第42話 指切り
本日2話目になります!
1話目をまだの方はそちらからお読みください!
2020/9/13 16時頃に文章の変なところを修正しました!
「ふぅ〜温まるわね〜」
「ですね〜、……あれ?そういえばルビーちゃんはどこに…?」
「「「あっ…」」」
ここにきて大変な事に気づいてしまったリリア達は大いに慌てていた。
「そういえばずっといないのです!大変なのです!」
「ルビーちゃん…も、もしかしてルビーちゃんも拐われたのでは!?」
「もしそうだとしたらユウキさんに知らせないと!!そうだ!念話で伝えますね!」
「念話!?そんな事できるの!?是非お願いするわ…」
〜〜sideユウキ〜〜
「確かこの辺だったよな…?」
森を駆ける事10分弱、俺は先程魔神族と闘っていた地へと足を運んでいた。
「おっ、この傷…間違いないな…。だがあいつの死体は何処に行ったんだ?」
森に住む魔獣にでも食べられたか…?いや、しかし俺が打った矢も共に消えてるし流石に矢まで食う魔物なんていないだろうし…
俺が独り言をぶつぶつ呟いていると、何処からともなく声が聞こえてくる。
これはまさか!?やつか!?と臨戦態勢を取るとその声の主が姿を現した。
「ふわ〜、パパおはよ〜♪」
がしっ!と俺の頬にしがみつきながら自分の頬をすりすりしてくるルビーに、やっべ!ルビー置いてくんの忘れてた!!と焦る俺だった。
だが、声の主がルビーであった事に一先ずホッと胸を撫で、「あぁ、おはようルビー」と返事を返す。
「お〜?パパ?ママ達は何処にいうの〜?」
「あー、すまんルビー!今頃はリリア達と温泉に浸かってると思う…」
寝ぼけ眼を擦りながら、ローズ達が居ない事に気付いたルビーは、寝起きのため呂律の回らない舌ったらずな声で居場所を聞いてくる。可愛い。
「温泉…?ルビーもはいるよ〜♪パパ温泉行こ〜?」
「ごめんなルビー、今ちょっと調べ物してて…。…あれ?そういえばルビー達の国ってなんて名称なの…?」
「んみゅ〜?めいしょ〜ってな〜に〜?」
「ん?名称って言うのはね、ルビーの好きな温泉にも温泉って名前があるだろう?ルビー達の暮らしてる国にも名前があるんじゃないかな?ってことだよ」
「むむむ〜?ルビーの住んでるところはぺいどっとってゆーんだよ?パパ知らなかったの〜?」
「ぺいどっと…ペリドットか!知らなかった…妖精の里とか妖精の隠れ家とかそんな感じでしか認識してなかった…」
「えへへ〜♪パパでもしらないことあるんだね〜♪」
「あはは、そうだよ?だからもしわからないことあったらルビーに聞いても良いかい?」
「お〜♪いいよ〜♪パパはとくべつだよ〜?」
「ありがとう♪それじゃさっさと調べ物終わらせて、ペリドットに戻るぞー!」
「お〜♪」
10分ほどその場を調べ、これ以上の手がかりは見つかりそうもないな〜と空を仰いだ時、突然リリアから念話が繋がる。
(ユウキさん!!大変です!!)
(どうした!?リリア何があった!?)
(すみません!ルビーちゃんが居なくなってしまいました!今こちらでも捜索隊を結成中ですので、ユウキさんも探すの手伝ってください!!)
オーマイゴット!!やべぇ…なんか一大事になってる…。
(リリア…落ち着いて聞いてくれ…)
(はい…なんでしょう?はっ!まさか心当たりが!?何処なんですか!?)
(心当たりというか…そこにみんないるか?)
(えぇ、居ますよ?それが何か?)
(じゃあ、ローズさん達と手を繋いでくれないかな?)
(すみませんローズさん、何かユウキさんが手を繋いでとおっしゃるので…あっ、ユウキさん繋ぎましたよ?)
(もしもーし、ローズさん聞こえるかな?)
(す、すごい!これが念話なのね!えぇ、聞こえているわよ?)
(それでユウキさん?ルビーちゃんの居場所は…)
(ごめんごめん、ルビーならここにいるよ!ルビーおいで)
(お〜?パパどうしたの〜?)
(ルビー!)
(ルビーちゃん!?)
(この通りルビーは無事だから、今すぐ捜索隊は解散して大丈夫だぞ)
(ママ〜リリア〜ルビーはね〜パパとお散歩中なんだよ〜♪いいでしょ〜♪今度はママと3人でしたいの〜♪)
(あらあら、ルビーはパパのこと大好きなのね〜、なるほど確かにリリアさんの言う通り見たいね…ユウキさん?ルビーのこと頼みますね〜)
(もう!心配したんですよユウキさん!ルビーちゃん連れてくならそうと言っといてくださいよー!)
