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駄女神に信託を受けた俺、世界最強の流派で異世界を無双する!  作者: 雪月花
蠢く小鬼と囚われの妖精
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第45話 生還

本日もお読みいただきありがとうございます!




「良い仕事をしましたねユウキさん。では、話を続けましょうか」


「マリアさんもブレないですね?でも、ありがとうございます。結局妖精族とはなんなのでしょうか?」


「うぅ…チラッ…仲間に入れてよ…チラッ」


「うざいですね…」


隅で項垂れているイブを放置して話を戻す事にした俺たちは、チラチラ見てくるぼっち女神に背を向け、話を進める。


「ユウキさんの所持している…ミスティちゃんでしたか?その子も人の姿になれるでしょう?要するに妖精族は遥か昔に我々神族が創り上げた生物兵器…そのように思ってもらってよろしいでしょう…」


「生物兵器…?全くそのように見えませんが…寧ろ物騒な言葉が似つかわしく無い可愛らしい容姿なのですが…」


「まぁ、昔は今より殺伐としていましたからね…我々もなんとか人々に愛されるように試行錯誤した結果……あの子達が誕生したのです」


……どんだけ恐ろしい時代だったんだ?あの見た目の妖精族でも怪しまれるくらい殺伐としてたのだろうか…?つくづく平和な世界で暮らせることって、幸せなことなんだなと痛感する。


「兵器=武器だからミスティと同じような新装を展開する事ができたのですね…では、今を生きる妖精達もその力は受け継がれているのでしょうか…?」


「はい、ですがその力を宿している者は今のペリドットには3名しかいないのです」


「え?逆に3人もいるんですか?」


寧ろ危ないんじゃ?と思い、思わず聞き返してしまったが失礼だっただろうか?


「いえ、気にしないでくださいね?それでも多い方なんですよ?新装を扱えるものは生まれた時から決まっています。なので、後天的に授かるものでは無いので、こればかりは増やしたくても増えないし、減らしたくても減らない…そういう物なのです…」


「なるほど…でもおかしくないですか?運次第と言うのであれば0になる可能性もありますし、それこそマリアさんやあそこでいじけてるイブが操作することも可能なのでは…?」


「昔は可能でした…ですがある時を境に我々の管轄を離れてしまったのです…」


マリアさんの表情は何処か悩んでいる…そういった心苦しそうな感情を押し殺しているような気配が感じられた…もしや?と思った事を心の中で思っていてもどうせ分かるのだから、キチンと訊こうと思い声を絞り出す。


「……マリアさん?もしかして今の管轄は…邪神に取られてしまったのですか…?」


「……やはりわかりますよね…えぇ、その通りです…。あの子が邪神側になった時、我々から管轄を奪い去り、邪神落ちした神がいました…幸いにもその神は神話大戦の最中で消滅させられたのですが、死ぬ間際に別の邪神に全ての力を引き継いでいたのです…」


「厄介な…その邪神は今も生きながらえているという事はわかりましたが、では何故もっと新装持ちの妖精を増やし、邪神側に引き込まなかったのですか?」


「それは、ユウキさん達がこの世界に呼ばれた理由はなんでしたか?」


「あぁ、なるほど…そうゆうことですか…」


「えぇ、最近までそいつは封印されていた…だから妖精族を知る魔神族も少なく、悪用されることなく平和に暮らせていたのです…ですが…」


「邪神が復活しちゃったからね〜!それでヤバイと思った私がユウキきゅん達を私の世界に連れてきたってわけ!私もまだ年若い女神だから詳しい事は知らなかったけど、話を盗み聞してて、師匠がわざわざ出てきた事に納得できたよ!」


うおっ!いきなり話に入ってきやがった!


