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駄女神に信託を受けた俺、世界最強の流派で異世界を無双する!  作者: 雪月花
闇に染まった王国と幻想郷の再建
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第6話 初戦闘はゴブリン!あれ?量が…



王都を出て数分、俺はイヤリング状態のミスティとろくに整備もされていない道を念話しながら歩くこと数10分…やっとゴブリンの森…本当の名前はフェアリーズフォレストと言うらしい、森に向かう途中までの道中で一緒になった行商人の方と話をしている時に教えて貰ったんだが、昔は妖精が住んでいて、とても綺麗な森だったらしいのだが、ある時を堺にゴブリンがその森に住み着き出し、妖精達を追いやってしまったらしいそれを聞いた冒険者達が、ゴブリンが出る森と街中で言っていたら、そのまま通称として広く定着してしまったらしい。行商人とは途中の分かれ道でお別れし、ゴブリンの森まで残すとこ半分くらいにまで迫った時に異変が起こった。


(マスター!前方からものすごいスピードでこちらに迫る物があるです!気づいてらしたかもしれないですがお気を付けて!)


(あぁ、俺の千里眼で見た所、複数台の馬車がこっちに向かって走ってきてるな。何かに追われてる?ように感じるのは俺だけかな?)


(いえ、追われてるみたいですね。馬車の土煙に隠れて視認できないかもしれないですが、馬車の後ろに物凄い数の気配を感じるです!)


(もしかしてスタンピードか?俺が城で聞いた説明だとスタンピードは数年に1回起きればいい方だって聞いてたんだが…ちっ、めんどくさいのに出くわしちゃったなぁ…)


そんなことをミスティと話しながらぼーっと眺めていると、馬車が千里眼を使わなくても視認できる距離まで近づいた。すると、向こうもこちらの存在に気づいたのか、こちらに手を振りながら必死に何かを叫んでいるが、馬車の走る音に掻き消されて、全く何を言ってるのかわからん!仕方ない…読唇術を使うか…えー、なになに?「逃げろ!ゴブリンの群れだ!1万以上居る!王都に戻れ!」だって?1万くらい?おかしくね?何でそこまで増殖してんだよゴブリン…確かにゴブリンの繁殖力がやばいのはラノベでよく見てたけども、流石に一日や二日でここまで増えるなんて聞いたことないぞ?後でリーシャさんに聞いてみるか…


そんなことを考えていたら、近くに停車した馬車から人が飛び降りて来た。


「おい!お前何やってる!!逃げろと言ったのが聞こえなかったのか!?早くこの馬車に乗れ!死ぬぞ!!」


「あっ、結構です。それじゃ」


馬車に乗れと言われたので、丁寧に断り森までの道を進もうとしたところでさらに呼び止められた。あーもう!俺がいいって言ってんだからいいだろ!しつこい男は嫌われるぞ!


「ちょっと待てって!聞こえてないのか?死ぬぞって言ってるんだ!!いいからこっちに来い!!早く!!」


「急いでるなら俺なんか見捨ててとっとと王都まで戻ったらどうです?」


「そういう訳にもいかんのだ!!これは「何をしているのですか!早くお乗りになってくださいっ」っっ姫様!お下がり下さい危険です!」


騎士風の人が捲し立てているのを遮り、凛と透き通った声で俺に馬車に乗るように促してきた少女は、今姫様って呼ばれてなかったか?


「あなたは死にたいのですか!!むやみに命を散らすものではありません!私たちと共に王都に戻りましょう!さぁ!早く!」


姫様?は俺の腕を掴み強引に馬車に乗せようとしてくるんだが…意外と力が強くてズルズル引きずられる…


「ちょっと待って!俺は別に死ぬつもりはないから!それにゴブリンの群れが来てるのなら既に気づいている!だから離してくれ!」


「「なっっ!?」」


「ではあなたは、ゴブリンの群れがどのような規模なのかも知っているのですか!?あれは群れなんて生半端なものでは無いのですよ!?数万はくだらない大群ですよ!あなたはあれをどうにかできるとでも言うのですか?!1人で!!」


「それは…」


「ほらできないのでしょう!ならここは大人しく私たちと共に王都に戻り迎撃の準備をしましょう!!さぁ!早く!」


この姫様は俺の話を全く聞く気がないらしいな…めんどくさい、ここは強行突破するしかないかなぁ…顔バレしてるし後で見つかった時めんどそうだけど…その時は記憶を弄ってやろう。うん、そうしよう。てことで少し脅してみるか…


