第82話 雷
少し遅れました!!次回長めです!
「ハァァァアアッッ!!!」
「ふんっ!!!」
俺の夜桜と奴の魔剣が交差する。
鋭い金属音を響かせ、ギリギリと鍔迫り合いをし、痺れを切らした奴が大きく飛び退く。
「この剣と斬り結べるとは…その武器は一体なんなのだっ!?」
「あの世に行った時に馬鹿にされないように教えといてやるよ。コレは刀って言うんだぞ?よく覚えてから死ねっ!!西音寺流抜刀術 中伝 刹那…!!」
「ぐっ!?クソガァァァアッッ!!!」
一瞬の攻防…瞬きする暇も与えず俺は連続で斬る、斬る、斬るッッ!!!
四方八方から繰り出される俺の攻撃を何とか凌いでいる奴の顔が苦痛に歪む。
「これ以上…好きにやらせると思うなよ!?ふんっ!!暗黒剣カーサルッ!!」
「むっ?っとと、俺の連続技を破るなんて意外とやるじゃん」
「舐めるなよクソガキが…」
「言葉遣いが荒れてきてるぞ?」
こいつ身体の使い方自体は素人だが、何故か剣に振り回されてないんだよな…なんでだ?
まぁ、そのうち理由もわかるだろう…1番厄介なのはあの剣に一撃もらうだけでも半神の俺には致命傷になる。
擦り傷も許されない厄介極まりない闘いについ、はぁ…と嘆息する。
「お前がくたばるまで斬り続ける…俺の誇りにかけて!」
「ふんっ、何が誇りだ!笑わせるな!くたばるのは貴様だ!!」
縦横無尽に駆け回る俺
それを1箇所に留まり視線で俺の動きを追うデルフィ
さぁ、此処からが本番だぞ?
「雷光、黒雷…発動…西音寺流抜刀術 奥伝 迅雷無双ッッ!!!」
「くっく…見える…見えるぞぉぉぉぉおお!!!ダークソウル!!暗黒剣サウザンドエッジッッ!!」
「「うぉぉぉおおおおッッ!!!!!!」」
奴が能力上昇系のスキルを使い剣技を放つ。
その威力は俺の命を刈り取るだけの力はあるだろう。だが、俺も負けるわけにはいかない。
「我願うッ!!我は全ての迅雷を超越する者なりッッ!!求めるは敵を灰燼と化す力ッ!!俺の求めに答えよッ!!」
ドガァァァァッッンッ!!!!
俺の詠唱が完成したその時…暗雲から放たれた神雷が俺の身に降り注ぐ
「…?なんだ?自滅か…?」
俺の技が暴発したと思ったのか、奴は俺の変化に気づく事ができなかった。
気づいていれば間に合ったかもしれないのに
「……」
徐々に砂煙が晴れて行く中、デルフィはユウキの死体でも拝んでやろうと、じっとユウキのいた場所を見つめる。
そして気づいてしまった。
ユウキがまだ死んでいないことに…そして、その姿が変化していることに…
「完全共鳴…モード黒雷神…
「なっ!?なんだ貴様その姿は!?」
驚く事にユウキの姿は変貌していた。
黒髪は綺麗な金髪に変わり、瞳の色すらも金色に輝いて見えた。そして何より変わったのは顔付きだ…元々女装すれば女でも通じる顔だったのだが、今はどこからどう見ても女性としか形容できない容姿をしていた。
ミスティと同化した時は、ミスティと半々の容姿になっていた為、子供っぽい見た目だったが…今は普通にユウキが女の子だったら、こんな感じなんだろうな…と思う見た目をしている。髪の色や瞳の色を除いて…だが
「…さぁ?俺にもよくわからないけど…とりあえずこれでお前のその剣にも引けを取らないだろう?」
「くそっ!くそ!くそ!!なんなんだ貴様は!?次から次へと変な事ばかり起こる…こんな奴が居ていいのか!?」
「いいんじゃないか?そうじゃないとお前らの好き勝手やれる世界になるだろ?まぁ、とりあえずこの力を試させてくれよ…」
「くっ!この!アイオライトッ!!力を全て解き放て!!アイツを殺す!!」
「なんだ、お前も奥の手を残してたのか…なら、こっちも武器の強化と行こうか!!」
「我が纏うは神雷…その全てを受け入れろッ!!神刀・夜桜ッ!!」
俺の雷を蓄積した夜桜が発光する…目に痛いギラギラした輝きでは無く…淡い桃色に…
「さぁ、演舞を踊ろうか」
桃色に光る夜桜を抜き放つ
目の前にいる敵を殺す…
それだけを考え、再び駆ける
次の更新は明日の正午になります!
昨日更新したかったけど…仕事が忙し過ぎて手が回りませんでした…ごめんなさい…




