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駄女神に信託を受けた俺、世界最強の流派で異世界を無双する!  作者: 雪月花
蠢く小鬼と囚われの妖精
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第48話 唐揚げハンターリリア

昨日書かれた感想で、スキルや称号が分かりにくいとの意見をもらいました!

この章が終わった時にユウキ達と勇者組の主要メンバーのステータスを更新します!

それに因んで勇者組のSSを何話か挟んでから次章へと展開していく形になりますので、覚えておいて頂けると嬉しいです!


あっ、昨日長くなるかもと言いましたが、普通になりましたごめんなさい…






俺達が朝一で森に入り半日ほど経過したが、未だそれらしき洞窟やなんらかの痕跡は見つからず、俺たちは辟易していた。


「ユウキさ〜ん、そろそろお昼にしましょうよ〜お腹空きました〜」


「リリアの言う通りなのです…お腹空いたのです〜」


「お〜、ルビーもお腹ぺったんこだよ〜」


3人の腹の虫がくぅ〜と可愛らしい音色を奏でている。


流石に俺も腹が減って来たし丁度いいか


そう思った俺は、明朝、誰よりも早く起床し作って来たお弁当を亜空間から取り出し、みんなにそれぞれ渡してやる。


「「「いやったぁっ!!」」」


お弁当を渡すと万歳をし、大袈裟に喜ぶ3人を見ると、ついつい自分達が対峙している問題の事を忘れてしまいそうになる。


「そんなに喜んで落としても知らないぞ〜?」


俺がそう言うが早いか、リリアがお弁当を落としそうになる。


「あっ!」


すんでのところで俺が風魔法を使いリリアの目の前に持ち上げてやると、パァーーっと喜んだのも束の間、何故か絶望したような顔付きに変わり、震えながら俺のことを見てくる。


「ん?どうしたリリア、お弁当は無事だぞ?早く食べないとせっかく亜空間に閉まってたのに、冷めちゃうぞ?」


「ユ、ユユユユ、ユウキさん!?今風魔法を使いませんでしたか……?」


その瞬間、俺はやらかした!と目を覆いたくなる気持ちを堪え必死にリリアをフォローするための言葉を考える。


「あ〜、いや〜、それは…」


「うぅ…私のアイデンティティが…唯一の個性がユウキさんの手によって奪われてしまいました…うぅ…」


「……リリア、強く生きてくれ…」


「そこは普通慰めたりしません?なんですかその投げやりな感じ!」


だってめんどくさいんだもん…とは口が裂けても言えないな…


「めんどくさいっ!?私彼女なのにっ!もういいですよ!!私はあっちでお弁当食べますから、話しかけないでくださいっ!ふんっ!」


やべぇ、声に出てたのか…やっちまったな〜(笑)


いや、笑じゃ無いだろ俺!リリアが拗ねるとめんどくさいんだよなぁ〜、誰かどうにかしてくれ!


「マスター?また喧嘩なのです?どうせマスターが悪いんだし早く謝ったほうがいいのですよ?もぐもぐ」


「はむはむ、ごくんっ、そうだよ〜?ママもね〜ふうふで喧嘩した時は〜男から謝らないとダメなのよ〜、って言ってたよ〜?あ!ミスティちゃんそれちょーだい〜?」


「む?なら、ルビーの卵焼きと交換なのです!」


「お〜、いいよ〜?ひよこさんの形のたまごやき上げるね〜」


幼女と幼女がおかず交換している姿に現実逃避してる暇もなく、リリアへの謝罪会見を開くべく俺は思考を巡らせていた。


そして…閃いてしまった。


我ながら完璧な作戦だ!これ以上は無い!そう言いきるだけの自信がある!



