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駄女神に信託を受けた俺、世界最強の流派で異世界を無双する!  作者: 雪月花
蠢く小鬼と囚われの妖精
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第43話 昇天

本日3話目です!

まだ今日の投稿をお読みでない方は2話前に戻りましょう!




「ただいま〜♪」「戻りました〜」


「ルビー!あなた!お帰りなさい♪」


「ちょっとローズさん!?ユ、ユウキさんお帰りなさい!ちょっ、変わってくださいー!」


「マスターお帰りなのです…私はもう疲れた…のです…」


「ちょっ!ミスティ何があったの!?てか、ローズさん?顔近い近い!リリアも引っ張んないで!?」


俺とルビーが帰宅すると、いきなり抱きついてきたローズさんにドギマギしつつ、ミスティの様子がおかしいことに気付いた俺は、抱擁から逃れ、ミスティを抱き上げる。


「どうした!?何があったんだミスティ!!」


「マスター…リ、リリアが…」


「リリアが…?どうしたんだ!?」


「リリアが…この世のものとは思えない食べ物を作ろうとするのです…それを止めるのに疲れたのです…」


「……ダークマターか…確かに料理できない系女子の定番イベントだが…まさか本当に存在するとはっ!!相変わらず残念ですねリリアさん!!」


「ひ、酷いです!私だって作りたくて暗黒物質を作り上げたわけではないのです!!ちょっとアレンジに失敗しただけなんですからね?!」


ちょっとのアレンジで物質変換を起こせるリリアはある意味天才なのかもしれないな…と冷や汗を流す俺は、とりあえず適当に褒めておいて、この場をやり過ごすことに決める。


「リリア…できないことにチャレンジするのはいいことだ!この調子で頑張ろう!」


「ユ、ユウキさんっ!で、では私の心を込めて作ったこの料理を食べ『なんだこれ!?食べ物なのか!?』……棄てます…うぅ…。ユウキさんのバカ…」


くっ…仮にも彼女が作ってくれた料理を捨てさせていいのか俺!?覚悟を決めろ!!


「待て!貸せリリア!」


「えっ!?ちょっユウキさん正気ですか!?」


「マスター!?死ぬつもりですか!?」

「さ、流石のあなたでもまずいんじゃないかしら…?」

「パパ〜?死んじゃいやだよ〜」


「皆さん…ぐすんっ…」


身体強化スキルをフル活用し胃を強化しまくり、いざ参る!!


「い、いただきますっ!!もぐもぐ…ごくんっ」


「「「…あぁ、終わった…」」」


「ど、どうですか!?ユウキさん!」


リリアが感想を求めて来るが俺はそれどころじゃない…

くっ!?俺の身体強化は魔神の一撃すら無傷で凌げるんだぞ!?


身体の内側に取り込んだリリアの料理(?)が細胞を破壊し尽くそうと暴れまわる…


あっ、ダメかもしれない…


「…マスター?大丈夫ですか…?」


「………ひゅっ」


バタンッ…そこで俺の意識は途絶えた。


「マスタァァ!!!???」

「ユウキさん!?!?!?」





---------------------------




……あれ?ここは…?


見渡す限り広がる雲…これって前に来たあいつの住処か…?おっ、気配察知スキルも使えるようになってるな…てことは…居やがった!!


「ふっ…気配完全遮断…」


よし、ここで亜空間から取り出すのわこの時のために作っておいた神殺しを付与した伝説のハリセン!くっくっく…あの時の恨みを今ここで晴らす!!


(…あいつ何してんだ…?)


そこに居たのはテレビ画面の前であぐらを掻きながらコントローラーをガチャガチャやってるイブの姿であった。


「くっそ!この!!ここだっ!いよっしゃぁ!!ざまぁみやがれってんだ!!」


(あれスマ○ラか…?てか女神のくせに口悪すぎるだろ…大丈夫なのかあれで?)


もちろんダメである。

だが、お陰で獲物はこちらの気配に気付いていない…仕掛けるなら今がチャンス!!


その瞬間俺は全力でハリセンを振り抜く!!



「この!よし!コンボ決まったぜ!!ん?ゴハァァァ!!?なにごと!?」


「よお?久しぶりだなクソ女神!おかわりいるかい?」


「ユ、ユウキくん!?なんでここに!?てかおかわり!?」


「よし、次はホームラン狙って行くぞー!」


「ちょ!待って!シ、シールド展開!」


「効かん!!空の果てまで吹っ飛べや!!」


バリーン!!と俺の本気のスイングがイブの貼ったシールドを叩き割り、その勢いを止めることなくイブの横っ面に叩き込まれる。


「!?!?私の盾がそんなあっさり!?ぐはっ!!」


「ふぅ…いい仕事したぜ!」


完璧に芯を捉えた一振りにより、この世から悪は滅びたのであった。





                   〜〜完〜〜






「いや!勝手に終わらせないで!?」


「ちっ、もう戻ってきやがったのか…お久しぶりですね女神様お元気そうですね?」


「変わり身早いね!?君のおかげで今結構元気じゃなくなったけどね??」


はっはっは!相変わらずムカつくな!


