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駄女神に信託を受けた俺、世界最強の流派で異世界を無双する!  作者: 雪月花
蠢く小鬼と囚われの妖精
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第49話 猫と紋様

本日1話目になります!

ご都合主義全開で申し訳ないですが、慈愛神の加護が適応されるのは肉体の成長限界に到達した時に、後付け設定します!


でないと…一生ルビーが幼児のままになってしまうので…それもそれで良さそう(脳死)





「おはよ〜パパ〜ふわぁ〜むにゃむにゃ」


「おっ、起きたかおはようルビー!もうすぐ朝ご飯できるからな〜」


何事もなく無事に朝を迎えた俺たちは、今日の方針を朝食を食べつつ固め、一晩キャンプした地を離れ、森の中へと再び立ち入るのであった。


「それにしてもこれだけ探して何も手掛かりがないのも変じゃ無いですか?」


「そうだな…それに俺の索敵スキルがまだバグったままなのもおかしい…」


「マスターのスキルが使えてればこんな苦労しなくてすんだのです…」


「おっ?そんな事言う子には今日のおやつは抜きにしようかな〜」


「そ、それはダメなのです!私のおやつは誰にも渡さないのですっ!」


「お〜♪ミスティの分もルビーが食べるよ〜?」


こんなほのぼのとした会話をしながらもきちんとやる事はやっているので、徐々に探索する範囲も限られてくる。


そうなると何故見つからないのか?本当にまだ森にいるのか?と疑いたくなってくるが、マリアさんは森から出たらマリアさんの鑑賞できる範囲から出るので必ずわかるらしい。


さらに妖精族が死んでしまった時なども、マリアさんが全て把握してるらしいので、まだ連れてかれた人たちは死んでないのであろう…


だが、一刻の猶予もないのは何も変わらない。時間が経つほどに、何も変わっていない現状に焦ってしまうのだ。


「ちっ!邪魔だよ!!」


若干苛立ってきた俺は目の前に現れた、ミッドナイトベアーを蹴り殺す。


「マスター?そんなイライラしても仕方ないのですよ?一旦休憩しないとダメそうなのです」


「…そうだな。それにここら一帯を調べたら一度ペリドットに戻るか…」


ミスティの案で休憩を挟み、女性陣に本日の手作りおやつ(シュークリーム)を振る舞い、俺はその間に思考を巡らせる。


何故見つからない…?この森の深淵地帯はほぼ探し尽くしたと言っても過言ではないはず…


なのに見つからないのには、やはり俺のスキルの不調が関係してるのか…?そもそもいつから索敵スキルが使えなかったんだ…?


1人で考えていても謎が深まるばかり…気を取り直して俺もシュークリームを頬張る。


「あっ、ユウキさんほっぺにクリームがついちゃってますよ?ぺろっ、はい取れました」


思考停止…イマリリアハナニヲシタノダ?


「ちょっ!?リリアさん!?今、な、なめませんでしたこと!?」


テンパリすぎて意味不明な言葉遣いになってしまった。


「えっ?昔、ラルに好きな人に付いてるクリームは舐めとるのがマナーよ!と教わってたのですが…違ったのですか…?」


「いえ、正解です(嘘)」


ラルさん…!あんたって人は…この…最高にわかってるじゃないですか!


俺は一度もちゃんと会話したことないメイドさんに感謝の祈りを捧げた。


「ま、まぁそれよりも!リリアはどう思う?俺のスキルが使えないのは何故なんだろうか…」


「私ですか?そうですね…ユウキさん以外にも使えなくなったって方は学院でもいらっしゃいましたね…」


「へぇ〜、その学生達はその後スキルが元に戻ってたの?」


「いえ…大体の人はそのスキルは使い物にならなくなってましたね…ただ、何人かは自然と元に戻ってる子もいましたし…」


「なるほど…ちなみに使えなくなった学生達に共通点とかなかったの?」


「共通点ですか…?確か魔物によって呪いを受けた人でしたね…呪いを受ける人達は大体背伸びして自分の実力に適さないダンジョンに潜って、返り討ちに遭って逃げ帰ってました…」