「おい、人が黙って聞いてればいい気になるなよ?お前に俺の何がわかるんだ?あぁ?言ってみろよ?姫様だかなんだか知らんが、調子に乗るのもいい加減にしろ!!お前の都合を俺に押し付けるな!腹の中ではどうせウザがってんだろ?なら好きにさせればいいじゃんか!」


そう言い姫様を睨みつけていると、なんか小刻みに震えている。あー、やべ言い過ぎたか?騎士さんも何か絶句って感じの顔で固まってるし、こんな事言うやつなんて今までに居なかったのだろう。どうしたもんか…まぁ、言ってしまったことに変わりはない。このまま姫様の出方を伺おう。


「私は…」


「あ?なんだって?聞こえねーよ!もっとハッキリ喋ったらどうだ?姫様なんだろ?堂々としてたらどうだ?あー、そうか。図星を付かれたから何も言い返せないんだな?もういい、じゃあな」


それだけ言い残し俺はその場を立ち去ろうとしたのだが、姫様にまたしても呼び止められてしまった


「お待ちください!!ではあなたは1人であの大群を相手に出来るとでも言うのですか!?無理です!死んでしまいます!!私は偽善者かもしれない…ですが!目の前で助けられたかもしれない人を放って、自分だけおめおめと生き長らえるなんてことできません!お願いします…私たちと共に王都に逃げてください…うぅっ…」


あー、これは本当にいい子パターンだったわ…めっちゃ号泣してるし…どうしようか?


(マスター?女の子泣かせたのです!いけないのですよ?)


(ごめんミスティ…泣かせるつもりはなかったんだけど。あそこまで言えば気が強かったり、本心はなんとも思ってない人だったら、怒って放置してくれるとおもったんだが…何事も上手くいかないもんだなぁ…)


(どうするのです?殺るのですか?)


(み、ミスティさん?やるって文字が恐ろしい事に…流石にめんどくさいからって姫様殺したりはしないよ!?)


(そっちじゃないのです!ゴブリンの方を殺るのか聞いたのですよ!私は!)


(あぁ、なんだそっちか…うーん、まぁ泣いてる女の子を放置してはいけないし、丁度ゴブリン討伐の依頼をこなさなきゃだったし、戦うかなぁ…)


(そしたら昨日考えた技とかも練習できるのです!一石二鳥なのです!)


(そうだね!物は試し…無理だなと思ったら逃げればいいだけだし、やれる所までやってみるか!)


「あー、ごめん。言い過ぎました。本心から言った訳では無いので、そんな泣かないで?もし王都に戻ったとして、あの数のゴブリンに対応できるだけの戦力があるんですか?」


「ほ、本当に本心からではないのですか?戻ってくださるのですね!!王都に戻れば勇者様達が居るはずです!その方達ならあの数もどうってことないでしょう!さぁ!早く!馬車に乗ってください!」


「ちょっと待て!勇者?姫様は何を言ってるんです?勇者は昨日召喚されたばかりだ、戦闘訓練もろくにこなしてない奴らがあれをどうにかできるとは、到底思えないんですが?」


「え?あなたこそ何を?勇者様は1ヵ月前に召喚された筈ですが?父からの手紙にそう書いてあり、王都に戻って顔を見せるようにと、戻ってきてる途中だったのですよ?」


「ちなみに姫様はどこに居たんですか?」


「ここから約一月ほど離れた場所にある魔法学院です。そこで魔法を習っていたのですが、先程も申し上げました通り、父の手紙に戻ってくるよう書いてありましたので…」


これはいったいどういう事だ?話が食い違っている。実際俺らが召喚されたのは昨日のこと。それだけは間違いない。だが、姫様には一月前に手紙が出ている。うーむ、訳分からんな。王様は何も言ってなかったし、俺ら並みの集団が王城に居たのなら、俺が気づかないわけがない。となるとどちらかが勘違いをしているのかな?とりあえず姫様に確認しなきゃな


「姫様?ちょっとその手紙とやらを確認させてもらえないですが?」


「え?いいですけど…ちょっと恥ずかしいですね…こちらになります」


本当はこんな悠長な事をしてる場合ではないのだろうが、確認しておかなければならない事が出来てしまったので、仕方ない。

姫様は手紙を恥ずかしそうに俺に手渡してきたのだが、そんなに王様からの手紙が恥ずかしいか?


