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駄女神に信託を受けた俺、世界最強の流派で異世界を無双する!  作者: 雪月花
第5章 魔王との出会いは平穏な日々の終わり
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第235話 異世界の食文化

昨日は疲れちゃって更新できませんでした…


今日はもう1話夜に更新します〜!

 





「ふんふふんふ〜ん♪」


 ポセイディアの観光名所を巡る俺たちは、リリアのご機嫌な鼻歌を聴きながらレストランの行列に並んでいた。


 何故リリアがこんなにもご機嫌なのかは、無事やり切ったとだけ言っておこう。



「ミュウラのおすすめと聞いて来たけど、ここって何でこんなに人気なんだ?」


「ここはやね、遥か昔に勇者から伝えられたパスタっちゅー麺類のお店やねん!手頃な値段で食べれて、勿論味も一級品!ってなわけで毎日お昼時は長蛇の列になっとるんやで」


「パスタか…ふむ…」



 確かにパスタは美味い。

 俺も元の世界にいた頃は良く作ってたっけなぁ…



 そういえば、この世界に来てからパスタなんて食べてなかったな…よし、作るか!



「パスタってどっかで買えるのか?」


「確かこの店で買えるはずやで?なんや、ユウキはん自分で作るつもりかいな?」


「その通りだ。ここで買えるなら食べて見て良さげだったら少し買って買えるかな」


「パスタ!!良いわね!しかもユウキが作るなら間違いなく美味しいし!」


「楽しみだねお姉ちゃん!」


「先輩の作ったパスタは最高に美味しいですからね…じゅる…今からよだれが止まりません…!」



 後輩よ…気に入ってくれてるのは嬉しいが……



 しかもこの店で食べる前からそんな期待してると……まぁ、黙っとくか…



「ん、お兄ちゃんパスタって何?」

「ルビーも知らないよ〜?」

「私も知らない!」

「僕も!」


 森暮らしだったリンが知らないのも無理はないがルビー達も知らないのは意外だな。


「ローズ達は知ってるか?」


「んー、ペリドットには無いわね。古い書物の中で名前だけ聞いたことあるわね」


「私は一度食べたことあります!と言っても美味しかったかと聞かれると、うぅん…って感じですが…」


「リルは食べた事無いけど知ってます!」



 ふむふむ…なるほどなぁ…



 これ程の長蛇が毎日できるくらいなら初めて食べる組は美味しく食べれる事は間違いないな。


「ミュウラ?パスタって魔族の主食だったりするのか?」


「おっ!よお気づいたな!そうやで!普通に魔族領ではパンなんかよりもパスタの方が食べられとるんや!」


「そしたら米なんて食べないだろ?」


「米かぁ…そうやな…あまり食べへんなぁ…」



 確か魔族領は四季が無く、湿度が年間通して低かったはず…


 この辺りは水の都と呼ばれるだけあって乾燥してるわけでは無いが、態々米を作らずとも小麦があれば何とかなるしな…


 逆に四季のある人族が暮らす場所では日本のように米が主流なんだろうなぁ…


 と言ってもそれが伝えられ広まったのは、きっと遥か昔に召喚された勇者のおかげだろう。


 この世界に来てストレス無く暮らせていたのは、米が普通に手に入ったからだろうからな。


 アメジスティア城で暮らす紅葉達も米が無ければもっとモチベーションは低かっただろう。


 まぁ、それでも日本に居た頃の米のが美味かったが……そして今は屋敷で米を育ててるからもっと美味いご飯が食べられるだろう。



「いやぁ〜夢が広がりますなぁ〜」


「マスター?いきなりどうしたのです?」


「いや、なんでもないってか…ミスティはパスタを知ってるのか?さっき何も言ってなかったが…」


「勿論知ってるのです!この前通った村のおばあちゃんからご馳走してもらったのです!美味しかったですよ?」


「……見知らぬおばあちゃん…ウチの食いしん坊がすみません…」



 俺はミスティが迷惑かけた事を申し訳なく思い、思わず村の方角を見ながら頭を下げてしまった。


 そういえば…村で夕飯を食べる時、ミスティが村内をプラプラしてる時はおかわりして無かったが…もしかして食い荒らしてたのでは…?


「ミュウラ、帰ってまた村通るのか?」


「ん?いいや?この後ダミルの街に行って、魔王様に挨拶もするし、しばらく戻らへんで?それに帰りは自分家までゲート使うし」


「だよなぁ……ミュウラ、今度村に配給に行く時あったら言ってくれ…お詫びに保存の効く食料を大量に持ってくから…」


「……了解や」



 俺の気持ちを察してくれたのだろう。俺と同じように遠い目をしながら承諾してくれた。



「…?2人ともなんでそんな顔してるのです?」


「「誰のせいだと思ってるんだ(や)!!」」


「私のせいなのです!?」



 ったく…本当にミスティは世話が焼けるな…



「あ、ユウキさん!次みたいですよ!」


「おっと、考え事してたらもう次か…」


「この世界に来てからパスタなんて食べてないから楽しみね!何にしようかしら〜」


「私はトマト系が良いな〜」


「ん?トマト系ってなんや?」


「「「「え?」」」」



 え、嘘だろ?トマト系のパスタが無いって…嘘だろ?