「ん〜、でもそれは俺の場合は違うか…?魔物から逃げ帰ったことなんてないし、そもそも逃した獲物はあの土竜くらいだし…他に魔物と呼べるものなんて…」


「……そういえばマスターは私達が修行してる間は何をしてたのです?度々姿が見えなくなってたのです」


「あっ、確かに!私達に地獄のような特訓メニューをさせといて自分は遊んでるのか!?と何度思ったことか…」


「随分と容赦無く言ってくるのねリリアさん…あの頃の俺はペリドットの地形を理解しようと探索したり、仲良くなった猫と戯れたりしてたんだよ」


「猫と?そんな猫いました?」


「私は見てないのです!猫さんと私も遊びたかったのです…」


「みゃ〜?ねこさんはペリドットとにはいないよ〜?」


「え?ルビーどゆこと?普通にいたけど…」


「だってね〜?ねこさんいたらルビー食べられちゃうの…ねこさんはとてもこわいから、ママが近づいたらダメだよ?って言ってたよ〜?」


確かに猫の習性的に理解はできる…だが、1匹もいないなんて事はあるのか?


もしいないとしたら俺が戯れてた猫はいったい…



「もしかしてその猫が魔物だったんじゃないですか?よく猫を使い魔にしてる召喚術師の方もいらっしゃいますし」


「そんな事ある?ペリドットでわざわざ猫なんて顰蹙を買いそうな使い魔を使う奴なんてそうそういないだろ?」


「1人心当たりがあるのです!裏切り者のアリンなのです!」


「まぁ、そう考えるのが妥当か…」


「では、その猫を探す方向で動きますか?」


「そうだな……いや、待てよ…俺は確かあの猫に…」


「どうしたのです?猫にメロメロだったのです?」


「いや、そうじゃない…最後に遭遇した時に次見つける時にわかりやすいように、目印をつけといたんだった」


「目印?それはどんなものですか?」


「リリアも体験しただろ?アメジスティアで魔神化したアールと闘ってる時に、国民を避難誘導させる時に使ったあのスキルだよ」


「あっ!あれですか!確か発動者に敵対していない人達のことをマークしてくれる便利なやつですよね?」


「そう、それでマーキングしといたんだよね〜!」


「でもでも、マスターの索敵スキルは壊れてるのです…」


「いや、そのマーカーは俺じゃなくてもわかるだろ?リリアにこの前の指輪を嵌めてもらって…ずっと指に嵌めてましたね…」


「えぇ、もちろん!ユウキさんから頂いた大切なエンゲージリングですので!!一秒たりとも手放すことなんてできません!」


「あっ、ハイソウデスカ…そ、それで探知できないかな?」


「確か…私は全てを見透す者…この指輪に誓います…必ず敵を見つけ出すことを…」


リリアの詠唱が終わり、指輪から放たれた光が収束しリリアの額に集まる。


すると額に吸い込まれるように光が消え、次に目を開いたリリアの目に紋様が浮かび上がる。


あっ、ちなみにこの紋様は俺が考えた剣に天使の羽が纏わりついてる。間近で見たのは初めてだけど、中々カッコいいな…リリアの紫色の瞳によく似合ってる。


「中々似合ってるなリリア…俺も何か目に浮かび上がるようにしようかな…」


「カッコいいのです!マスター!私も欲しいのです!」


「お〜?ルビーもおそろいがいいな〜」


なるほど…俺達は冒険者としてパーティーのイメージを固めるために、服装を色違いのものを着て統一しているが、旗印も必要かもな…


ふむふむ、ならこの紋様を俺達のエンブレムにしようかな…とりあえずこの問題が片付いてからになるがそれも悪くないな。



「よし!この問題が片付いたらこの紋様を俺たちパーティーのエンブレムにして、次に寄った冒険者ギルドで認定してもらおうか!」


「「「おー!賛成!」」」


