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駄女神に信託を受けた俺、世界最強の流派で異世界を無双する!  作者: 雪月花
闇に染まった王国と幻想郷の再建
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第24話 眠れぬ王都 ①

1章終わるまで毎日更新します!


今週中には一章のエピローグを投稿できるかな?と考えてますが、まだまだ終わりそうにない…




いきなり現れたソレに人々が茫然と立ち竦む。



消え去った白亜の城の代わりに現れたソレは、あぁ…あれが悪魔なんだな…と腑に落ちる姿をしていた。





突如として産声を上げた悪魔に耳を塞ぎ、地に這いつくばりながら、ガクガクと震えていた王都の民は、アメジスティア城のあった場所の空から何かガラスのような物が割れる音が聞こえ、キラキラと何かが降り注いでいた。




言わずと知れたユウキが張っていた結界が割れた事で発生した現象なのだが、その事を知らない者達は、後に世界が崩壊していくように見えたと語った。





悪魔が産まれたその地では、ユウキによる攻撃が開始されようとしている所だった。




「我は雷を纏いて願う!!この世の全てを置き去りにする速さを!!雷光発動ッ…!」



俺は走りながら詠唱を完了し雷光を発動させ、全ての音を置き去りにする。


一瞬で悪魔の眼前に飛び上がり必殺の一撃を叩き込む。



「西音寺流二刀流術 奥伝 雷光乱舞!!!」



俺が二刀流の奥義を叩き込むと、それに続くようにドガァァァンと雷鳴が轟き悪魔を直撃する。



今の一撃で30以上連撃を1秒足らずの間に叩き込んだのだが、煙が晴れ再び姿を現した悪魔は、傷一つ付いていなかった。



チッ!!こいつ硬すぎるだろ!今ので無傷はヤバイって!心折れそう…



と、そこに悪魔からの反撃が襲い掛かる。



悪魔の口元に浮かび上がった特大の魔法陣が目に入った俺は、再びチッと舌打ちをし防御に全力を注ぐ。



「我は願う、我が護は個で有らず、全を護誓の盾を今此処に!!顕現せよ!アイギス!」



詠唱を一瞬で終わらし、目の前に展開された自在の盾は、先ほどまで使っていた自在の盾とは全く異なる神々しい光を放っていた。


先程リリアや紅葉達のついでにギャラリーを護らせていた物は言わば紛い物であった。




詠唱を完全に行う事で、この盾の真価が発揮される。





その能力は…



魔法の完全無効化であった。




次の瞬間、悪魔の口から発動された極大魔法の数倍の威力を持つ一撃を盾に魔力を流し込み、空中で消し止めることに成功する。




だが、しかしそれを察知していたのか、魔法が消し飛ばされた瞬間を狙って、悪魔の巨大な拳がユウキの目前に迫っていた。



やば!!と思った時にはユウキは盾ごと殴り飛ばされ、リリア達のいる方へ吹き飛ばされる。




ドォォォオンッ…とクレータを作りあげたユウキに我を失い駆け寄ったリリアは涙を堪えきれずにユウキの姿を探す。




リリアの目に飛び込んできたのは、これまた無傷のユウキの姿であった。



ほっ…と安堵するのも束の間、「ユ…ラピスさん!!大丈夫ですか!?」と一瞬ユウキと呼びそうになったのを堪え、ラピスと言い直しながらユウキに駆け寄る。



「痛たたた…結構効いたな今のは…あれ?リリア?あー、こっちに吹き飛ばされてたのか僕は…一瞬肋が折れてたけど、もう治したから大丈夫だよ!」



「そ、それは本当に大丈夫なのでしょうか…?はっ!そ、それよりも私に手伝えることは何かありませんか?!」




それよりもってちょっと悲しいかも…と少し落ち込んだユウキだったが、リリアにやって欲しい事があった為、すぐにそれを伝える。




「リリアは王都の民を避難させてくれないかな?このままだと邪魔が多くて戦い辛くて…お願いできないかな?」



「そんなのお安い御用です!お父様達にも手伝わせて速やかに避難させてみせます!」



「頼んだよ?しばらくは相手を引きつける動きをするから、その間に頼んだ…」

