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駄女神に信託を受けた俺、世界最強の流派で異世界を無双する!  作者: 雪月花
蠢く小鬼と囚われの妖精
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第46話 妖精の巫女

ごめんなさい!少し、てか普通に短いです!


詳細は後書きにて!



意識が戻っていた事がバレた俺は、みんなから散々怒られたり心配されたり抱きつかれたりと、もみくちゃにされていたのだが、ようやく解放されキリキリと痛む胃を労わりつつ、今度こそちゃんとした食事を取るのであった。



そして、夕飯を食べ終えた俺とルビーで温泉に入り、リリアがまたもや乱入して来ようとするのを防ぎ、疲れを癒した俺は明日から始まるであろう新たな戦いに身を引き締めている。



「風が気持ちいいな〜明日からどうなることやら…」




1人泉のほとりで風を浴びていると、こちらに近づいてくる気配を感じ、チラッとそちらを見やると珍しい事に、リリア達ではなく、妖精族の巫女であるサーシャであった。


「おや?珍しいお客さんですね…こんばんわサーシャさん」


「こ、こんばんわ…お一人ですか?」


「えぇ、1人で夜風を浴びたくなりまして…今後のことも考えたかったですし、あいつらといると思考能力が著しく低下する気がするんですよね…」


「そ、そうなのですか?えと、あ、改めてお話ししたくて…そ、その……」


「そんな緊張しないでください。俺とサーシャさんはそんなに歳変わらないでしょう?」




確かローズさんが言っていたサーシャさんの年齢は俺と同じだったはずだし…




「す、すみません!男性とお話しするのは苦手で…うぅ…」


「あぁ!そんな気にしないで!?俺も女の子と話すのは緊張するし、サーシャさんみたいな美少女なら尚更ね」


「び、美少女!?い、いえ…私なんてそんな…」



うーむ、これは重症だな…まぁ、こうやって少しずつ慣れさせていけばそのうち男と普通に話せる日が来るだろう…


それはそれでちょっと残念だけどね…





「まぁ、いいや!それでどうしたんですか?」


「その……こんなこと聞いていいかわからないのですが…ユウキさんは何故私たちに力を貸してくれるのですか…?」




なんだそんなことか…と何を言われるのかドキドキしていたのだが、お前なんて出ていけ!とかローズさんに近づくな!とか言われると思ってたから拍子抜けだな…




「こんな質問してくる子には敬語じゃなくていいよね?そんなわかり切ったことを聞いてくるなんて喧嘩売ってる?」


「えっ!?ち、違います!そんなつもりじゃ…ただ私にはわからないから…!それだけで…」


「ぶふっ…ごめんごめん冗談だよ?敬語で話すの疲れたから、口調を崩す理由が欲しかっただけだから」


「お、驚かせないでくださいっ!本気で怒らせたと思ったじゃないですか!」


「いや〜、悪いね?お詫びに質問には包み隠さず答えよう…まぁ、あまり深い意味はないんだけどさ…俺の祖父が常に言っていたんだよ」


「お爺さまが…?」


「あぁ、困っている人を見かけたら自分から手を差し伸べられる男になれ、そして男児たるものどんな逆境も跳ね除けて見せろってね…」




口癖のように言われ続けていた俺は、いつしかその言葉自体が俺の存在意義なのではないか?と思うようになっていた。


小さい頃の俺は素直だったからな…一種の擦り込みみたいなもんか?




