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駄女神に信託を受けた俺、世界最強の流派で異世界を無双する!  作者: 雪月花
蠢く小鬼と囚われの妖精
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第41話 娘の思い

本日1話目になります!






「「えぇぇぇぇえ!!!???」」


見事にハモった絶叫が俺の鼓膜をこれでもかと震わすが、咄嗟にルビーの周りに防音結界を張ることですやすやと眠るルビーの寝顔は健在であった。


「ふ、2人ともルビーが起きちゃうでしょう?静かにしなさい!」


「「ご、ごめんなさい…じゃなくてっ!!」」


「あなた?魔神族と闘ったってどうゆうことかしら?」


「そうです!この森に魔神族が潜んでいたってことになるじゃないですか!」


「いや、まあ実際潜んでたんだろうけどね?とりあえず弓矢で頭打ち抜いて殺っといたから、もーまんたいですよ!」


俺は得意げにサムズアップし2人にキメ顔を披露するが、全く納得してない2人は俺の手を叩きどういう経緯で闘うことになったのかを根掘り葉掘り聞いてくる。完全にキメ顔スルーされんだけど…解せぬ…


「……ということがありまして、魔神族と闘った所存であります…で、そのぉ〜、そろそろ立ち上がってもよろ『ダメです』はいそうですか」


俺は成り行きを説明してる間正座させられていたのだが、どうやらまだ許しはもらえないらしい…


「無事だったから良かっただけで、魔神族はこの世の厄災そのものなんですよ!?」


「うんうん、ユウキさんはいつも危機感が足りませんからね、もっと言ってやってください!」


「いや、リリアもマスターの事をとやかく言える立場では無いと思うのです…」


「ナニカイイマシタ?」


「…何も言ってないのです!マスターが全て悪いのです!」


「ミスティさん!?酷い!!」


どうやら俺の味方は誰もいないらしい…うぅ…


「ところで結局のところ、その魔神族が土竜を成長させたのなら、今回の予知夢は外れたと考えていいのでしょうか?」


「そうね…難しいところだけど、あなたはどう思うのかしら?」


「その呼び方まだ続くんですね……俺としてはさっきまでの戦闘は前座でしかないと思ってます」


「えっ?じゃあユウキさんはまだ何かある…そうおっしゃるのですか…?」


「あぁ、リリアもおかしいと思わないか?何もないならこの泉で匿ってた妖精達はどこに行ったんだ?ローズさん達からわざわざ離れてこの地に向かったアリンさんもどこへ消えた?まだ何も解決してないだろ?」


「そうなのです!子供たちが心配なので…!早く見つけてあげたいのですよ…」


「ミスティちゃん…そうですね…私も仲良くなった方々が居なくなるのは嫌です!ユウキさん…どうにかならないのでしょうか…?」


「私からもお願いするわ。どうか私の大切な家族を探すのを手伝ってください…」


「お、お願いします!!」


ミスティ、リリア、ローズ、サーシャがそれぞれ俺に頭を下げてお願いをしてくる。


そんなことしなくとも俺の意思は既に決まってるんだけどな…まぁ、頼りにされるのは嫌な気分ではないかな?


「みんな頭を上げてくれ…俺たちは仲間だろ?そんなかしこまらなくていいよ?それに、もともと俺はお願いされなくとも勝手に探してたからね!」


「そ、それじゃあ…」


「ローズさん…お世話になった恩返しも兼ねて、この件は俺たちに任せておいてください!必ず連れて帰りますから!」


「ありがとう…本当にありがとうっ」


「うお!」「「あぁ!また!!」」


いきなり抱きついてきたローズさんを受け止めたけど、最近はスキンシップ過多であった為、なんとなく女の子に慣れてきたな…と苦手だった食べ物を克服したような気持ちになりつつ、今後の予定を考えるのであった。




その日の夕方…



「本当に一人で大丈夫ですか?せめてミスティちゃんどけでも…」


「いや、大丈夫だぞ?それにミスティはこの国の防衛に回って欲しいんだよね。それに、俺だけなら1時間もかからず帰ってこれるからさ」


「でも…私は心配なのです…」


「リリア…こっちおいで?」


「?はい?なんでしょうか?」


リリアが俺の指示に従い近づいて来たところで、いきなり抱き寄せる。


「ひゃあっ!ユ、ユウキさん!?」


いきなりの事でテンパったリリアが目を白黒させながら何事!?と驚いているのを無視して、耳元でそっと諭すように語りかける。


「リリア…俺が帰ってきたら今夜はリリアのことを教えてくれないか?俺の知らないリリアの全てを」


「え、えぇえ…?そ、それはどういう意味でしょうかっ!?」


「えっ?そのままの意味だけど?」


何故か余計顔を真っ赤にしてもじもじしだしたリリアに、あれ?予想してた反応と違うな?と思ったが、まぁとりあえずうやむやにできたしいっか!と思い見送りに来た人たちと一言二言会話して、「一刻で戻らなければ避難してください!では、行ってきまーす!」と結界を抜ける。