(すまんすまん、俺もすっかりルビーが昼寝してること忘れててさ…今から戻るからみんなに事情伝えておいてくれ!じゃあ切るぞ〜)
(ねんわ面白いね〜ばいば〜い♪)
(ちょっ!ユウキさん私の話はまっ…)
ブツん!とリリアの話を途中で打ち切り念話を解除する。
これ以上話してたらぐちぐち煩そうだし…どうせ後で文句言われるなら今聞く必要ないよね?
「さて、ルビー戻ろうか?飛ばすから胸ポケット入っててな〜?」
「は〜い♪ルビーは風になるの〜♪」
「よし!じゃあ、風になるか!」
そう言うと俺は空に飛び上がり、樹齢数百年という大樹を見下ろし、ルビーに話しかける。
「ルビー?見えるかい?あれがリリアの故郷のアメジスティア王国のお城だよ?」
「おーーーっ♪パパたかいたかい♪お城見える!でもよく見えないの…」
ルビー達妖精族は空を飛ぶことができるが、ここまでの高さまでは飛空できないとこの間ローズさんが言っていたので、いい体験になるかな?と思い空に飛び上がったが正解だったようだな
テンション上げ上げのルビーだったが、ここから見えるアメジスティア城は確かに普通な人から見たら小さく見えるだろう…
「どれどれ、今からルビーに俺のスキルを使うから、はっきり見えるようになるぞ〜?」
「ほんとうっ?!わ〜い♪うれしいの〜♪」
「あぁ、いくよ?エンチャント千里眼!これでよく見えるようになっただろ?」
「うひゃ〜っ!すごいすごいっ!パパすごいの〜♪お城がね?綺麗だよ〜♪でも、お家があまりないよ〜?なんで〜?」
「それはね?この前話した魔神族との闘いで無くなっちゃったんだ…でも、みんな生き生きとしてるだろう?」
「かわいそう…でも〜みんな楽しそうだね〜♪どうして〜?」
「それが生きてるってことなんだと思う」
「いきてる?ルビーわからないよ〜?むぅ〜」
「ごめんな?まだ難しいか!でも、ルビーが大きくなったらわかるようになるよ…」
「ほんと〜?うそついたらダメだよ〜?」
「あぁ、本当だとも!指切りしようか?」
「する!ゆびきりげんまん♪嘘ついたら蜂の巣にしてやる♪ゆびきった!やくそくだよ〜♪」
「あ、あぁ…と、ところでルビー?蜂の巣にしてやるってどういう事なのでしょうか…?」
「それはね〜?ママとリリアが〜、女に嘘つくような悪い男は風魔法で風穴開けていいのよ?って言っててね〜?ゆびきりするときはこう言うのよ?って言ってたんだよ〜?…だめだったの…?」
「そ、そうなんだ…全然ダメじゃないよ?寧ろ一理あるっていうか…でも、恐ろしいなマジで…」
あの2人には絶対に嘘をつくのはやめよう。
そう決意した俺は、「よ、よし!じゃあみんな心配してるしそろそろ行くぞ〜!」と気持ちを切り替え、このまま空を風のように飛翔し、ペリドットまで戻るのであった。
〜〜sideリリア〜〜
「……もぉぉおお!!ユウキさんのあほーーっ!!」
「ど、どうしたのですリリア!?いきなりマスターを罵倒して」
「聞いてください!!まだ話終わってないのに念話をブチっ!て切られたんです!私彼女ですよ!?酷くないですか!?」
なんだ、いつのもことか…と思ったミスティであったがコレを言ってしまっては、火に油を注ぐ結果になるだけなのです…と思い、「た、確かにそれは酷いのです!」と言うだけに抑えておいた。
「何をそんなに騒いでいるのかしら?もしかしてユウキさん達に何かあったの!?」
「い、いえ…そういうわけでは無くて……。なんでもないです…煩くしてすみませんでした…」
一人で騒いでるのが恥ずかしくなった私は、なんでもないの一言で片付け、ユウキさんがもう帰って来ると言っていた事を告げる。
「ユウキさんがもうお戻りになるみたいなので、私達は晩ご飯の支度でもしておきましょう!」
「あら?そうなの?…確かにもうこんな時間だものね…2人も手伝ってくれるかしら?」
「もちろんなのです!野菜切るのは任せて欲しいのです!」
「あらあら、すっかりお手伝いできるようになって偉いわね〜ミスティちゃんは」
「う、うぐっ…わ、私だってもう少しで野菜の皮くらいは剥けるようになりますもん!今日こそ指を切らずに剥ききります!!早くやりましょう!」
「うふふ、頼りにしてるわよ?じゃあ、準備しましょうか♪」
「はい!」「了解なのです!」
ユウキが戻るまでにリリアの野菜は原型を留めてるのかしら…?
一抹の不安を抱えるローズであったがやる気を見せているリリアにくすっと微笑み、先程の戦闘で壊れることなく無事に残っていた我が家へと走って行った2人を追いかけるのであった。
次の更新は、本日の22時頃を予定してます!
しばらくはバトルシーンの無い話が続くかなと思います〜




