほうらい)の方々」


 燃え盛る森を見下ろす高台に立つ3人。

 うち2人は王国では見ない和装に黒髪の侍。

 そして、もう一人。

 漆黒の肌をした魔族青年男性が暗闇のような嘲笑をしながら、燃える森を眺めていた。


 ……我らの邪魔をするキミ達も、これまでだね。


  ◆ ◇ ◆ ◇


 森の中、急遽作られた銃座にわたし達は待機している。

 手前には土系トンネル魔法で作られた空堀、逆に土魔法で作った胸壁に二脚付きの銃を設置している。

 四方を囲む胸壁の前と左右は、騎士団が腰を低くしてタワーシールドと魔法シールドを展開。

 2人の侍は騎士の隙間から敵を睨む。


「み、皆様、照準良いかしら?」


「マスカー、OKです」

「ダニエラ、ま、まかせといて!」

「アデーレ、いつでも」


「では、発射!」


 わたし達は、迫りくる魔獣に対して軽機関銃や自動小銃で銃撃を開始した。

 わたしの軽機関銃による一撃で、四本腕の大猿の頭部がはじけ飛ぶ。

 ダニエラは、カービン銃で大猪の首を撃ちぬく。

 またマスカーやアデーレさんの狙撃で、二足歩行の恐竜みたいな小型竜や大カマキリが倒れる。


「魔法組、いくよ。発射!」

「行きますわよ!」

「ほいやぁ!」


 エル君からは真空の刃が数枚、先生からは<魔法の矢(マジック・ミサイル)>が十発ほど、クラーラちゃんからも数発の火球が放たれ、銃撃と合わせて一瞬で敵集団の第一波の大半が薙ぎ払われた。


「とやー!」


 また撃ち漏らした数匹の小型魔物は、トモエ様やカネヒラ様の斬撃で切り払われた。


「お、お見事です」


 わたし達の前で盾を構えていた騎士団の方々から、賞賛とも驚きとも聞こえる声が聞こえる。


「ぜ、前衛の騎士団が撤退次第、ロケット弾とカトリーヌちゃんの魔法爆撃で大型も薙ぎ払うよ。それまで、小型種はわたし達で殲滅するの!」


「了解!」


 わたし達は恐怖に震えながらも、目の前の魔獣達を殲滅していった。

「クーリャ殿、また戦場を仕切っておるのじゃな? 突撃志向で戦闘指揮は得意じゃないのでは無かったのかや?」


 ええ、本当なら突っ込んでいくタイプなのですが、今回は絶対に敵を後ろに流せない、更には誰も死んでほしくない戦場。

 なら、様々な手を使ってでも勝ちに行きます。


「そういえば、今回の銃は自動小銃かや? ショートリコイルの開発に成功したとゲッツ殿が言っておったのじゃ」


 クーリャちゃんは、軽機関銃。

 モデルはBAR、ストライクウイッチーズのシャリーが使っているヤツです。


 ダニエラちゃん、アデーレさんが使っているのは、カービンタイプ、マスカーのがフルサイズで銃剣付きのものです。

 ゲッツ謹製のガス圧利用タイプの自動小銃、モデル的には米軍M1カービンって感じですね、チエちゃん。


「第二次大戦中のカービン銃、自衛隊発足時に使われたものじゃな。またBARは、第二次大戦付近で暴れた名銃なのじゃ! 近代のフリントロック式時代に金属薬莢使用型の自動小銃はオーバーテクノロジーなのじゃ! このまま、敵の思惑を吹っ飛ばすのじゃ!」


 ということで、明日の更新をお楽しみに!


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