「相変わらず酷いねユウキきゅん!でも、そんなキミも愛おしく思えてしまうのはなんでだい?」


「さあ?Mなんじゃね?知らんけど」


「イブ?話の腰を折るようなら…ねぇ?わかるでしょう?」


「は、はい!師匠!大人しくするのでありますっ!」


「いい子ね?では、ユウキさん私の話はもう少しで終わるから、もうちょっと付き合ってくれるかしら?」


「わ、わかりました…」


あのイブが完全にビビってる…冷や汗だらだらで敬礼しているイブの姿は普段のふざけた様子から打って変わって、マジで怯えている。


過去に何があったのかめちゃくちゃ気になるし、弱みにしたいが藪蛇そうなので、好奇心は猫をも殺すと言うしやめておこう…


「うふふ♪後でこっそり教えてあげますよ?」


「い、いえ…大丈夫です、よ?」


そこから俺たちは30分ほどの時間をかけて、今後の話を詰めていったが、結局マリアさん達でも邪神の息の掛かっている者達の行動は把握できないらしく、これと言った助言は得られなかった。


「では、マリアさん…一応イブも…ありがとうございました!」


「いえいえ、こちらこそお話できてよかったです♪あの子達を頼みましたよ?それと、くれぐれも魔神族の動きには注意してくださいね?」


「ユウキきゅん!次来た時は覚えとけよっ!迎撃システム完成させて…阿保面拝んでやるからなっ!」


「それはこっちのセリフだろ?次はこんな顔しないで済むといいな?」


俺はハリセンでぶん殴った時や泣き喚いてる時の顔を写真として収めていた、イマジンリアリゼーションにより神器となっていたスマホを取り出し、イブに見せてやるのだった。


「なっ、なぁぁぁ!!何コレェェェ!?なんでこんな写真撮ってるの!?撮るならもっと可愛く撮ってよ!!」


「いや、それは面白くないだろ?お前はこのブサイクな写真だから面白いんじゃん?普段は面白みのかけらもない駄女神なんだから」


「ぐさって来た!?今結構傷付いたんだけど!」


「ははっ、そりゃよかった」


「いい写真ですね?あっ、私と連絡先交換しましょう?LIN○やってますか?」


「…え?やってますけど…マリアさんってスマホ持ってるんですか?女神様なのに…?」


「そりゃもちろん!スマホは偉大な発明ですよ?私はミーハーな女神ですので♪最近はこのゲームにハマっていて…課金が止まらなくて困ってしまいます…」


「えぇ…女神ってソシャゲやるんだ…寧ろ女神がソシャゲの題材になる事も多々あるのに…当の本人?本神?がやってると知ったら、開発者もひっくり返って、驚きすぎてそのまま死ぬんじゃないですか?」


「それは困りますね…このストーリーの続きが気になって仕方ないので!死んだら生き返しちゃいます…」


「なるほど、コレが俗に言う職権乱用って事ですね」


絶対違う。だが適当な事で聞き流さないと俺のメンタルがやられてしまうので、仕方ない事なのだ!


「では、今度こそユウキさんを元に戻しますので、しばらく胃の痛みに耐えてくださいね?では、健闘を祈ります!」


「うぅ…次は私もスマホ用意しとくから、私とも交換してよ!?絶対ね!?」


「はぁ…?まぁ、機会があればいいよ?機会があればね…マリアさんのお話はタメになりました!またお話聞かせてください」


「ちょっと!私と師匠で扱いの差がおかしくないかい!?」


「では、戻しまーす」


「あっ!ちょっと師匠まだ話の途ちゅ!!??」


その瞬間俺の意識は途絶えた。




---------------------------





「ユウキさん!?しっかりしてください!!」


徐々にはっきりしていく意識の中で、俺の身を案じるリリア達の声が聴こえてくる。


「マスターしっかりするのです!リリアの料理なんかに負けちゃ駄目なのです!」


「あなた!こんな所で死ぬなんて許さないわよ!まだ私の気持ちを伝えてすらいないのに死なないでよぉ…」


「パパ〜死んじゃやだよぉ〜?うえぇぇん…」


完全に覚醒した意識の中で聞こえる声は、まさに阿鼻叫喚…


俺は起き上がるタイミングを完全に逃してしまったのであった。




無理やり終わらせた感半端ないけど、女神会は終了です!

次の更新は明日の正午になります!


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