「勝手にムカつかないでくれる!?」


ちっ、勝手に思考読むなよ…

「ちっ、勝手に思考読むなよ…」


「心の声がだだ漏れだけど!?」


「おっと、そいつは失礼しました。で、どうして俺はここにいるのでしょうか?」


「いや、寧ろそれは私の台詞だと思うんだけど?今回私は何も携わってないよ?」


「えぇ…じゃあなんで俺はここに…マジで死んだのか…?」


「いやいや、死んでたら流石に私が呼び出すから、ギリギリ死んではないんじゃないかな?」


じゃあなんで俺はこんなところに…?


はっ!なるほど…日頃の鬱憤を晴らす為に無意識でここまで辿り着いたのか!いや〜いい気分転換になりました!


「勝手に私でストレス発散しないでもらえるかな!?こーんなに可愛い女神様のことハリセンでぶって心は痛まないのかい!?」


「いえ、全く?寧ろ清々しい気分になれました。もう一発いいっすか?」


「よくない!私はバッティングマシーンじゃないから!?そんなポンポン打たれても困るよ!?」


女神のくせにケチだな〜

「女神のくせにケチだな〜」


「だから、心の声はせめて心で留めておいてくれる!?もうやだ…この子全然言うこと聞かないじゃん…」


「それはさておき、マジで謎ですね…用がないなら早く戻りたいんですけど…」


「スルーなんだ……私もスマブ○の続きしたいし早く帰ってほしいんだけどね?」


困ったな〜と2人で唸っていると、ユウキの側に発光体が現れる。


「なんだこれ?未確認飛行物体…?まさか!?UFOは実在したのか!?」


「えっ!?UFO!?本当に!?」


「いや、あんた女神なんだから幾らでも見れるんじゃ…」


そんな事を話していると、発光体は徐々に光を増し一気にパァーーッと光り輝いたと思ったその時、光の中から人の形をした何かが姿を現す。


「「UMA来たーーっ!?」」


マジか!!本当にUMAが!?ど、どうしよう!日本語通じるのか…?いや、何語でも大丈夫だ!瞬間記憶能力者の俺に隙は無い!古代言語でも創作言語でもなんでもこいや!いや、創作言語は無理だわ…


「え、ええっと…ユ、ユーマだぞ〜?」


「……?」


「ぎゃぁぁああ!!UMA喋った!キモい!無理!ブサイク!!モザイクかけてモザイク!!」


「……それ、お借りしても?」

「どうぞ」


「ありがとうございます…ふんっ!!」


「ぎゃぁぁああ!!UMA近づいてきた!ユウキくん逃げるんだって、え?」


え?と言う言葉を最後にイブは消えていった。


俺の目でも追えない勢いで打ち抜かれてたけど大丈夫か…?いくら女神でも死んだんじゃ…?


「いいハリセンですね?頂いてもよろしいでしょうか?」


「あっ、はい。どうぞ差し上げますが…あなたはいったい…」


「あぁ、申し遅れました。私はイブの先代の全能神です。名はマリアと言います。神格を受け継いだ時にマリア以外の名はイブに受け継いだので、今はただのマリアです、よろしくお願いしますね?」


「はぁ?よろしくお願いしますマリア様…俺はユウキ…西音寺ユウキです」



いきなり現れた謎の美女はまさかの女神であった…なるほど、この人は女神と言われても疑いなく受け入れられるな…駄女神と違って所作が全て神々しい…


「うふふ♪美女なんていつぶりに言われたかしら?ありがとうね?」


「いえ、本心ですのでお構いなく…ところで、そこに死に体で転がってる奴は放置でいいのでしょうか…?」


「えぇ、いいのです。このバカは死んでも治りませんので、このまま死ぬのを待ちましょう」


「……こんのクソババアめ!よくもやりぐはっ!!」


「うふふ♪余程死にたいらしいですね?」


復活したと思ったら、目にも止まらぬ速さでハリセンが炸裂し雲を突き破り、大地に向かって叩きつけられるイブの姿は、殺しても殺しても復活して来る奴にそっくりであった。



そう、言わずと知れたゴキ「それ以上は言わせないぞ!?ユウキくん!!」ちっ、復活が早いな…


ニコニコ笑顔でハリセンを撫でているマリアは、イブが戻った瞬間その笑みを消し、ゴミを見るような目でイブに一言。


「イブ?あなたお風呂入ってないでしょう?臭うわよ?」


「ぐはっ!」


会心の一撃、イブは死んだ。


こうして創造神は神格を失い、新たな神へと引き継がれることになったのでした。


めでたしめでたし。






次回の更新は、明後日…火曜日の正午になります!


突然のイブ回でした!次話も天界での話が続きます!

お楽しみに!


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