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駄女神に信託を受けた俺、世界最強の流派で異世界を無双する!  作者: 雪月花
蠢く小鬼と囚われの妖精
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第58話 血で赤く染まる大地

少し短いです!


本日1話目になります。



〜〜sideローズ〜〜



砂煙が徐々に晴れていく…


その中で佇むローズは何故か増え続けている生体反応に困惑する。


「……おかしいわね?なんだかどんどん気配が増えてるのだけど…あの女分身スキルでもあったのかしら?」


「お〜?纏めてぶっとばすの〜♪」



急に物騒な言葉を発したと思ったら、魔法の準備を始めている自分の娘に戦慄し、戸惑っている間に魔法が完成してしまう。


「…あっ!ルビー待ち…『氷の散弾〜ほぇ?ママどしたの〜?』遅かったわね…」



ルビーの放った魔法が何千発もの細かい氷の弾丸となり謎の反応を攻撃する。


あっ、よかった…


当たった端から悲鳴が聞こえる…が人間のものではなかった


クガッ!?ギャギャ!?と醜く泣き死んでいく者達の名はゴブリンと呼ばれるものだ…



そう、ユウキがこの世界で初めて殺した生物…その時程の大群が突如としてペリドット内部に沸き起こったのだ…



「…何が起こったのかしら?何故いきなりこいつらかここに…?あの女は何処へ…?」


「お〜?パパがね〜?ゴブリンは女の子をなえどこにするから、見かけたら殺さないとダメなんだぞ〜?って言ってたの〜♪よくわからないけど、パパが殺せっていってたから、ルビー頑張るよ〜♪」


「あっ!ちょっとルビー!待ちなさい!?妖精騎士団!!ルビーについて行きなさい!隊列を崩さず小鬼共を殲滅せよ!」


「「「はっ!仰せのままにっ」」」



はぁ…あの子の猪突猛進な所は誰に似たのかしら…?


言うまでもなく母親に似たのだが、ローズはそれに気付いていないらしく困ったわ〜と首を傾げていた。


それよりも…と続けるローズの目の前に居るのは静かになった巌窟竜の姿…



「呆気ないものね…貴様に殺された者達の無念を晴らす為…見せしめになってもらうから覚悟なさい…」


呆気なく死んだと思われる巌窟竜の姿にローズは過去に殺されていった者達の姿を思い出す。


「お父様…お母様……ルビリオ…みんな…仇は打ったわよ…」


空を眺め込み上げてくる涙を流さぬよう、じっと耐えるローズの姿に周りに残ってゴブリンの駆逐を行っている者達は、ローズの言葉を聞き、自分達の友や家族…殺された人々を思い返し、その人達の分も想いを乗せ、剣を振るうのであった。



そしてローズもゴブリンの始末を手伝おうと竜から視線を離したその時…



閉ざされ、息を止めていた竜が突如として口を開き、ローズ目掛けブレスを放つ



「……えっ?そんな…」



ブレスに呑み込まれるローズの姿を目の前で目撃した人達は悟った…


あぁ、これは助からない…ローズ様は死んでしまった…と



ユウキから貰った自動発動の盾はキチンと作動していた…だが、一点に収束されたブレスに貫かれる…その姿まで目撃したのだ…



一点に収束されたブレスはレーザーの如くその直線状にあったものを端から消しとばしていく。



そしてブレスが尾を引くように消えて行くなか…ローズの居た場所に視線が注目する。



するとそこには…



「いや〜、なんとか間に合いました!マジで焦りましたよ!?油断しすぎですローズさん!!」


「よ、よかった…間に合って…本当によかった…」


「ふ、2人ともどうしてここに…?いえ…ありがとう、助かったわ…今のは本当に危なかった…」



そこにはリリアとサーシャと共に、ブレスの対角線上から少しズレた位置に立つローズの姿であった。


アリンとラプラに逃げられた2人は、ラプラの言葉に危機を感じた為、ローズの元へと駆け参じたのだが、間に合った!そう思った矢先…ブレスを放とうとしている竜を視認した瞬間に、なんとかギリギリで飛び込み、ローズを護る事に成功したのだ。



「詰めが甘いんですよ!トドメはちゃんと刺さないと!えいっ!」


それだけ言うと、起き上がろうとしていた巌窟竜へと風の刃を放つリリア…


グァ…?何したんだこいつ?と喉を鳴らした巌窟竜が一歩足を踏み出そうとした瞬間…



その首が切断され…ボトリ、と地面を転がる。


その後に続くようにゆっくりと今度こそ確実に絶命した竜の巨体が崩れるようにその場へと倒れ伏す…



こうして最後の最後までローズを翻弄した竜もケルベロスと同じ道を辿る事になったのであった。



「ええっと…まぁいいわ…」


「はい?どうかしましたか?」


後でローズの手によって首を切断し、国民へと見せつけ、安心させようと思っていたのだが、そんなこと知らないリリアの手によって切断された竜の姿を見て、ため息を吐くローズなのであった。



「…リリアさん、ローズさん!まだ戦いは終わってないですよ!!」


「えぇ、そうね…」


「はい!ゴブリン共を蹴散らします!」



ユウキが戻る前に粗方片付けてしまおう!