「…それでマスターが考えついた作戦がこれなのです?言っちゃいますけど絶対許してもらえないのです…私のマスターはアホなのです?」


「お〜♪パパ〜?これルビーもやりたいの〜♪」


「いや、大丈夫だミスティ!俺を信じろ!そしてルビーや…これは遊びじゃ無いからミスティとこのデザートでも食べてなさい」


「「デザート!?」」


「ささ、ルビーこちらで食べるのですよ!」


「あい〜♪」


2人は俺が渡したこの世界では珍しい、モンブランケーキを渡してあげた。


マリアさんからお土産で貰ったやつだけど、スキルだけじゃなく物もきちんとこっちに持ってこれてるのが不思議で仕方ないが、まぁそこは神様クオリティなのだろうな。うん…


と無理やり自分を納得させ、リリアの攻略へと意識を戻す。


するとデザートという言葉に反応したのか、こちらをチラッと見ていたリリアと目が合う。


だが、次の瞬間にはサッと目を逸らし、あろう事か木の影へと隠れてしまった。


行動が天敵に遭遇した小動物のようだ。可愛い



「リ、リリアさ〜ん?出ておいで〜?」


「……。」


完全沈黙。リリアは尸のようだ…


冗談はさておき、これ以上無視されるのも忍びないので、ここらで作戦を決行する。


「その名も、真・ヤシ○作戦!!」


テッ、テレッテテ、テレテレテレレ、テッテレッテレ〜♪……大丈夫かな?いきなり天誅とかされないよな?


まぁ、それはさておき…説明しよう!


真・ヤ○マ作戦とは、某アニメの偉大な作戦とは全く関係なく、ただの厨二病である!


まぁ、内容はというと、リリアは最近俺の作った唐揚げにハマってるらしく、この間もそれを真似て作ろうとして暗黒物質を作り上げてしまった位には好きなのだ。


だから、リリアのお弁当は唐揚げ多めにしておいたのだが、奴は唐揚げの亡者…道端に転がってる唐揚げにすら喰いつく、正真正銘の唐揚げハンターなのだっ!


「……?何か馬鹿にされてるような気が…」


「……。」


今度は俺が黙る番のようだな…相変わらずリリアは勘が鋭い…ここは慎重に行動しないとな…



「おっ、こんな所に野生の唐揚げ(?)が!?」


「野生の唐揚げ!?どこですか!?」


喰いついた…あとは罠へと誘い込むのみ!


「リリア!こっちだ!!」


俺はそう言うと、リリアの近くに出現させた唐揚げを砂埃が舞わないように気を使いつつ、繋いであった糸で俺の前まで手繰り寄せる。


「あぁ!?私の唐揚げが!ま、待ちなさい!」


唐揚げに飛び付いたリリアさん…目が獲物を見つけた肉食獣のようにギラギラと光っていた。


「や、やりました!ユウキさん見てください!野生の唐揚げを私が手に入れましたよ!」


「おぉ!やったなリリア!そして、もう逃さないぞ〜」


「あれ?そういえば私…」


リリアが気づいた時にはもう遅い、俺は最後の罠を発動させていたのだ。


リリアの手元から消えた唐揚げに気を取られた隙に思い切り抱きついてやる。


「唐揚げが!?ひゃぁっ!?ユウキさん!?」


「リリア…すまなかった…風魔法を使えることを黙っていて…実は最初から使えたんだ…」


「え…?そうだったのですか…?で、では…始め使えないと言っていたのは…」


「それは張り切ってるリリアが可愛くてついな…ちょっとそのまま見てたい気持ちが勝ったんだよね…」


「も、もぅ!可愛いって言ったからって許されると思ったら大間違いなんですよ!?で、でも…もっと言ってください!そしたら許すかもしれませんから」


俺の腕の中でもじもじデレデレしながら、もっと言って?と、小首を傾げ上目遣いで見つめてくるリリアに、俺は一瞬フリーズした。


可愛いすぎだろ馬鹿やろぉぉぉぉお!!!


心の中で海に向かい絶叫する俺は、心頭滅却!と自分の気を引き締め、リリアと目を合わせる。


すると…


「ダメ…ですか…?」


ダメなわけないだろぉぉぉお!!!


心頭滅却などしても意味など無かった。

俺の彼女まじで可愛くないですか?と気づいた時には架空の人物に問いかけていた。


「ダメじゃないよ?リリアは可愛い、それは間違いない真実だ!そして、そんなリリアが彼女な俺は幸せすぎて死んでしまうかもしれない…」


世の中の非リア充の殺意の篭った眼差しによって


「そ、それは大変です!で、でも私はユウキさんに可愛いってずっと思われたいです…うぅ、どうすればいいのぉ…」


いや、マジで尊い。何この生物、本当に俺と同じ人間なのか?