「ちょっと待ってくれ」



と、そこで2人の会話に割り込む者が1人現れる。



「俺もその囮役に志願しよう」



ユウキとリリアの目線の先に佇んでいたのは、王国最強の騎士…アウリムの姿であった



「いいの?王国最強が共闘してくれるのは助かるけど、あっちの護りを堅めなくて大丈夫?」



ユウキにとってアウリムの申し出は悪く無い提案ではあったのだが、そのせいで紅葉や雪の身を危険に晒すのは避けたかった。



なので、大丈夫か?と問うたのはエギルの為などでは無く、自分の大切な人達を他の奴らで護りきれるのか?とユウキの真意はこうであった。



だがしかし、アウリムはエギルの事だと解釈し、見上げた忠誠心だ!と心の中で称賛を送っていたのだが、今はどうでもいい事なので割愛する。




「ラピス殿だったな?貴殿の強さには脱帽するが、俺もこの国最強と言われてるからな、ここでそそくさと陛下を理由に王国の危機から逃亡しては、王国最強の名が廃る…そう思わないか?」


ニヤリ、と口元を歪ませて、どうだ?これ以上の理由はないだろう?と自信満々なアウリムの姿に、コイツも脳筋だったか…思うユウキだったが、完全にブーメランであることには、気づいていなかった。




「はぁ…勝手にすれば?僕はもう少し王女さまと話したいことあるから、先に闘っててくれるかな?」



「ふむ…良かろう!先に暴れておく!」


そう告げた瞬間、風のようにその場から去って行くアウリムを目で追いかけながら、王国最強の名は伊達では無いわ〜と、何処かこの場に似つかわしくない感想を覚えるユウキであった。




「あの…それで話というのは…?」



「あぁ、リリアにコレを渡したくて!はい!コレを指にはめて見て?」



「ゆ、指輪ですか!?も、もしかして婚約…ごにょごにょ…」


「ん?最後の方聞き取れなかったけど、その指輪は何処に嵌めてもピッタリと指のサイズに合うように作ったから、早くはめてみて?」



「は、はい…それでは…」


と徐に左手の薬指に指輪をはめるリリアに、あれ?そこの指って…と冷や汗を流すユウキだったが、深い事は考えず、この世界では違うよな?と思うことにして、指輪の能力の話を始める。




「その指輪には王都全体の生態反応を感知するスキルをエンチャントしてあるんだけど、わかる?」



「こ、これはすごいですね…頭の中に王都の全体図が浮かび上がって、青い丸?が動き回っています…もしかしてこれが…?」


「そう、その青い丸が生きている人達の反応になるよ…逆に赤い丸は敵の印だから気をつけて?それと簡易的にだけど、アイギスを発動できる術式を加えておいたから、危ないと思った時はすぐに使ってね?」



「わ、わかりました…避難が完了した時に何か合図で知らせますね!」


「いや、それは大丈夫、ちょっと失礼」


「えっ…?」



徐にリリアに顎クイをし、上を向かせた俺はリリアの額に優しくキスをする。



突然の事態に固まっていたリリアだったが、徐々に自分が何をされたのか理解したのか…顔を茹でだこのように真っ赤に染め、「な、なななっ!」と目を回すのであった。



「リリア?ごめん、嫌だったかな…」


ユウキのしゅん…としてしまった姿に、我を取り戻したリリアは慌てて否定の言葉を告げる。



「そんなことはありません!!寧ろ凄く嬉しくて、でもなんで口じゃないの!と少し不満に思ったのも事実で!とにかく嫌じゃないです!」



うっかり漏れてしまったリリアの欲望丸出しの不満に、口をひくつかせながら、自分がした行為に気恥ずかしさを覚えた俺は「よ、よかった」とだけ返し、んんっ!と咳払いをし説明を続けることにした。



「そ、それでだけど今のキスでリリアと僕は何処にいても念話ができるようになったよ」


「えっ…?本当ですか?」


「もちろん、試しにリリアから俺に話しかけてみて?」


「わ、わかりました!やってみます!」



緊張してるのか、少し鼻息の荒くなったリリアは、ふんすっ!と気合いを入れて念話を試みる。



すると…



(…ん!ユウキさん!!聞こえますか…?)


