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駄女神に信託を受けた俺、世界最強の流派で異世界を無双する!  作者: 雪月花
蠢く小鬼と囚われの妖精
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第31話 ルビーママ

少し短めです…






「あなた達は誰なのですか!?」


小鳥のさえずりと風が木々を揺らす音が支配する心地よい音色の中に響くルビーの母の悲鳴に近い声に小鳥達が慌ててその場を飛び立つ気配を感じる。


「お、落ち着いてください…わ、私たちは別に怪しいものではないです!」


「怪しい人はみんなそう言うんですよ!!」


「「確かに!」」


「そこ!納得しないで誤解を解くの手伝ってくださいよ!」


ルビーママの言葉に惑わされながらも誤解を解こうとしてるリリアを横目に、俺は至って冷静であった。


「ルビーのママさん!俺たちはルビーにママに紹介するからついて来てと言われてやってきました!あまりリリアを虐めないでもらえませんか?」


その瞬間、「あら?バレてたの?」とそれまで私怒ってます!といった様相だったルビーママは鳴りを潜め、ニコニコ笑顔に変わった。


「ごめんなさいね?娘が連れて来た人間さんをちょっと試してみたくて…リリアちゃんって言うのかしら?驚かせてしまったわね。」


「ま、まさか全部演技だったのですね…いえ、お気になさらないでください!」


「うふふ…とりあえずうちにいらっしゃい?ルビーもおもてなしの準備を手伝ってね?」


「は〜い♪おもてなしするの〜♪」


そう言い、案内されたのは普通に人間が暮らしていそうなツリーハウスであった。


何故、妖精族であるルビー達が、人間が余裕を持って暮らせる程広い家で過ごしてるの気になる。


「キレイなお家ですね〜ユウキさんとの新居はこういったお家も良さそうですね!どうですか?」


「そうだな〜……?って新居!?どゆこと!?」


「えっ?だってユウキさん私の左手の薬指に指輪嵌めてくれたじゃ無いですか?」


「いや、それはリリアが勝手に「はい?」いえ、嵌めました。でも、左手の薬指に指輪を嵌めたら何かあるんですか…?」


恐る恐る聞いた俺に、頬を赤く染めながらもじもじしてるリリアにちょっと可愛いな…と思いつつ嫌な汗をかく。


「薬指は婚約者にプロポーズする時に捧げる指輪を嵌める指ですよ?ユウキさんに指輪を嵌めてもらった私は、ユウキさんの婚約者ってことですよね???なのでいつ結婚しても大丈夫なように新居を考えておこうと思いまして。それと私は子どもが好きなのでいっぱい欲しいのですがユウキさんはどうですか?あっ!大家族となるとやっぱ広いお家は必要不可欠ですね!頑張ってお金稼いでお屋敷を建てましょう!それで新婚旅行は…」


「ス、ストーーップなのですっ!!!リリア!妄想が飛躍しすぎるなのです!!マスターの目が死んだ魚の目をしてるのです!!帰って来るです!マスターーーッ!」


俺がリリアの暴走に現実逃避してるとミスティに体を揺さぶられ現実に引き戻される。


…薄々感じてたけど、リリアってヤンデレ気質あるよね…そのうち俺刺されないかな…?


「うふふ…皆さん仲良しね〜?こちらこの森で取れた茶葉で入れた紅茶よ」


「あ、ありがとうござい…ま…す…?」


「えっと…誰なのです…?」


リリアとミスティの2人は、お茶を運んで来てくれた()()の女性を見て目を丸くしている。


かく言う俺はというと、あぁ…やっぱりなとどこか納得していた。


「あら?あなたは驚かないのね?」


「はい、なんとなくそうじゃ無いかとは思ってたので…ただ、内心結構驚いてますけどね?」


「ユ、ユウキさん?この方は一体…」


「うふふ…そういえば自己紹介がまだでしたね?私はルビーの母で妖精族の女王のアレキサンドラ・ローズです…気軽にローズママって呼んでね?」


パチンっとウインクしながら告げるローズママにリリアとミスティは「じょ、女王様(なのです)!?」と一瞬宙に浮くほど驚いていた。


「これは、女王陛下とは知らずご無礼を…私の名は西音寺ユウキと申します。アメジスティア王国にて勇者召喚された者の1人でございます。以後お見知り置きを…」


 胸に手を当て片膝を立て宣う俺に、「そんな他人行儀は嫌だわ?」と俺の手を取り立ち上がらせるローズママに送れてリリアとミスティも挨拶する。


「ミスティなのです!よろしくローズママさんなのです?」


「うふふ…素直ないい子ね〜ミスティちゃんは…こちらこそよろしくお願いするわね?」


「ミ、ミスティちゃん!?…こほんっ、…ローズ様…私はアメジスティア王国王女、アメジスティア・ユナ・リリアです…先程は無礼な発言申し訳ございませんでした…」


「あら?何処か気品のある素敵なお嬢さんだと思ってたらアメジスティアの王女様だったのね?リリアちゃんも私のことは気軽にローズママって呼んでね?」


「そ、そんな!!恐れ多いっ」


 リリアの堅い挨拶に困ったわね〜と頬に手を当てるローズママとの挨拶を終えた俺たちは、改めて椅子に座り直しルビーが持ってきたお菓子を摘みながら談笑する。


「あれ?結局ローズ様は何故人の姿になれるのですか…?ルビーちゃんはこんなにも可愛らしい姿なのに…」


「それには理由がちゃんとあるわよ?ルビーから何も聞いてない?」


「えっと…ルビーちゃんはぽわぽわしてて、あまり詳しい事は教えてもらえなかったかも…」


「あらまぁ…この子らしいわね…」


「はむはむ…はう?ふぁふぁ?ルビーほめられたの?」


「んー!まぁそんなとこかな?」


 俺の頭の上で小さく切り分けたマドレーヌを頬張っているルビーは、少しだけこぼしつつ、「わーい!」と頭の上で喜んでいる。


「では…どういった理由で…?」


「…それよりも面白い話をしましょう?…例えばだけど妖精族はね女しかいないのよ…」


「え…?ではどのように子孫を残すのでしょうか…?」


 頭の上にクエスチョンマークをいっぱい浮かべたリリアとミスティに、二マーッと悪戯するような悪い笑みを浮かべたルビーママにまた何か企んでるな?と気が気でないユウキであった。





次の投稿は明日か明後日の正午になります!


最近仕事で疲れてすぐ眠くなっちゃって執筆作業が思うように進みません…

なので土日でなるべく書き溜められるようにします!

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