たった1時間離れるだけなのにこれ程まで見送りの人間が集まるとは思ってなかったけど、きっとみんな心配なんだろうな…


俺の身もそうだけど、俺が居ない間にまた良くない事が起きたらどうしよう?とそんな感じか…


「それにしても静かだな…魔物が森の奥に逃げ込んでるせいなのか…将又、嵐の前の静けさなのか…後者でも俺がいる限り誰も死なせないけどな!」


そう一人森の中で誓いを立て、なるべく早く戻ろう。そう思い地面をより強く蹴り、先を急ぐのであった。



〜〜sideリリア〜〜



一方でユウキが森を駆ける頃、リリア達はユウキが残していった温泉に浸かっていた。


「ふ〜極楽ですね〜」


「はい〜なのです〜」


「「はふ〜〜」」


二人は気の抜けた声を出し、完全に温泉を堪能していた。

こんな時でもここまでリラックスできるメンタルの強さは神すらも凌駕するかもしれない。


「あ、あなた達…よくそんなにまったりできるものね…」


「え?温泉ですよ?まったりどころか、全身溶けるくらいじゃないとダメですよー?」


「そうなのです〜ローズもサーシャも早く入るのですよ〜」


「あ、熱くないですか?火傷しないですよね?!」


なるほど、サーシャはお風呂が怖いのか…と思いリリアは「大丈夫ですよー?えいっ!」と風魔法をサーシャの背後で発動させ、無理やり温泉に飛び込ませる。


「ひゃぁぁぁああっ!!??あつ、熱…くない?」


「あら?サーシャが大丈夫なら私も入ろうかしら」


「ローズさん!?あんまりです!でも…これ気持ちいいですね…」


「あら、本当…温泉?と言ったかしら?疲れが抜けてくわね…」


「「「「はふ〜」」」」


今度は4人の気の抜けた声がハモり、薄暗くなった空を眺めながら、ガールズトークに花を咲かす。


「で、ローズさん?ユウキさんに惚れたんですか?」


「と、唐突ね!?……やはりそう思うかしら…?」


「そう思うも何もローズはマスターにデレデレなのです…好きじゃないと言われる方が違和感があるのです…」


「確かにそうですね…ローズさんとユウキ様はお似合いだと思います!」


「そ、そうかしら…?でも…ユウキさんはルビーが連れてきた男の子よ…?それを母親の私が取り上げるのは…ねぇ?」


「そうやってはぐらかしてないで素直になったらどうですか?ユウキさんの事好きじゃないんですか?」


「リ、リリアちゃん…?私は…その………好き、なのかもしれないわね…」


「は〜、まーたマスターの虜になる女の子が増えたのです…」


「いやでもまだかもしれないの段階だから気にしないでちょうだいね?」


「いやでも…じゃないですよ!好きでしょ絶対!!ユウキさんに撫でられてる時の顔!ルビーちゃんに見せられないような顔してましたよ!?」


「えぇ!?私そんなヤバイ顔してたかしら!?」


「もうヤバイ通り越して昇天しかけてましたけど!?今更取り繕っても気付いてないのはユウキさんぐらいですからね!?」


ユウキさんに撫でられてる時のローズさんはもうそれはそれは、気持ちよさそうに顔が緩んでデレデレでしたからね!?どれだけ私が変わって欲しかったか!


「いやでも…私は…ルビーが…」


「またそれですか…はっきり言いますけど、ルビーちゃんはユウキさんの事を恋人にする為に連れてきたわけじゃないと思いますよ?」


「え、それならどうして…?」


「最初からわかってるじゃないですか?ルビーちゃんはユウキさんの事をなんで呼んでるか忘れちゃったんですか?」


「それは…パパって呼んでるけど…私がふざけてパパって呼んだ時に、あの子パパはあげないって言ってたわよね…?」


はぁ〜、と私は思わずため息を吐いてしまう。


ユウキさんも女の子の気持ちに物凄く鈍感ですけど、ローズさんはローズさんで娘の気持ちに鈍感なのでしょうね…


「そ、れ、は!ローズさんがユウキさんをパパって呼んだら、ルビーちゃんにとってユウキさんはおじいちゃんになっちゃうからですよ!そもそもあの子はまだ3歳ですよ!?ローズさんがパパって呼んだ意味を理解できる歳じゃ無いんです!」


「!!?」


私の言葉に驚き固まるローズさんは、ようやく真実に気付いたのか、今までの娘の言動を振り返ってるのか、何かを思い出そうと必死…そんな様子であった。


「……確かにリリアちゃんの言う通りかもしれないわね…私ってバカね、娘の気持ちもきちんと理解してあげられなかったのだもの…」


「でも、気付けたんだからいいじゃないですか?」


「えぇ、そうね…でも、リリアちゃんはそれでいいのかしら?」


「はい?私はそもそもユウキさんを独り占めしようとは思ってませんからね?それにアメジスティアにはユウキさんの事を好いている方が最低でも二人居ますし、ユウキさんもその方達を好きみたいですし…」


「ふ〜ん、英雄色を好むと言うけども…そんなに彼は人気なのね…」


「そうなんですよ!聞いてください!」


そんなこんなで自分の気持ちと娘の気持ちを理解したローズは、リリアと共にユウキの良いところ、直して欲しいところなどを語り合っていた。


リリアとローズの修羅場に早々に巻き込まれぬよう退散していたミスティとサーシャは、ようやく過ぎ去った嵐にホッと胸を撫で下ろすのであった。



次の更新は本日15時になります!


そして、ようやくブクマ100件突破しました!

登録してくれた方ありがとうございます!この調子で皆さんに読んでいただけるよう精進してまいります!


今後もユウキの物語をよろしくお願い致します♪



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