第70話 正体
こんにちは!今日も更新です!
「いや〜、君達が依頼を受けてくれるなら安心だよ〜、あっ、おかわりいる?」
「頂きます…それよりも俺たちの事を知ってるんですか?」
「まぁね、僕も無駄に歳を重ねてきたわけじゃないから、色んなスキルを持ってるのだよ!」
「なるほどね…見た目通りの年齢では無いと…もしかしてダンジョン踏破者なのか?」
「おっ!よく知ってるね!それを知ってるのはこの世界に一握りだよ?誰に聞いたのかな?」
「アメジスティア王国で鍛冶屋をしているベオトロさんが教えてくれたよ」
「えっ!?ベオトロさん!?知り合い…てか、その時のパーティメンバーが僕だよ!!後何人かいるんだけど…そっか、ベオトロさんと知り合いなら知っててもおかしくないね」
「ちょっと待ってもらえるかしら?見た目通りの年齢でないならイリヤさんは幾つなのかしら?私には10歳くらいにしか見えないのだけど…」
「あっはっは、見た目はそうかもね〜僕がダンジョンを踏破した時は丁度それくらいの歳だったから、今は110くらいかな?この見た目だから年齢を数える意味がなくなっちゃってさ〜」
「「「110歳!?」」」
「あっはっは!!いつ聞いてもみんな驚いてくれるから面白くて…ぷっ…」
「あ、あなたは驚かないのね…」
「ん?別に不老不死なんて珍しくも無いだろ?」
「いやいや、世間一般で考えてください?貴族の子女が永遠に追い求める物なんですよ!?」
「そうなのか?なら、リリアは恨まれるかもしれないな〜」
「え?なんで私が恨まれるんですか?」
「えっ、だってリリアも不老不死だろ?」
「…?違いますけど?」
「…やべぇ、そういえばこれも言ってなかった…」
「「「「………詳しく話しなさい」」」」
「…はい」
ひょんな事から黙ってた事がバレてしまった俺は、包み隠さずリリア達の身体について話すことになった。
当初は怒られるかもと思ってたけど…寧ろ喜んでるな。なんでそんな大事な事を教えてくれなかったんだ!とそっちの意味で怒っている。
「と、まぁ…こんなところだ」
「へぇ〜、君から感じた威圧感は神に近い存在だったからなのか〜びっくりした〜!」
「いや、そんな驚いてなさそうなんだが…まぁ、それよりもなぜ俺たちを呼び出したんですか?」
「ん?君達が認識阻害の魔法を使ってる理由はわからないけど、昼間にうちの冒険者をデコピンで吹っ飛ばしてたでしょ?あの時は僕ですら目で追うのがやっとだったからね…鳥肌が立ったよ」
「あー、あれを見られてたんですね…それよりも認識阻害が効いてないんですか?」
「ん?なんとなくだけど違和感を感じたんだよね〜そういったスキルがあるんだけど、それが君たちに発動してるからそうなのかな〜ってね」
「なるほど…今度からもっと精密に魔法を付与しないとダメそうだな…良い教訓になりました」
「いやいや、そのレベルでも異常だからね?」
「やっぱりユウキさんは異常なのですね…」
「マスターが頭おかしいのは前からなのです!今更なのです!」
とりあえずミスティに拳骨を叩き込んでおいて黙らせ、話の続きを促す。
「君たち…特にユウキくんの戦闘力はそこが見えない…多分だけどS級冒険者が束になっても敵わないだろう事は、この肌で感じ取ってる。そんな強者があのめんどくさい依頼を片付けてくれるって言ってるからね。お礼を言いたくて呼んでもらったんだよ〜」
「なんだそんな理由だったんですか…警戒してたんですけど、そんな必要もなかったか」
「僕が君たちの立場だったら同じこと思ってただろうし気にしてないよ〜、それよりも本当に頼んでいいのかな?」
「あぁ、任せてください。武闘大会までに決着をつけてきますよ」
「お〜、最近の若い子は頼もしいね〜期待してるよ?」
「はい、国への報告は任せましたよ?それと報告する時は俺たちのクラン名を大々的に伝えてくださいね?」
「もちろんさ!君たちの偉業はきっとこの国で大々的に知られることになると思うし、言わなくても国が動くさ!まぁ、全てはこの件が片付いたらだけどね」
「はい、では俺達は失礼させてもらいますよ?」
「いいよー、またお菓子でも食べに来てね〜ルビーちゃんこれはお土産に持っていっていいよ〜」
「わーい!ありがとうお兄さん」
「「「「お兄さん?」」」」
「にゃはは〜よく分かったね?僕が男だって、よく女の子と間違えられるんだよねぇ〜」
「え、男だったの?!その見た目で…?なるほどコレが男の娘か…猫耳男の娘…最高ですね!ありがとうございます!」
「???君たちのリーダー大丈夫なの?」
「通常運転なので気にしないでください」
「残念ながらたまに暴走するのよね…まぁ、こんな所も可愛いのだけど…」
「急に惚気ないでくれるかな?まぁ、いいや!僕は男だからね!そこんとこ覚えといてよ?んじゃ、受注は幻想旅団で受けつけとくから、頼んだよー」
「はい、わかりました。ほら、ユウキさん行きますよ!」
「こうなったマスターはしばらく戻ってこないのです…はぁ…」
こうして俺達は無事?依頼を受ける事ができた。
だが、この依頼を受けようとしていた者達が他にもいたのだ…それは他ならぬ…
「おっ!戻ってきたな!君達がこの依頼を受けるんだって?俺も受けようとしてから、どんな奴が受けるのか待ってたんだよ!」
「ちょっと天空くん初対面の相手に失礼でしょ…お気を悪くしてたらすみません。後で躾けておきます」
「マジかよ…」
そう、ソラと紅葉が俺たちの事を待っていたのだ…結構時間潰したのにまだ居やがったのか!猫耳男の娘でフリーズしていた思考が一気に警笛を鳴らす…コレはまずい流れだな…
「初めまして、俺達は幻想旅団だ。名前はオメガというが、クラン名だけでも覚えておいてくれ」
「あぁ、よろしく!俺は天空だ!クラン名?とかそういうのは無いけど…んで、こっちが神咲」
「初めまして?なのかしら…?なんか知ってる匂いがする」
「いや、初めましてだ。間違いないぞ、うん」
「そうかしら?まぁ、いいわ。それで貴方達はこの依頼を受注できたのかしら?」
「あぁ、滞りなく受けられた。俺達は急いでるから失礼するぞ?ではな」
「あ、あぁ…呼び止めて悪かったな…」
「あっ、ちょっと待ってもらえるかしら?…貴方ユウキくんでしょ?詳しい話…今度聞かせてもらうからね…?」
「!!!???ひ、人違いだ!!行くぞみんな!!!」
ひゃぁぁぁあ!!!怖ぇぇぇえええ!!なんだあの地獄の底から捻り出したような声!天使だった神咲は悪魔になってしまったのか!?それよりなんでバレたんだ!?助けてくださぁぁぁいいい!!!
斯くして、俺の正体がなぜかバレる事になったが、無事?宿に辿り着くことができたのだった。
次の更新は、明日の正午になります!
猫耳男の娘…まぁ、年齢はアレなんですけど…
次回は、紅葉視点になります。