「え、え、え?ミュウラさん?トマトってわかりますよね?」


「勿論やひまりちゃん!あの赤い実のやつやろ?」


「よかった…トマトは知ってるんですね…」


「知っとるけどパスタには使ってへんで?」


「何故…パスタといえばトマトは外せないだろ…」


「そうなん?そもそも魔族領でトマトはあんまり食べられへんで?」



 えぇ……って事は確実にトマトのパスタなんてこの店には無いじゃん!!



「逆になんのパスタならあるのよ…」


「ウチがこの前食べたのはバターをたっぷり使ったやつやな!」



「「「「さっぱりしたのは無いのかな…?」」」」



 こりゃ、夜にでも3人からパスタを作れとせがまれそうだな…俺もトマトのさっぱりしたのが食べたいから別にいいんだけども。



「お客様〜此方へどうぞ!お連れ様がお待ちですので、個室にお通ししますね!」


「おぅ!ねぇちゃんありがとな!ほら、ユウキはん達行くで!」



「「「「はーい…」」」」



 ……あれ?今お連れ様とか言ってたような…?



「…ローズさん?なんでユウキさん達は元気なくなってるんですかね?」


「…さぁ?私は初めて食べるからなんでも良いのだけど…4人は食べ慣れてるみたいだし食べたいのがあったんじゃ無いかしら?」


「……ところでフェイトさんはどこに行ったのでしょうか?」


「…あれ?そういえば居ないわね…何か嫌な予感がするわね…」




 店員さんの発言を聞き間違いか?と思いつつ溜息を吐きながら入店するのは失礼すぎるので、気を引き締める俺だったが、リリアとローズの会話で気づいたが確かにフェイトが居ない。



 2人が言うように嫌な予感がしてマップで調べてみると何故か店内にフェイトの反応があるのだが…それにもう一つ反応が……



「おぉ!お前達こっちだぞ!」


「ご主人様、先に味見をしておいたのですが中々美味でした」


「2人とも…何してんのマジで…」



 何故か俺達の通された個室で寛ぐ2人の姿が目に入る。



「お前達と別れてすぐ並んで個室を取っといたんだが連絡手段が無いのを忘れててな!」


「私は並んでる途中にダミル様の気配を察知したので、変な物をご主人様に食べさせるわけにも行きませんので、先に味見しようと思いついたのです」



「はぁ…自由奔放にも程があるわよ…?」


「まぁまぁ、ダミルが個室取っておいてくれなければ暫く待たされてたかもしれへんで?気にせず食べようや!」



 確かにこの人数で食事となると待たされてもおかしく無いか…



「そういうことにしておくか…ダミル殿、ありがとうございます」


「気にするな!それよりもお前さんらも早く座って注文した方がいいぞ!」



 とにかく腹が減ってることに変わりはないしな!



「よし!みんな好きなの頼んで良いからな〜!」



 とりあえず俺は1番真ん中の席に座る。



「ご主人様の膝の上げっちゅー!」


「あっ!シロナずるい!」


「パパ取られちゃった〜」


「リルは隣に座ります!」


「あっ!私もそうするのです!」



 椅子取り合戦ならぬ俺の膝取り合戦に勝利したシロナが俺に寄りかかりながらメニューを眺め、両隣りを勝ち取ったリルとミスティも一緒にそのメニューを見て、瞳を輝かせている。


「あらあら、ルビー負けちゃったわね」


「むー、ママ一緒に食べよ?」


「勿論良いわよ?いらっしゃい」


 ルビーはどうやらローズの膝の上に収まったようだ…


 毎回食事になると場所取り合戦が始まる為、俺が1番先に座るようにしてるんだけど、リリア達はチミっ子達に遠慮してるのか、その戦いに参加しようとはしない。


 ……まぁ、リンならまだしもリリア達が膝の上に座ったらご飯食べにくそうだし、そうしてくれると助かるんだけどね。






 1時間後…




 お昼を食べ終えた俺たちは、改めてダミル殿も加えて街を散策していた。


 因みにパスタは概ね好評だったとだけ言っておく。



 因みに夕飯はトマト系のパスタにしようと日本組で話しあった事から察して欲しい。



「とりあえず一通り有名な名所回るで!回りきれなかったら後日自分らで来てな!」


「案内お願いしますね!」


「おう!任しとき!」



 夕方まであまり時間は無いが、時間の許す限り楽しみますかね〜!






次の更新は本日22時以降になります!


サクッと観光終わらせて奴に会います。

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