全員の意見が纏まったところで、リリアに猫の居場所を探してもらうと、それはあっけなく見つかった。


「………猫さん、ペリドット付近に普通にいますね…ただ周りに人は居ませんし、ペリドットの結界の外を歩いてます」


「灯台下暗しとはこのことを言うのだろうなぁ〜」


「マスター?他人事みたいに言ってるけど、自分のことなのですよ?」


「いいんだミスティ、たまには俺も現実逃避したい時もある」


「割とマスターは現実逃避する事多いと思うのです…」


ミスティさんはいつにもまして容赦がないですね…それはそうと、マジかぁ〜と結構萎えた俺は、さっさとペリドットに戻って猫を捕獲しようと思い、転移魔法を発動する。



「んじゃ、さっさと戻るぞ〜早く俺に触れないと置いてくぞ?」


「ま、待つのです!」「待ってくださいー!」


「おー?ルビーはいつでも大丈夫だよ〜?」


まぁ、ルビーはずっと俺の頭の上に座ってるからね…そのうち頭頂部禿げそうで怖…いや、なんでもない。気にしたら負けだ!



「ちゃんと捕まってろよ?転移っと」


その瞬間、視界が木々が生茂る真っ暗な森から、花々が咲き乱れる泉のほとりへと転移した。


「うひゃ!は、初じめて転移魔法を経験しました…感動です!」


「お〜♪パパ?もう一回!もう一回やって〜?」


「ふぅ…この感覚は何度味わっても慣れないのです…」


三者三様な反応をしているリリア達を横目に、こちらに走って近づいてくるローズさんを見つけ、片手を上げあいさつする。


「ただいま戻りましたローズさん、よく俺たちが戻って来たってわかりましたね?ぐはっ!!?」


「あなた!!怪我してない?風邪ひいてない?大丈夫?」


走ってきたローズさんはそのまま止まる事なく俺に飛びついてきた。


最近ローズさんのスキンシップがマジで過激で変な気が起きそうで怖いんだけど…


押し倒された俺の上で怪我がないか俺の体を弄るように触るローズさんの事をリリアとミスティが剥ぎ取ってくれる。


「ちょっとローズさん!?触りすぎです!」


「マスターから離れるのです!」



本当に渋々といった様子で離れるローズさんは少しムッとしていて、頬を膨らましてる姿は娘のルビーの仕草とよく似ていて、とても微笑ましく思えた。



やっぱ親子だな〜としみじみ思う俺は少しだけ悲愴感がある。


するとその様子に気づいたルビーがすかさず羽をパタパタと一生懸命に動かし、俺の頭から飛び上がりペタッと俺の頬に顔を擦り合わせながら「パパ〜?どしたの〜?」と心配してくれる。


それに「なんでもないよ?心配してくれてありがとうな」と返し、ルビーの頭をちょんと触り撫でてやるとたちまち、にへぇと頬が緩み嬉しそうにするルビーにこちらも笑顔にされる。



「それであなた?お早いお戻りだけど…何かわかったの?」


「えぇ、それなんですけど…実は敵は近くに潜んでるかもしれません…それに気付いたのですぐに戻ってきたんです」



俺の言葉にマジで?と言いたげな顔をしてこちらを見つめてくるローズさん


「マジで?」


「いや、なんでリリアが言ってんの?」


「なんとなく?言わなければいけない気がして…」


なんでやねん…





その後、復活したローズさんにこの国の重鎮達を集めてもらい、詳しい話を聞くことにした俺達は、森を走り回ったおかげでヘトヘトになっていたリリアの要望で、先に温泉に入り疲れを取り、会議へと臨むのであった。




こんにちは!

次話の投稿は、本日21時を予定しております!


次の月曜日が祝日ですので、月曜日も2話更新します!



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