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第1話・危険人物



男なんて信じない。

信じれない。



男なんて大嫌いだ。







「ひなぁー」


「ん?」


私はお昼ご飯のパンをくわえながら、後ろを向いた。




早川雛姫はやかわ ひなき。17歳。




「今日遊びに行かないッ?」


いきなりの親友、水瀬凛みなせ りんからの誘い。



「うーん…場所による」


カラオケとかなら行ってもいいかなー。


そんなこと考えながら私は残りのパンを口の中に放り込んだ。



「カラオケ♪」




おっ。

ナイスだな。


「行く行く♪」



「わーい♪じゃぁまた放課後ね」



凛は私に手をふって自分の席へと戻った。


カラオケ…。

久しぶりだなー。







◇    ◆    ◇





「飲み物どうする?」



凛とふたりってのは、すごく久しぶり。


「イチゴミルク…」



「ぷっ♪可愛いわぁ」



凛は私の頭をポンと叩いた。



「……うっさい」



いいじゃん。別に。

甘いの好きなんだもん。



「…雛姫ってあんまり人に心開かないじゃん?」

「…まぁね」


「だからね、嬉しいんだ。雛姫のこといろいろ知ってて♪」



そう言って、凛はニコッと笑った。


凛は素直だ。

すごく可愛くて……。



私とは正反対の性格だな。


私は周りからよく、“ツンツンしてる”的な事を言われる。




――高校入るまではこんな性格じゃなかったと思う。





私が変わったのは中学3年くらいだから。



「――き…雛姫?」




「え?!あ、ごめん!!聞いてなかった…」


ついついボーっと…。



「もー!!次、雛姫の番だよー」


凛は私にマイクを渡してきた。


「ありがとー。ごめん」


そう言ってマイクを手に取り、ストレスを吐き出すかのようにして声を出した。




歌が、サビに入ったところだった。



――――ガチャ




誰かが部屋のドアを開けた。


私は歌うのをやめて、ドアの方を見た。



「やっぱり♪凛じゃん」


そう言ったのは、一人の男。


その男の後ろには数人の男…。



ていうか何勝手に入ってきてんのよ。




「えっ、しゅう?!」



うわっ。凛が食いついてる!!




それもそのはず…。

だって凛はこの男、川合秋かわあい しゅう

に恋をしているから。



「俺らもいいー?」



………っは…!?!?


なに言い出してんのコイツ!!


自分たちの部屋借りたんでしょ……!?



「え…でもー…」


凛はちらりと私を見た。

凛は私が男嫌いなのを知っている。

だから迷っているのだろう。



…嫌だ…。


嫌……だけど……。

凛に捨てられた犬みたいな顔されたら断れない。



私は凛にニコッと笑ってみせた。


オッケーの合図だ。


嫌だけど。

心底嫌だけど。


凛のため。



「だめー…?」


秋は凛にショボンとした顔をした。



「大丈夫、いいよ♪」



普通の女の子ならこういう顔を“可愛い”って思うんだろうな。


私は鳥肌が立つよ。



「やった♪んじゃー奏太かなただけこっちの部屋ね♪お前らは彼女もちだから、別室〜」



秋がそういうと、数人の男子は奥の部屋へと入っていった。



そして、ふたりの男が入ってきた。



「早川と来てたんだ?」私は自分の名前が会話に入っただけで、体が跳ねた。




「うん。そだよ」


凛は秋に笑顔を向けた。

恋してるって感じだ。



「秋は、奏太と来たんだね」




凛が奏太と呼ぶ男。


柳田奏太やなぎだ かなた




噂によれば、校内で一番軽いらしい。



「うん。よくくるよ」




「へえ〜」



凛がそう言ったところで会話がなくなった。



だ、誰か口開きなよっ!!


そう思った瞬間だった。



「早川サン♪」



甲高い声で私を呼んだのは、柳田奏太。




「…なんでスか?」



私はいかにも“話かけるな”という口調で柳田奏太に言った。



「わ〜。あからさまに嫌な顔してる♪」



な…なにコイツっ!!



わかったんなら話かけるのやめろっての!!



「…まぁね」



私はさらに嫌だというような声を出した。



ふっ。

返す言葉もないだろ!!



私は勝ち誇った気分だった。


普通の男子ならここらへんで、私に話かけるのをやめる。



コイツもきっと……



「彼氏いんのー?」


う゛…

まだくるか。


しつこい男だな…。



「いない」


私は即答した。


彼氏いたことはあったけど…。

思い出したくもない…。



「へぇー。好きな人は?」



さっきからニコニコして私に質問してくるコイツに私はイライラした。



「…男、嫌いだから」




嫌い。

大嫌い。

話もしたくない。



「…ふうん。男嫌い…ねぇ」



そう言って柳田奏太は席を立って私の方に向かってきた。


凛たちは黙って私たちのやりとりをみている。




柳田奏太は私の目の前に立った。



「…どいてよ」




「嫌だって言ったら?」

ニコニコしたまま柳田奏太は私に言った。



「私さ、半径1メートル以内に男に近寄られたくないんだよね」




今の私とコイツの距離は30センチほどだ。


近寄るな。

近寄るな。

近寄るな…!!



「っ…あっち行ってよ!!」



私はついに大声を出した。


手が震えていた。



「…わがままだね♪」



わがまま…!?

コイツここまで言われてなんでどこうとしないの…!?


神経どうかしてる。



「どけっつってんの!!」

私はキッと、柳田奏太を睨みつけた。


たぶん今まで生きてた中で、初めてここまで人を睨みつけた。




「命令ばっか。わがままだなあ…。どっかのお姫様みたいだ」


コイツっ…!!


私は本気で苛立った。



「うっさい!!早くどいてよっ…!!」



私が柳田奏太を押そうと手を出したした時だった。



――パシッ



「ザンネン♪」


私の手は、柳田奏太に掴まれた。


…ドクン


やだ。


…ドクン、ドクン



やだ。やだ。やだ…!!



「…触らないでよっ!!」




私は声を張り上げて、手の自由を求めた。




「ごめーんね?」


そう言うと、やっと手を放した。



ニコニコしているコイツが腹立たしい。


私にかまわないでよ。


触らないで。




「早川サンて…名前、ヒナキだよね?確か…雛って漢字に…姫?だよね」


なんで知ってんのよ。



「…そうよ。なに?」



「今日から早川サンのこと、姫って呼ぶね♪」




な…に…?!


姫って…。



「あんたなんなの…!?」



私は強い口調で柳田奏太に向かって言った。



「よろしくね♪俺の事は奏太でいいよ」



人の話を聞いてない…!!


私は柳田奏太が差し出した手を、振り払った。



「二度と近寄らないで…!!」




そう言うと、私は部屋を出た。


「ちょっ…ひなっ!?」


凛の驚いたような声が聞こえた。



だけど、今の私には気にする余地もなく、そのままカラオケ店を出た。






まだ残ってる。


握られた手の感触。



「……っ、」



急に吐き気がこみ上げた。



…やだ、やだ。


触らないで。


なにが“姫”よ。




気持ち悪い。



やだ。やだ。やだ…!!




とにかく…。

あの人は確か同じクラスだ。


関わっちゃいけない。



絶対に、絶対に…!!

あんなやつとは関わらない。


私は心に誓った。










――私と、奏太の出会いは最悪だったね。――









たぶん

奏太のキャラが

あとあと

変わる気がします…(汗



不安です┏( ・_・)┛



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