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爆裂令嬢(ボンバーガール)は、あきらめない~科学チートで乙女ゲームを攻略するの! アタシを追放した悪徳貴族は後悔しても、もう遅い!!~  作者: GOM
第4章 クーリャの学院生活スタート!

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第14話 (累計・第147話) クーリャ138:いじめ現場。わたし、絶対に許さないの!

「クーリャ姫様、こちらですぅ」


「はいなの!」


 わたしは、カティの先導で(いじ)め現場へと向かっている。

 さっき、聞こえた声からすれば、女の子2人くらいで一人の子を虐めていた様に聞こえた。


「何よ、その生意気な目は。この侯爵令嬢で上級生のわたくしに、逆らうとでもいうのかしら」

「そうよそうよ。この生意気な子には、コレがお似合いよ」


 わたしが現場に着いた時、一人の女の子が複数の女の子達に囲まれて、地面に座っていた。


「アナスタシヤ様!」


 虐められていたのは、アナスタシヤ様。

 彼女を取り囲うのはB組と上級生の子達だ。

 先ほどのパチンという音は、アナスタシヤ様の頬が叩かれた音だったのか、アナスタシヤ様の頬が赤く腫れている。


 わたしが瞬動法で踏み込む直前、アナスタシヤ様にインク壺が投げられる。

 ぱちゃりと音を立ててインクがまき散らされて、アナスタシヤ様が着ていた淡い灰色のドレスが真っ黒に汚された。


「わ、わたしの友達にナニやってんのよぉ!」


 わたしは、汚れたドレスのまま泣くアナスタシヤ様を見て、ブチ切れた。

 そして手加減なく瞬動法で一気に踏み込み、衝撃波でアナスタシヤ様を囲っていた馬鹿娘どもを吹き飛ばした。


「く、クーリャ様?」


「アナスタシヤ様。もうだいじょーぶ。こんな馬鹿ども、わたしが全員吹っ飛ばすの!」


「もー、姫様考え無しなのぉ。アナスタシヤ様、こちらに逃げましょう」


 後から追いついたカティが、アナスタシヤ様を避難させたのを視線の端っこで確認したわたし、ドヤ顔でいじめっ子共を見る。


「お、お前は!? 男爵令嬢ごときが、上級生。それも侯爵令嬢に手を出すなんて、どういう事!?」


「あら、わたくし。一切、貴方方には触っていませんですわ。わたくしは、ただ走ってきただけですの。それよりも、侯爵令嬢のお姉さまが下級生を集団リンチなんて恥ずかしい事ですわ」


 わたしは、馬鹿どもを挑発する。

 周囲には本当ならいる筈の、彼女たちの側仕えがいない。

 どうやら側仕えが要れば親にチクられるので、連れてきていない様だ。

 アナスタシヤ様も、側仕えのアガーフィヤさんを連れてきていない。

 アガーフィヤさんは三十路後半女性で、イメージ的にはウチのハウスキーパーのデボラに似ている。


 ……さては、アナスタシヤ様。ひと気の無い図書館に騙されて一人で連れ込まれたのね。虐めの原因は伯爵家の中でも有力なエカテリーナ様からの引き離しと。エカテリーナ様を自分の派閥に引き入れるのに邪魔なアナスタシヤ様を脅したのかしら。


「なるほど、エカテリーナ様とアナスタシヤ様の仲を逆恨みですか。でしたら、わたくしにも無関係では無いですわね」


「な、た、たかが男爵の一年生が生意気よ! 皆様、一気に口を封じますのぉ!」


 一瞬ひるんでいた馬鹿娘どもは、わたしを囲みこむ。

 でも、怖くもなんともない。


 ……わたし、修羅場を何回も通っているから、この程度怖くもなんともないの。


「では、掛かってきますか?」


 わたしは、全身に魔力を込め、全員を病院送りにする覚悟をする。


 ……殺さないように手加減しなきゃ。怪我は覚悟してね。


「おい! 王国の淑女は、一人の女性を集団で虐めるのか!?」


 そんな時、凛とした声が聞こえた。


「何者!?」


「自分は、そこなクーリャ殿やアナスタシヤ殿の同級生、蓬莱(ホウライ)からの留学生、トモエ・ジングウジだ!」


 ……カッコいいのぉ! まるで時代劇のヒーローなのぉ。


 わたしのピンチ(?)に颯爽と現れたトモエ様。


「な、何よぉ。蛮族の女が偉そうに……。ヒィ!」


 リーダー格の上級生の首元に、いつのまにか抜かれたトモエ様の日本刀が突きつけられる。


「今引けば、自分は何も見なかったことにしよう。さもなけば、自分、いやクーリャ殿が其方(そなた)達を皆殺しにしかねん」


「ちょ、トモエ様。わたくし、確かに先ほどまでは頭に血が上ってましたけれど、殺さない程度に手加減するつもりでしたのぉ。手加減間違って頭が吹っ飛んでもごめんなさいね」


 トモエ様がわたしに冗談半分、そして脅し半分に物騒な事を話す。

 わたしもそれに合わせて、馬鹿娘たちに脅しをかけた。


 ……トモエ様が入ってくれなかったら、手加減ミスってたかもなのはホントなの。さっきまでは怒りで暴走してたし。


「そ、そんな馬鹿なぁ。侯爵令嬢に何をす……。ヒィ!!」

「頭、こうなりたいですか?」


 わたしは床に手を置き、魔力を軽く爆発させた。

 ずん! という鈍い音で図書館全体が揺れ、床石が一枚粉々に砕ける。


「こっちですぅ。早く来てくださいませぇ」


 そうこうしている間に、カティがナターリャ先生達大人を連れてきた。


「貴方方、何をしていらっしゃるのですかぁ!? クーリャ様、また何をなさられたのですか?」


「先生。わたくし、虐めの現場を押さえただけですの」


 ……はぁ。またお父様や先生に怒られるの。でも、友達を守るためなら、わたし手加減するつもりは無いわ!


 ドヤドヤと集まる先生達。

 上級生の侯爵令嬢は、青い顔をした。


「クーリャ殿もカッコいいのじゃが、トモエ殿がかっこよすぎなのじゃ! 凛とした和風武士っ子は、ワシ大好物なのじゃぁ!」


 そこは作者も好物ですね、チエちゃん。

 今まで書いたことが無いキャラなので、今回初挑戦。

 彼女をどう描くのか、挑戦です。


「さあ、この顛末はどうなるのか。明日が楽しみなのじゃ!」


 では、明日の更新をお楽しみに!


「皆の衆、ブックマークなどを頼むのじゃぁ!」

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