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煮える女編②
「神のみ心に従いなさい」から煮える女編②
西太后の人格を一言で言うなら「人間不信」で、他人を信頼出来ない。したがって結果的に孤独になる。
もっと語るなら、自分自身しか信じない、西太后という位を得て、自尊心や優越感に支えられているから、わずかの指摘に激昂する。被害妄想から当て推量し、相手を憎悪、非難中傷、やがて復讐の鬼となる。
一旦煮えたら誰も止められない。彼女によって無辜の民の泪と血ががどれほど流されたか、語ることさえ憚られる。
その西太后が目の前にいる。私は西太后にとって唯一無二の愛すべき猫として当時も傍にいたのだ。そして今もである。
「バーバラ、あなただけが頼りよ」と撫でる。