「そ、それだけで死ぬかもしれない戦いに身を投じるのですか…?」


「それだけ?寧ろそれだけあれば充分じゃないかな?それに、もう一つこの国を救う理由はあるけど」


「それは…そうかもしれませんね…あれ?もう一つあるのですか?」


「うん、この国は綺麗だろう?俺はこの国が好きになったんだ。そして何よりもルビーやローズさんの笑顔を守りたい。男が命をかける理由なんてそんなもんじゃないかな?」


「……うらやましいです。ユウキさんほどの方にそう言ってもらえるローズさん達が…」


「ん?もちろんサーシャの事も守るぞ?こうして知り合ったからには絶対に守る。それが俺の信念であり、誓いだ」


「ふぇ!?あ、そ、その…それは…ごにょごにょ(私の事を好きって事…)?」


「え?ごめんなんて言ってるか聞き取れなかった…」


「い、いえ!なんでもないでしゅ!あうっ、噛みました…」


「ぶふっ!サーシャって面白い反応するよね?よく言われない?」


「そんなこと言われたことありませんが…」


「まぁ、気にしない気にしない!それともう遅いし早く帰りな?女の子がこんな時間まで彷徨いてるのは感心しないな〜」


「あれ、もうこんなに時間が経ってたんですね…そうですね、危ないですし帰ることにします」


「それがいいよ…送ってこうか?」


「いえ、それは大丈夫です。これ以上ユウキさんの時間を奪うわけには行かないので……。その、今日居なくなった中には私の妹も居るのです…どうか妹を見つけ出してくださいっ!お願いします…本当はこれが言いたかったんです…」


「そうだったんだね…うん、任せる!だからサーシャは、今日はゆっくり寝て英気を養う事に専念するんだぞ?」


「ありがとう…本当にありがとうございます…」


「気にすんな…んじゃ、おやすみ」


「はい…おやすみなさい」




そう言って来た道を引き返して行くサーシャの後ろ姿をぼーっと眺め、自宅に辿り着いたのを千里眼で確認した俺は、先ほどマリアさんと話していた内容を思い出す。




「サーシャ…妖精族の巫女…そして…」


その先の言葉は、突如として吹いた風により揺らされた木々の擦れる音によってかき消されたのであった。




〜〜sideサーシャ〜〜




ユウキさんと別れ、家に辿り着いた私は緊張が解け、玄関でへたり込んでしまった。


「はぅ〜〜、緊張したよぉ…」



何を隠そう私はユウキさんに一目惚れしてしまったのだ。



ローズさんからルビーちゃんが男の人を連れて帰ったと聞いた時は、まさか3歳になったばかりの子が…と信じていなかったのだが、国中の人達が話をしてるのを聞き、どんな人か気になっていた。



だけど私のこの性格では、一眼見ようにもこの国で暮らす男性とも顔を合わせるのが嫌で、ほぼ引きこもりの私なんて相手にされないんじゃ…?と思ったら勇気が出なかったのだ。


「うぅ…あんなにカッコいいなんてずるいよぉ…それに…竜から助けてくれた姿…物語の王子様みたいだったよぉ…はぁ…好き」



今まで男性と会話すらまともにできなかった少女がユウキと奇跡的に会話を成立させていたのは、どこか夢物語の主人公にユウキを当て嵌めていたおかげなのかもしれない。



「うぅ…私が先に出会いたかったなぁ…」



インドアな自分を呪うサーシャは、ユウキに妹の事をお願いできた事による安堵と、土竜との戦闘によって疲れていた為かベッドに入ると、ものの数秒で眠りにつくのであった。


「むにゃ…ラーニャ…必ず迎えに行くからね…」


必ずユウキと共に探し出す。


その強い意志のせいか否か、寝言で妹を迎えに行く。その言葉を聞いていた者は誰も居らず、ただただ夜が更けてゆく。




満月の夜…美しく輝く月は、ユウキの住んでいた世界と同じく確かに夜空からこの地を儚く照らしているのであった…






本日もお読みいただきありがとうございます!


前書きで言った通り、こちらで弁明を!


次話から話が大きく動き始める為、今回の話はキリのいいところで終わらせたかった。はい。それだけです!


ただ、次話からは逆にちょっと長めになると思います!大体28話で感覚で章を終わらそうと思ってたら、なんか終わらなくなりそうだったので…


まぁ、そんなこんなで次の更新は明日の正午になります!


この物語をよろしくお願い致します〜♪


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