(おっ、どうやら成功したみたいだな。もちろん聞こえてるよ)







その後少しだけ練習に付き合い、リリアを送り出したユウキは、改めて悪魔の姿を確認する。



(さっきは咄嗟に斬りかかったからよく見てなかったけど、改めて見るとエゲツない魔力を秘めてるなコイツ…ミスティから見てどう思う?)


(…私を差し置いて、リリアにキスするマスターなんて知らないのです!ふんっだ!)



完全に拗ねてしまってるミスティさん…こんな時でも考えてる事は羨ましいのです!という雑念なのであった。



(ごめんごめん、この闘いが終わった後にミスティにもするから今は我慢して?)


(約束するです?)


あぁ、もちろん!というユウキに今は武器状態の為見えなかったが、ミスティはニヤリと悪い笑みを浮かべていた。


言質…取ったのです!!と無人島芸人宛らの取ったどぉぉ!!と雄叫びを上げる勢いで、狂喜乱舞していた。






そんなこんなで2人の話し合いは終わり、一人で時間稼ぎをしていたアウリムの側に駆け寄り「変わって!少し休んでて!」と告げアウリムを下がらせる。




「さて、リリア達の避難が終わるまで我慢比べといこうか!!」



それだけ言うと、黒雷を瞬時に発動させた俺は思考回路の全てをこの悪魔に切り替え、攻撃を全て往なしきる。





「西音寺流二刀流術 守護の型 奥伝…八咫鏡…」




無駄な動きを無くし極限まで集中力を高めた時に初めて使えるようになる、西音寺流において最も難易度の高い技…それが八咫鏡という奥義であった。




敵の動きを全て見切り、一撃一撃を完璧に受け流すその様は、踊りのようにも見える程芸術的であった。




瓦礫の影からその姿を見ていたアウリムは、武人の到達点とも思えるユウキの動きに感服していた。あの子には絶対に敵わないと。




それから5分程悪魔の猛攻を防ぎ切ったユウキに、息を整えたアウリムの声が届き、その場から離脱する。



ユウキの動きが静を極めた動きであるならば、アウリムのそれは正しく動の頂点に立てる程、荒々しくも研ぎ澄まされた武技を披露していた。





これならまだ持ち堪えられそうだな…と安堵した俺は空間把握能力である王者の領域(キングダムフィールド)を発動し、リリア達の動きを確認する。



順調に俺が先程示した避難場所に集まり始めている王国民の姿を確認したユウキはようやく一息つく事ができた。



いくら魔力量が桁外れであっても、度重なる激戦の影響が出てきた俺は魔力回復薬を飲み魔力を回復させる。



体力を回復させる為に、持ち歩いていた携帯食料に齧り付きもきゅもきゅと咀嚼しながら、先程思い至った悪魔の正体について考える。




あの化け物は間違いなくアールだな…さっき鑑定で確認したところ、ステータスにアール(闇落ち)と出ていたし、奴は魔人族だった…で、あるなら…さっき王城で読んだ文献の状態に当て嵌まるからな…




ユウキとミスティが冒険した城の内部で書庫と思しき場所にたどり着いた2人は、魔人族関連の書物が眠ってないか探し、見つけ出していた。




そこに書かれてた内容では、アールの肉体…というよりも魔人族は生まれた瞬間から邪神の因子が埋め込まれているらしい。




それが開花する条件はただ一つ…




邪神への裏切りであった。


即ちアールは、あの結界の中で後悔し邪神の敵に回ろうと決意したのだろう。





そして、その決意が自らの身体を触媒にし、邪神の子を産み落とす事になる等、アールは夢にも思っていなかったであろう…




あれは悪魔では無く…このまま放置していればやがて邪神となり、この世界を滅ぼす存在である事を理解していたユウキは…この世界に来て1週間しないうちにコレかよ!クソ女神!!と女神であるイブの事を罵倒していたのであった。










なんかあんまり闘ってない気がする…


リリアとイチャついただけの話な気がしてならない…

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