「ありがとうございます。では拝見させてもらいますね」


えー、なになに?あ、これは恥ずかしいわ…王様が娘を溺愛しているのがひと目でわかるくらいに、姫様の事を心配していると言った内容がズラリと上から下まで書いてある。勇者召喚については、最後の方にちらっとしか載ってないじゃん!大事な事全然伝えてないし!あほか!


「こ、これは、確かに恥ずかしかったかもですね…すみません…」


「い、いえ!お気になさらず…何かわかりました?」


「あー、はい。多分ですがこれ続きがあると思います」


「続きですか?ですがもう書く場所など何処にも…」


「姫様は確か魔法学院で魔法の勉強をしていたのですよね?」


「ええ、そうです。主に攻撃魔法がメインですが、王族として恥じぬよう、色々な魔法に取り組んで参りました」


「勤勉だったんですね…俺とは大違い…それはともかく、この手紙には魔法が付与されているのにはお気づきになりました?」


「え?魔法が…?いえ全然気づきませんでした…」


「まぁ、そうだと思います。これは多分王様にしか解けないようになってると思うので、恥じることは無いですよ」


「父にしか解けない魔法ですか?そんな物があるなど父からは聞いたことありません」


「これはそんなに凄い魔法だとも思えないのですが、多分姫様が王城に戻り次第、種明かしをするつもりだったのでは?」


「いったいどのような魔法が付与されているのですか…?私には検討もつかないのですが…」


「まぁ、今大事なのは魔法の究明ではなく手紙の内容ですので、そこは王都に帰ってから王様に聞いて下さい。この手紙には続きがあると言いましたが、内容はこれで終わりです。ですがこの手紙に魔力を通します」


「魔力を…?こ、これはっ!」


俺が魔力を通し始めると書かれていた文字が浮かび上がり、文字の場所がどんどん入れ替わっていく。数秒して入れ替わり終わったのか。何事も無かったかのように文字は紙に戻った。そしてさっと手紙に目を通し、ため息混じりに姫様に返却する


「はぁ…こんな事だろうとは思ってたけど、本当にその通りだとは…あっ、これお返しします」


「はぁ…?こちらになんと…?っこれはっ!!お父様は一体何を考えているのですか!!娘に嘘の情報を教えるなんて!お父様嫌いです!!」


完全に頭に血が上っているらしく、先程まで父と言っていた王様の事を、普段はそう呼んでいるのであろう、お父様呼びに変わってしまっていた。そんな姫様のことをニヤニヤ見つめていると、気づいたのか顔を赤くしながら目を逸らしてしまった


「どうです?信じてもらえましたか?」


「はい、あなたの仰ることは真実でした」


「なっ!?では我々はどうすれば!?王都に戻っても勇者様が対処できないのであれば、王都に逃げ込んだ所でどうにもなりませんぞ!!」


ここまで黙って聞いていた騎士さんが流石に聞き流せる内容じゃなかったらしく、とても慌てている。まぁ、その気持ちもわからなく無いけども、もう少し黙って聞いてようか?


「ど、どうしましょう…一刻も早く戻り民達を逃がさなければ…」


「あー、それももう遅いかな」


「え?遅いとは?どういう事ですか?」


「いや、だって俺と話しているうちに、ほら、ここから視認できる距離までゴブリンが迫ってきてるけど?やっぱり気づいてなかったんですね」


「そ、そんな…ではもう王都に戻っても民を逃がしてる時間が…私がぐずぐずしていたばっかりに…」


「いや、俺のせいですよ概ね。俺が黙って付いて行っていればよかっただけの事ですからね。姫様は何も悪くない」


「ですが!」


「だけど!!」


姫様の言葉を遮り俺は姫様に誓う


「ここには俺がいます。ここは俺に任せてください。迷惑をかけてしまった罪滅ぼしに、ゴブリン共の事は俺に任せて、姫様達はお逃げ下さい」


「そんなことできません!最初は悪い人かな?と思いましたが、話しているうちにそうではない事ぐらい私でも分かります!逃げるならあなたも一緒じゃないとダメです!あなたが逃げないと言うのなら、私もここを意地でも動きません!」


