表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
駄女神に信託を受けた俺、世界最強の流派で異世界を無双する!  作者: 雪月花
蠢く小鬼と囚われの妖精
32/244

第30話 揺らぎ

こんにちは!今日も読んで頂きありがとうございます!







食事を終えた俺たちはルビーの誘導で森の中を散策し、時折聞こえる冒険者の戦闘音に注意しつつ森を進む。



「おっ、リリア頼んだ〜」


「ウインドアロー!…やりました!」


前方に現れたゴブリンの群れにリリアの魔法が炸裂する。


1匹残らず頭を打ち抜き一撃で絶命させた風の槍は森の木々に当たり霧散する。


「相変わらず便利だな風魔法…俺も使おうかな〜」


「駄目です!ユウキさんが使ったら私の出番がなくなってしまいます!」


「そうなのです!私なんてこの森に入ってから薬草集めしかしてないのですっ!」


そうは言ってもな〜便利なんだもん風魔法…


敵を撃ち抜き終わった後に自分の意思で微風レベルの威力に変えて周りに被害が及ばないようにできるって最高に使い勝手良さそうじゃん?


「ルビーはパパが魔法使うところ見たいよ〜?」


「だよね?ほら、ルビーもこう言ってるしいいでしょ?」


「「ダメ!!」」


森に入って最初の戦闘をリリアに任せたところで風魔法の使いやすさを知り、試そうとするたびに2人から待ったがかかるのだ。


まぁ、俺も本気で使いたいわけではなく、リリアとミスティの反応が可愛いからついつい虐めたくなっちゃうだけなんだけどね?



むぅーっと口を膨らませてるリリアの頬を突き、ぷすーっと空気を抜いてあげる。

 

するとちょっと嬉しそうなリリアは「構ってくれてもダメなものはダメですからね!」とチラチラこちらを見てくる。


もっと構えってことか?と思い頭をポンポンしてから、ミスティにも同じ事をしてやる。


「お〜、パパ達は仲良しなの〜」


と、俺の頭に乗ってるルビーがぺちぺちと頭を叩いてくる。


くすぐったいんだけど…


「ところで、ルビーさんのお家までは後どれくらいで着くのですか?」


「ん〜?あとね〜……どれくらいかな〜?」


「…それを聞いてるのですが…まぁ、そのうち着くならいいです…」


これも今日何度目か分からなくなるほど繰り返したやりとりである。


寧ろ、森に入った時からこの調子なので早々に俺は情報収集を諦めた。



「リリア?あの木の実って食べれるかな?」


「はい?どれですか?」


俺はふと目に入った南国っぽい木から垂れ下がるバナナのような木の実を指差しながら聞く。


「あ〜、あれはそもそも木の実じゃないですよ?ちょっと見ててください」


それだけ言うと徐に取り出したジャーキーを木の実に向かって放り投げるリリア。


ジャーキーが木の実の近くまで迫った瞬間バナナだと思っていた部分が一瞬で裂け、ジャーキーに喰らい付いた。


「あれは、擬態系の魔物の一つでエビルバナンという魔物ですね…知らない若手の冒険者が何度か餌食になってると聞いた事があります…」


「餌食って…怖すぎるだろ…倒しとくか…リリアお願いできる?」


「はい!もちろんです!ウインドカッター!!」


リリアの魔法が敵を両断し、おー!とルビーが小さな手で拍手する音だけが静かに聞こえる。


「風魔法って最弱ってイメージあるけど、普通に強いよね?この世界に存在する属性の中でどれくらいの位置にあるの?」


「んーっとですね…風魔法は使い手が少ないのでそんなに強いと世間一般では思われてないと思いますよ?」


「そうなのです?リリアは充分強いと思うのですよ?」


「えへへ…ちょっと照れますね…えっと、魔法の中で最強だと言われてるのは聖属性ですね…」


「あー、まあ確かに強そうだよね」


「はい…元々聖属性の魔法は回復魔法や、それこそ勇者様が使われる魔法などがそうなりますね」


ミスティがなるほど確かに!とユウキを見ながら納得する。

確かに最後に邪神を倒した技は聖属性魔法を纏った俺の剣であった。


「確かに邪神を倒した時は雷魔法とか全然効かなかったもんな〜あれは参ったよ…」


とこんな話をしてる中、ルビーは先程上げた猫じゃらしを振り回しながら歌を口ずさんでいた。


呑気だな〜とちょっと呆れつつ、ルビーの可愛らしい歌声に耳を傾ける。







 そしてそこから更に奥へと向かって進んで来た俺たちは、ルビーの「ここでストップだよ〜」という言葉で立ち止まっていた。


「ん?ルビー?此処には何も無いけど…」


キョロキョロと周りを見渡してみたが、先程までと変わらない景色がその先に続いているだけであった。


「違うよ〜此処であってるよ〜?」


何かあるのか?と思い気配察知に極限まで集中する。


すると…目の前に空間の揺らぎがあることに気付いた俺は意を決してそこに飛び込む。


突如として消えた俺とルビーに、リリアとミスティが「ユウキさん!?」「マスター!?」と外で慌てている声が聞こえてくる。


飛び込んだ先に広がっている光景に一瞬目を奪われたが、この感動を2人とも共有しようと2人の手を掴みこちら側に引き込む。


わっ!と驚きながら飛び込んで来た2人は、ユウキに文句を言おうと顔を上げると、そこに広がっていたのは、とても幻想的な光景であった。



そこに広がっていたのは、色とりどりの花々が咲き誇る美しい森の中を妖精が飛び交う様は、まさに妖精の森と呼ばれるにふさわしい光景であった。



鍵の隙間から差し込む優しい木漏れ日にキラキラと妖精達の羽が輝き、心地よい風が草花を揺らす。



どこか落ち着く光景にしばし目を奪われていた3人だったが、ルビーに「こっちだよ〜?」という言葉で我に返り、すごいな…と周りを見渡す。



すると妖精達もユウキ達の存在に驚いたのか、一瞬で姿を隠してしまった。



「はぅ…妖精さん達がいなくなっちゃったのです…」


「妖精族はね〜恥ずかしがりなんだよ〜?」


「ミスティ落ち込まない落ち込まない!そのうち顔出してくれるさ!それよりルビーのお家に案内してくれるかい?」



「はいパパ〜、こっちだよ〜」


猫じゃらしをこっち!とふりふりして誘導してくれるルビーはご機嫌なのであった。




そして…




「あっ、ママだ〜ただいま〜♪」


「ルビー!?どこ行ってたの!心配したのよ…って人間!?なんで此処に人間が入ってきてるの!?」



と、最初はルビーの事が心配!といった様子のママさんであったが、俺たちの姿を認識すると、目を丸くして驚いている。




なんとなく嫌な予感がした俺は、小さくまた厄介ごとか…?とため息を吐いたのであった。







次回の更新は明日の正午になります。


そして、幕間を投稿し忘れていた事に気づきましたので、日曜日に幕間を割り込みますので、どうかそちらもご覧下さい!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