そう考えた3人は、1人無双するルビーに遅れを取らぬよう、ゴブリンの始末に励むのであった。



そして、小鬼共の血で大地が赤く染まる…



その血が地面を伝い一ヶ所に徐々に集まっていく…



リリア達はまだその事に気付いていない…




そして…



「あれ?なんでこんな所にゴブリンがいるんだ?」


「本当なのです!ぶっ殺す!なのです!」



泉のほとりに設置してある魔法陣の上に転移してきたのは、ユウキとミスティであった。



突如として現れた2人に驚き武器を構えたが、それがユウキ達だと気づき、その場にいたもの達は歓喜し、リリア達に頼まれていた言伝を話す。



「なるほど…そっか!リリアは頑張ってたか…」


「マスター?ニヤニヤしててキモいのですよ?」


「ほっとけ!弟子が活躍したと聞いたら嬉しくなるだろ?」


ちらほらと見えるゴブリンを、目に入る範囲に居るやつを適当に発動した魔法で消滅させながらニヤニヤしてるユウキの姿は、側からみればゴブリンを殺しながらニヤニヤしてる変態である。



この場にいたゴブリンを始末し終えたユウキは、ここにいた人達に、連れ去られたもの達の居場所を伝え、迎えに行ってもらう事にし、自分はリリア達の元へと途中で出会すゴブリンを始末しながら歩いているのだった。



「いや〜、俺の出番無かったか…それはそれで寂しいな〜」


「いい事じゃないです?まぁ、私ももっと斬りまくりたかったのです!」


妖刀みたいな事を言い出したミスティに若干引き、それに気付いたミスティが必死に弁明する…そんなコントを繰り広げながら、緊張感が皆無な2人は巨大な竜の死骸が転がる姿を視認できる距離まで近づく



「あっ、ユウキさん!!ご無事でしたか!?」


それに目敏く気付いたリリアが風に乗り飛び込んで来るのを「俺は大丈夫だけど、リリアも怪我は無いか?」と優しく受け止め聞き返す。



ユウキの帰還を聞き付けた者たちがその場に集まってくるのを横目に、誰もかける事なく無事な姿に安心するのも束の間…



俺はある事に気づく



「あなた!よかった!無事だったのね!」


「パパ〜♪ルビーいっぱいがんばったよ〜?ほめて〜♪」


「ローズさんこそ無事でよかった…ルビーもよく頑張ったね!いいこいいこ…」



一頻りルビーの事を褒め、全員が俺の近くへと集まった瞬間…



俺はアイギスを発動する。



「えっ!?ユウキさんどうしたんですか!?」


リリアがユウキに何事か!?と問い詰めるよりも早く、ユウキが結界を張った理由が明らかになる



ゴゴゴゴゴッ…



地面が大きく揺れ、揺れに耐えきれなかった者が尻餅をつく…



そして国中に散らばるゴブリンの死骸、目の前にある首と分かたれた竜の死骸、そして…氷漬けにされたケルベロスの死体が夜空へと突如として浮かび上がる…



「……なんなのよこれ…」



その現象に呆然と眺めていたローズの口から声が漏れ聞こえる…



「俺にもわかりません…ですが、これからが本当の戦いになる…そんな気がします…皆はこの中に避難しててください…あれは、俺が相手をします」



月の無い夜空に浮かび上がった死骸が徐々に一ヶ所へと集まり、その姿を変化させていく…



そして、地面へと吸い込まれた血が逆再生のように空へと吸い出され、肉塊と化した物を覆うように空に血の満月が出来上がる。



ユウキ達がその光景を固唾を呑んで見守る中…



遂にそれが姿を表す…



「なるほど…あれが俗に言う…」


「「「……ドラゴンゾンビ…」」」



キュォォォォオオオオッ!!!!!



この地に生み出された1匹の竜…


その姿は禍禍しい程に闇を携え、朽ちた肉体からは瘴気が漂っている…



「全てのシナリオを終え…今ここにメインイベントが幕を開ける…と言った所か…?」



そんな風に呑気に夜空を滑空する死竜の姿を眺めるのであった。




次の更新は本日の15時です!3話目は夜の更新になります!


とうとう妖精の国編のラストスパートです!

なんとか今月中にエピローグまで終わりそうです!



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