何故か姫様はその場に正座してしまった…ドレス汚れるよ?そういう問題じゃないかもだけども、てか最初ディスられたし…まぁ、脅そうとしたのは事実だけども…


「はぁ、分かりましたよ」


「分かって頂けたのですね!では、王都に戻りましょう!」


「いえ、そっちではなく。そこで見てることを了解したと言うことです」


「では、あなたはあの大軍に勝つ、そう仰られるのですね?」


「確実とはいえませんが、やれる所まではやるつもりです」


しまった!姫様がここに居たのでは、いざ逃げようとした時にひとりで逃げられなくなった…やるしかないのか…


「マルディス!!話は聞いていましたね?私はこの方と運命を共にしたいと思います。ここで出会ったのも何かの縁、あなた達は先に王都に戻っていてください」


「ですが姫様!!この者は何処の馬の骨とも知れません!私達が居なくなった後で、姫様を囮に逃げ出す気かもしれないのですよ!?そんな者に姫様を預けてなどおけません!」


「信じなさい。私はこの方を信じます。あなたは私が信じた者のことを信じることが出来ないのですか?」


「い、いえっそんなことは…で、ですが!」


「いいから戻りなさい!これは命令です!時間が無いのです!早くしなさい!」


「はいぃいいっわかりました!!」


姫様の一喝を受け騎士さん…基、マルディスさんは踵を返し馬車で待機してた仲間達に一声かけ、すぐさま去っていった。去り際にこちらを心配そうな目で見ていたのだが、何かあっても姫様は連れ帰るから安心して欲しい。口には出さないけどね


「で、本当に残ってしまってよかったんですか?危ないですよ?」


「問題ないです。何かあれば助けてくれるのでしょう?」


成程、全てお見通しってことね


「何も無いのが1番なんですけどね…とりあえずこれ上げます」


姫様にネックレスを渡す


「こ、これは?」


「それは持っているだけで、俺と念話ができる魔法が付与されています。他にも色々と効果はあるのですが、今は必要ないので説明は省きますね。とりあえず何か問題が起こったら心の中で俺に話しかけようとすれば繋がるはずですので」


「そ、そのような素晴らしい魔道具を貰ってしまって本当に宜しいのですか?」


「大丈夫ですよ、それは俺が作ったものなんで。お金などは掛かっていませんから」


「この様なものをお作りできるなんて…」


「まぁ、話はまた後でしましょう。俺はそろそろ集中させてください」


「あっ、失礼しました。ご武運を…どうか無理だけはなさらないよう…」


「了解しました!それじゃ、姫様は危ないのでもう少し離れていてください、後1分程で戦闘を開始しますので」


「わかりました。気をつけてください」


ふぅ、とりあえず姫様の事はどうにかなったな。説明してないが、あのネックレスには即死回避と自己回復(超)を付与してあるので、絶対に死ぬ事は無い。後は俺の問題だな。


(ミスティ、ブレードモード)


(はいなのです!)


ミスティを剣に戻し、意識を目前まで迫った敵に向ける。気配のカウントを開始。終了。結果28562体の敵を確認、その中でも強そうなのが後方に陣取っている。そいつに向けて鑑定を飛ばす、どうやらそいつが統率してるらしいな。ゴブリンキング…その名の通りゴブリン共の王って事か…それ以外にも所々に強そうな気配があるが気にしてても仕方ないな。


(ミスティ、確認だけど得意魔法は水と風だったよね?)


(はいなのです!)


(じゃあ、氷と雷も対応できるよね?)


(氷と雷です?できるとは思うのですが、試したことがないので分からないのです…)


(そればっかりは仕方ないね、とりあえず戦いながら色々探っていこう)


(了解なのです!マスター頑張ってなのです!)


「エンチャント発動、全身体能力up!」


全身に力が漲ってくるのがわかる。凄く体が軽くなったな!これなら余裕で行けそうだ!


油断して足元を救われたら元も子もない。ここは慎重に行こう。


(ミスティ!あれを使うぞ!)


(昨日考えたやつです?わかったのです!)


「我は雷を纏いて願う、この世の全てを置き去りにする速さを!!雷光発動っ!!」


その瞬間俺を覆うように雷が迸る…すげぇバチバチ言ってるけど大丈夫かな?とりあえずまだまだ行くぜ!!


「我は望む!全てを破壊する黒い雷を!!黒雷発動!!」


今度は纏っていた雷の色が白っぽい色から黒に変わる。さて、そろそろ行きますかね…とりあえず付与魔法はこの辺でいいだろう。今回はとりあえず雷をメインとした戦いをしようと思う。後は敵を切り捨てながら広範囲魔法で焼き殺しまくればいいだけだな。



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