「よしよし、大丈夫だ…俺はそう簡単に死なないからな…いつまでも言い続けるさ!」


「本当ですか…?私がおばあちゃんになっても…?」


「あぁ!もちろん!…あれ?何か忘れているような…」


「ユウキさん…?」


「いや、なんでもないよ、気のせいか…?」


なんか忘れてることあるような…?と思った俺だったが、思い出せないしどうでも良いことだろうと忘れることにし、リリアにもミスティ達と同じモンブランを渡してあげる。


そして、2人と合流し4人でケーキに舌鼓を打ち、この後の動きを話し合うのであった。





「本当にあんなアホな作戦で、リリアと仲直りするなんて…マスターは天才なのです…?いや、この場合はリリアもアホなのかな?どちらにしろめでたしでよかったのです…」


「ユウキさーん!こっちには何もないですよー!崖になってましたー!」


「了解!気をつけて戻ってこいよー!」


あれから暫く森で創作を続けた俺たちだったが、行くところ行くところで進む道が無かったり、崖になってたりと、これ以上の探索は困難だと判断し、開けているところまで戻り、夜営の準備を始めていた。



「んじゃ、今日はここでキャンプして、明日は反対側を攻めてみるけど、何か意見ある人いる?」


「はい!」


「はい、リリアさん!」


「夕飯はカレーがいいです!」


真剣な顔で何を言うのかと思ったら夕飯の希望かよ!と、ずごーーっ!とこけそうになるのを耐えた俺は「わ、わかった」と何とか返事を振り絞ったのであった。


「ほ、他にありませんか…?」


「はい!」


「ミスティさんどうぞ!」


今度は大丈夫だろう、と思う俺の思いはすぐさま踏みにじられるのであった。


「今日も露天風呂に入りたいのです!」


もう俺は疲れたよ…じいちゃん…


ツッコミどころしか無い俺のパーティーメンバーに辟易した俺は、とうとう天国にいるであろう祖父に助けを求めるのであった。


「お〜?パパ〜?大丈夫〜?」


「ルビィ…俺の心の拠り所はルビーだけだよ…そうだ、ルビーは何かないかな?」


「ん〜とね〜、この前も〜きゃんぷした後に大変なことがおきたよね〜?だからね、もう少しぺいどっとの近くまで戻った方がいいと思うの〜」


「えっ、ルビーが一番まともな意見を…それに比べてこのアホ2人は…少しはルビーを見習ったらどうかな??」


「「うっ…な、何も言い返せない…」」


ルビーが言った事は確かに俺も考えていた懸念事項であったが、まさか3歳児から告げられるとは思いもしなかったな…


「確かにルビーの言った事は一理ある!けど今回は大丈夫だよ」


「お〜?なんで〜?」


「実は俺は転移魔法が使えるんだけど、泉の近くに転移スポットを設置してきたんだ!それさえあればいつでも何処にいても直ぐにペリドットに戻る事ができるんだ」


「えっ!?そんな事できたんですか!?」


「あれ?リリアは一回見てるだろ?」


確かアメジスティア城で、紅葉と雪姉から逃げる為に転移で逃げたと思ったんだけど…


「あっ!そういえばあの時使ってましたね!驚きよりもモミジさん達の対処で必死で忘れてました!……あの時逃げた事は一生恨みますからね…」


「ご、ごめん…ま、まぁよう言うわけだから心配すんなルビー?準備は万端だよ」


「お〜♪さすがパパ〜♪」


「ふふふ!そうだろうそうだろう!」


「まーた、マスターが調子に乗ってるのです…」



そんな他愛無い会話をしていると、完全に日が沈んだらしく、辺りが徐々に暗くなっていく。前回同様カレーに温泉…そしてリリア達との混浴(水着)イベントをやり過ごし、夜が更けていくのであった。




はい!こんにちわ!

前書きで言ってしまったので、あまり書くこともないので、次の更新のお知らせだけします!


明日は日曜日…てか連休なので日月火と1日2話ずつ更新して、今週で二章を終わらせます!


てことで、次の更新は明日の正午になります!

お楽しみに♪


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