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駄女神に信託を受けた俺、世界最強の流派で異世界を無双する!  作者: 雪月花
第5章 魔王との出会いは平穏な日々の終わり
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第224話 第三の都市へ Ⅲ

 



「まず最初に、この村の未来は途中までしか見れなかった」


「み、見れなかったというのは、途中で村が無くなるという事でしょうか……?」



 村長が恐る恐るといった様子で俺に質問して来たが俺は否定の意味を込めて首を横に振る。


「そ、それでは何故見れないのでしょうか…」



 俺の仕草を正しく読み取った村長が少しホッとしながら質問を上乗せしてくる。



「……ここからは俺の憶測になるんだが、邪神が絡んでる可能性が高い」


「あら?いきなりこっち側の話になるのね」


「あぁ、すまないが村長、しばらくこの村の未来については置かせてもらうよ」

「お気になさらず!」



 ……本人がいいならいいよな?



 俺が話題が変わると告げた瞬間、落胆するどころか目を輝かせながら食い気味に気にするなと答えた村長さん……そんなに英雄が好きなのか?



「じゃ、じゃあ遠慮なく話題を変えさせてもらうけど、未来が見えなかったのは何もこの村だけじゃない」


「と言うと?」


「魔族領全体…いや、この世界全体の未来が途中から見えなかったんだよね」



「………」



 リリアが相槌を打って来たので、それに合わせて続きの言葉を告げると、全員が黙り込んでしまった。



 仕方ないか……最近平和だったからなぁ…



「それでだ、見れなくなったタイミングは今から半年後…まだ俺は神になって間もないから細かいとこまで未来を探る事が出来なかったが、そのタイミングでどこの国の未来を見ようとしても見れない」


「……質問いいですか?」


「ひまり?気にせず質問してくれ。みんなもな?」


「では、私この世界に来てから魔神族?と遭遇した事が無いんですけど、邪神が関与してるという事は近いうちに魔神族と戦う可能性もあるのですかね?」


「あら、そういえばひまりちゃんは戦った事が無かったのね…」


「言われてみればそうですね!」



 仲間達が言うように俺も普通に忘れてた。


 てっきり何回か遭遇してると思ってたが、ここ最近は魔神族が絡んだ事件に巻き込まれる事が無かったな……



「ひまり、心配になるのはわかるが魔神族が絡んでる可能性があるってだけで、そうと決まったわけでは無いぞ?」


「でもですよ?大体先輩の力に対抗できる人はこの世界にどれだけ存在するのですか?魔神が絡んで無い限り神に対抗するなんて到底できないと思うんですが…」


「んー、実はこの世界に神と対抗できるやつはそれなりに居るんだ」


「えっ!?ユウキくんに対抗できる人って邪神だけじゃ無いの?」


「実は俺自身も直接遭遇したわけじゃ無いから本当かどうかは分からないんだが、この世界には何人か堕天した神が堕ちてきてるらしいんだよね」



 これは以前、マリアさんに話があると呼び出された時に聞かされた話だ。



 その時は途中からイブが乱入して来たせいで話が途中になってしまったが、大まかな内容は聞けていた。



「てことは、私達は邪神だけじゃなくてそいつらにも気をつけないといけないって事なのね…面倒ね」


「だな。因みにそいつらの事は堕ちた神、略して堕神と言うらしいぞ?まぁ、俺に対抗して来れるのはここら辺だな。純粋な人なら負けないよ」


「あらあら、それは本当に気をつけないとダメそうね…」


「まぁ、半年後も邪神が絡んでくる事は無いかもしれないし、それより前に魔神族が暴れ出すかもしれない。確定した未来なんてこの世には無いからな。どちらにせよ俺達のやる事は決まってるだろ?」


「決まってるのです!邪神なんて一撃で倒せるくらい鍛え上げるだけなのです!」


「ん、一撃で倒す」


「おー♪ルビーも一撃で倒すよ〜♪」


「リ、リルは戦えないから応援してます!」



 ミスティが拳を突き上げながら一撃じゃぁぁあ!!なのです!と気合を入れると他の子達も一緒になって拳を突き上げていた。


 その姿に俺は頼もしさを感じ、自然と笑みを浮かべていた。


「あはは、頼もしい限りだな」


「私たちも負けてられないですね!」


「そうねぇ…娘に負けてられないわね」


「お姉ちゃん!私たちも頑張ろうね!」


「当たり前よ双葉!私は常に上を見てるわよ!」


「私も頑張って皆んなに追い付かないとですね…先輩、稽古つけてくださいね?」


「あいよ、まぁひまりだけじゃ無く全員鍛え直すかな」



「うっ……」


 ルビーとリン以外が若干嫌そうな顔をしたのだが気のせいかしらん?


「ゆ、ユウキさん?ほどほどにお願いしますね?」


「なるほど、リリアはほどほどに死にそうになる訓練って事だな!本当はヘトヘトになるくらいにしとこうと思ったが半死半生にリリアだけ変更だな!」


「えっ!?そ、そんな……み、皆さんも一緒にやりますよね!?まさか愛する仲間を一人だけ犠牲にすることなんてないですよね!?」


 リリアが愛する仲間達へと視線を向ける。


 だが、全員サッと目を逸らしてしまった。


 どうやら皆んなリリアを愛していなかったらしい(そんな事はない)



「うぅ…みなさん…」


「リリア、諦めろ。皆んなリリアみたいにアホじゃないんだ…」


「ユウキさん?慰める気ありますか?というよりもユウキさんが原因ですからね?」


「……頑張れリリア。死んでも生き返らせてやるからさ」


「それ半死半生じゃなくて普通に死んでるんじゃ……」



 おっと、ひまりが余計な事をぼそっと言いそうになっていたので、リリアの耳に一瞬だけ無音結界を張り聞こえないようにする。


「…?ひまりちゃん今何か言いましたか?」


「はぁ……なんでもないですよリリアさん。先輩は後でお話があります」



 やべ、ひまりさんが怒ってらっしゃる……



「……ふわぁ〜、話は終わったんか?ほなお暇するで…」


「ミュウラお前…静かだと思ってたら人の家で勝手に寝るなよ…」


「細かい事気にしとったら将来禿げるで?あっ、神だから関係あらへんか」



 こ、こいつ……今回はダミル殿と交代交代で御者をしてもらう手前強く言えないが、今度同じようなこと言い始めたらゲンコツだな。



「……なんか悪寒がすんのやけど…ユウキはん?うちの未来も見てくれへん?」



 ……今日も平和に1日が終わりそうだな。



 この後、村長に半年後までの村の出来事で厄介そうな事の対処法を伝授して、ダミル殿に野営の準備を任せていた場所へと戻る。



 今日一日村の近くで野営し、明日の朝この村を出て次の村へと向かう。



 暫くはこんな感じでゆっくり進み、仲間達のレベルアップでもするかな。






次の更新は本日0時頃になります。

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