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駄女神に信託を受けた俺、世界最強の流派で異世界を無双する!  作者: 雪月花
第5章 魔王との出会いは平穏な日々の終わり
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第225話 第三の都市へ Ⅳ

 



 翌朝、何事もなく起床した俺達は朝食を取り、出立の準備を進めていた。



 念のため見張りは立てたが問題は何も起きず、一晩ぐっすり眠る事ができた。


 因みに見張りには機械兵…改め魔導人形を一体配備した。


 みんなの目を盗んでは我が家へと帰宅し、ラプアに開発状況の確認や食料を届けたりしていたのだがつい先日、等々最初の5機が実用可能段階まで辿り着いた事もあり、実験もかなてこうして連れて来たのだ。



「それにしてもこの魔導人形?だっけ?…充電とか必要ないのかしら?」


「昨日説明しただろ?この人形は俺と魔力回路を繋いである。そのおかげで俺の命令を寸分違わず理解するし、俺が寝てる間も常に起動し続ける優れものだよ」


「……それに戦闘力も凄まじいしな!昨日の模擬戦でこの人形に負けた時は唖然としたが…もっと鍛えないといかんな!と自分を見つめ直すきっかけになったぞ!ガッハッハ!」


「ん、ダミルがんば」



 この魔導人形はダミル殿の言う通り戦力としても申し分ない。


 1〜5号機までを親機として使用する為にそれぞれのモチーフを決定した。


 因みにこの1号機は片手剣にライトシールドを持った近接型だ。


 そしてメイド服を着ている。


 そう、メイド服だ。



 大事な事だから2回言ったぞ。

 この魔導人形には将来戦闘メイド部隊になってもらおうと思ってるんだよね。


 司令塔をフェイトにして、その下に1〜5号機までの魔導人形、そしてそこから更に1部隊100体前後を配下につける予定だ。


 まぁ、まだまだ試作の段階で実用までは遠い道のりなんだが…



 なんせ行く行くは自ら考え行動に移せるようにしようとしてるからな。


 ホムンクルス、AI、天使化…


 色々とどんな風にするかラプアと考えたんだけど答えは纏まらなかった。



 ホムンクルスはロリ、AIは無表情、天使化は飛行部隊……



 それぞれ全部やれば良くね?って事になって今は話が止まってるが、俺の中で結論は出ている。



 今連れて来てる1号機は天使化させようと思ってる。理由は簡単で俺が神として眷属を想像する事が可能だからだ。


 イブが想像したフェイトのようにね。



 まぁ、フェイトの場合はダンジョンにおけるガーディアン的な役目を担ってたみたいだけど、俺が想像するのは戦闘メイドだからな。



 一つ不安があるとすれば、フェイトが仲良くしてくれるかなぁ…という点だけだな。



「パパ〜?この子名前なんて言うのー?」


「名前か……そういえば考えてなかったわ」


「えぇーっ!先輩酷いですよ幾らなんでも!先輩が付けないなら私が名前を…」


「それだけはダメだ。ひまりのセンスは壊滅的だからな」


 酷いです!!!っとひまりが飛びかかって来たが俺はそれを受け流し、リリアの方へとひまりを誘導する。



「へっ?ぶべらっ!!?」

「ユウキさっ!?あぶっ!?」



 二人仲良く地面を転がって行った。


「ゆ、ユウキくん?流石に可哀想だよ…?」


「だよな。名前を付けないなんて可哀想だよなぁ…」


「……双葉ちゃんが言ってるのは其方では無いと思うのだけど…まぁ、ユウキくんだし仕方ないのかしら?」


「ローズさん???どゆこと??」



 俺だからなぁ〜とやれやれしてる仲間達に首を傾げていた俺だが、ルビーに名前を聞かれた手前決めないという選択肢は無い。


 そうだなぁ…


 1号機は天使にするつもりだし、シエルとかどうよ?エルって付いてれば天使っぽいやろ?



「この魔導人形の名前はシエルにしようと思う」



 俺がそう告げた瞬間、シエルの今はまだ無機質な瞳が一瞬だけ輝いたような気がした。


 気のせいかな?



「……ねぇ、ユウキ?この子今目に光が宿った気がしたんだけど…」


「お姉ちゃんも思った?私もそんな気がしたよ?」


「ん、光ってた」


「あら?そうだったの?私は丁度見てなかったわね…でも、反応したって事は気に入ったって事じゃないかしらね」


 どうやら仲間達にもそう見えたらしいので気のせいではないのかもな…


「だな。まぁ、暫くはまだこのままなんだけど…それに移動中は亜空間収納の中に入っててもらうんだけどな」



 亜空間収納へとシエルを仕舞い、砂だらけになったリリアとひまりに洗浄魔法のクリーンをかけてやっていると…



「おーい!準備できたでー!そろそろ出発しようや!」


「おや、どうやら村人達との挨拶は終わったみたいだな」



 ミュウラが最後に村人達と話してくるで!と言って村の中へミスティを引きずって行ったのを待っていた俺達は、馬車へと乗り込み見送りに来てくれた村人達に手を振る。



「ばいばーい!なのです!お菓子ありがとなのですー!」

「ばいば〜い♪」



 村人達にもらったのだろうお菓子を両手に抱えながらホクホク顔で別れの挨拶をしているミスティの頭を撫でる。


「みんな元気でな〜」


 ミスティの頭を撫でながら手を振り、村人達が見えなくなって来たところで手を振るのをやめる。



「ユウキさん?なんか皆さん最後までユウキさんの事崇めてましたけど…」


「……言うなリリア。俺は何も見なかった。リリアも何も見てない。いいな?」


「は、はい……ユウキさんの目がマジです…」



 リリアがよからぬ事を言い始めたので眼力で黙らせ俺は考え事を始める。



「……2号機から5号機の名前何にしよう」



 俺は頭を悩ませるがここで追い討ちをかけられる。



「ん、お兄ちゃん」


「およ?どうしたリン?」


「ん、メイド部隊って500体くらいだよね」


「あっ……」


「名前決められるの?」


「…………どないしよう」




 リンの一言で俺は考えるのをやめた。


 その時思いついた名前を付けるのが1番いいよな!今からこんな考えててもその子の見た目にあった名前を付けてあげたいし!!



 決して現実逃避じゃないからな!!



 そして……


 次の村では拝められないといいなぁ……



 俺達が乗る馬車は、長閑な風景を置き去りにしながら次の村までの街道を進む。






次の更新は明日の0時頃になります!



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