第59話 夜空に咲く大輪
本日3話目…最近で一番短いかも…
一応残りはエピローグと後日談を残して終わりになります!
キュィィィインッ!!!
甲高い金属音のような音が響き、死竜に集まっていたマナが収束する…
静まり返る真夜中の森で睨み合う俺と死竜…
絶対に避ける事はできない…
俺が避ければこの美しい森が消えて無くなる…
ならば…
「消しとばしてやるよっ!!竜の吐息ぐらいよぉ!!」
俺の言葉に反応するように突如として突風が吹く…その合図を皮切りにお互いの必殺の一撃が放たれる
グォォォオオオオオオンッッ!!!!!!
そのブレスが通った場所はどこです空間が歪む…それ程の威力を持った一撃に、俺は内心で称賛する
よくもまぁここまで練り上げたな…と
「こっちも行くぞッ!!ハァァァアアッ!!!」
雄叫びを上げ剣を振るう
「西音寺流二刀流術 秘奥義 一の太刀…黒雷龍牙剣ッ!!」
右手から振るわれたミスティによる剣撃が龍のように変化する。
そして…
「西音寺流二刀流術 秘奥義 二の太刀…白焔白虎ッ!!」
左手から振るわれたエクスカリバーによる剣撃は虎に変化し龍に追随する…
そして、二振りの剣に残った魔力を合わせ…最後の一撃を振るう
「西音寺流二刀流 秘奥義 参の太刀…絶焔雷光撃ッッ!!!」
背中で発動させた爆発の勢いを利用し、爆速的な加速を経て弾丸と化した俺は、ブレス目掛け突き進む
「西音寺流二刀流 秘奥義 終の太刀…龍虎焔雷ッ!!うぉぉぉお!くたばれやぁぁぁぁあ!!!」
全ての技が合わさり一つとなって、ブレスを食い破る…
「今度こそ生き返ってくんなよ?」
グァァ…?
止まる事なく告げた俺の言葉に訳が分からないと言った様子のドラゴンゾンビ…
俺は既に剣を振り切り、死竜の遙後方で結末を眺めている…
「じゃあ、ここは元気よく!皆さんご一緒に!!」
(えっ!?マスターどうしたのです!?やられた!?)
「失敬な…こほんっ…せーの!たーまや〜」
ドガァァァンンッ!!!!
俺の掛け声とほぼ同時に爆発する死竜…
蓄えられていたエネルギーと俺の技に込められた魔力、そして瘴気を浄化する為に振るった聖剣による神聖な一撃…
色々な相乗効果によって、夜空に浮かび上がる特大の白黒の花火…
まぁ、全然綺麗では無いんだけどな…飛び散ってるのあいつの肉片だし…あっ、目に入る範囲で消し炭にしておこう
そう思いマッチの火程の火魔法を数万と発動し、肉片を燃やし尽くす…
(どっちかというと今の方が花火に見えるのです…)
「確かにそうかもね…さぁ、みんなのところに戻ろうか?」
そう言いミスティを人の姿へと戻す
「わっ!わわわわっ!?私飛べないのです!!
「あっはっはっは!!!慌てすぎミスティ!笑かさないでよ!!」
ちょっと悪戯したくてわざと右手を高く上げ、重力に逆らうことなく落ちて来たミスティを捕まえる。
「もぉ!!マスターは意地悪なのですっ!!」
「ごめんごめん!許して?ね?」
「お姫様抱っこしてくれるなら許さないこともないのですっ!前にリリアにしてたの羨ましかったのです!」
「そんな事なら…ほら!これでいいかい?」
「ふむふむ…このままリリアの前に戻ってドヤ顔してやるのです!戻るのですマスター!」
「はいはい…あまりリリアを虐めてやるなよ?」
そうして俺たちは遠くから聞こえる俺とミスティの名を呼ぶ声の方へと帰還するのであった。
俺たちが戻ると、そこで待っていたのはペリドットに住む人々とリリア達…
何故かリリア達以外の人達が俺に対して祈りを捧げているのは気のせいか…?
何も見なかったことにし、リリアとルビー、そしてローズさん…仲間達の元へと空から降り立つ。
「みんなたでま〜」
「たでま〜なのです〜」
「ユウキさん!!最後の技カッコ良すぎました!でもそれよりも気になることがあります!!」
「あなた…ありがとう…でも、一つ言いたいことがあるわね」
「パパ〜♪おかり〜?」
ルビーが俺の方へ飛んできて顔にペタッ!と貼りつく
「ルビーただいま!怖くなかった?」
「怖くないよ〜?だってね〜パパがね〜一生懸命闘ってたから〜ルビーは怖くないんだよ〜」
何この子最強に可愛いんだけど!!
「そっか〜俺もルビーの為に闘ってたからね〜」
「…マスター?ルビーと戯れるのもいいですが、あの2人を早くなんとかして欲しいのです…笑顔なのに目が笑ってないのです…」
「言うなミスティ…俺は何も見てない…ミスティが降りれば済む話なんだぞ…?」
「それはできないのですっ!今日は私のターンなのですよっ!」
「「なっ!?変わりなさいっ!!」」
「はぁ…なんか最近いつもこんな感じだな…」
あんな闘いがあった後でも女性陣は好きな男とイチャつく為なら疲れすらも忘れることができるのだ
女性陣の言い争いと何故か俺を拝める人々の喧騒と共に夜が明ける…
こうしてペリドットは救われた…
ユウキが滞在してなかったら今頃ペリドットは滅亡していたのだ…それを察しているからこそ、ペリドットの民はユウキを今後神として崇めていくと決めたのであった。
ユウキがそれを知るのは少し先のお話である…
次の更新は火曜日の正午になります!
エピローグと後日談、それと勇者組の話を1話ずつやって、来月から2章を開始します!




