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駄女神に信託を受けた俺、世界最強の流派で異世界を無双する!  作者: 雪月花
闇に染まった王国と幻想郷の再建
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第22話 vsアール 下


ディ団長の通称をアウリム団長に変更します。

普通に言いにくい…


それと、そのうち作品名を変更すると思います!

一章が終わったら考えようかなと思ってますので、把握しておいていただけるとありがたいです!










再び静寂が空間を支配する。


誰かが唾を飲み込む音が鮮明に聞こえる程の静寂の中、ユウキが思わず口に出してしまった技名に疑問に思う人物が居た。



(今、彼女はなんて言ったの…?西音寺流って聞こえた気がしたけど…戦闘音が激しくてよく聞こえなかったわね…)



ユウキが幼い頃から面倒を見てきた雪は、ユウキの習っていた武術の流派が西音寺流と名乗っていた事を知っていたのだ。



ゆうちゃんに会いたくて、自分の耳が都合よくそう聞こえただけかもしれないと思うことにし、もう一度チャンスを待つことにした。


次は必ず聞き逃さない。


その強い思いを胸に、目の前の少女の闘いを目に焼き付ける。





激しく戦闘が続く中、勇者として召喚された天空も少女の技量に驚嘆していた。



「なぁ、神咲…あの子の動き見えるか…?」


「いいえ…残念ながら全く見えないわね…それはアールさんの動きもだけどね?」


「だよな…俺はあれくらい強くなれるんかな?なんか自信無くすわ…」



2人の動きが全く見えない天空は、勇者なのに不甲斐ないと自分の事を卑下する。



だがしかし、この場でユウキの動きを追えてる者は、騎士団長であるアウリムを除いては、ユウキから魔法具を渡されてるリリア以外にいなかった。



アールを取り押さえようと真っ先に動き出した、アウリムは吹き飛ばされた場所から、隙を見てエギルの側まで寄って来ていた。



「陛下…彼女は何者ですか?先程何か視線でやりとりしていたように思えたのですが…お知り合いですかな?」


「いや、私も先程初めて会ったのだ…」


「では、意味深に交わされていた視線はなんだったのです?」


「あれは…私も驚いたのだが…彼女から念話が届いたのだ…」


2人の会話を側で聞いていたはエギルの口から語られた念話という言葉に耳を疑う



「念話ですと!?それは忘れ去られた古代の魔法技術では!?陛下は彼女が念話を使えるとおっしゃるのですか!?」



「あぁ、そうだ。念話で話し合った結果、生け捕りにしてくれと頼んだのだが…なんか忘れてそうな勢いでアールと斬り結んでるが、大丈夫だと思うか?」


「いや、それは俺に言われてもわからんですぞ陛下…」



3人はユウキとアールの闘いを見ながら、あぁ、あれは忘れてるな。と深いため息をついたのであった。




と、そこにリリアを筆頭に、貴族達や勇者組がエギルの居る場所へ集まって来た。



「お父様、彼女がアール様を抑えてる間にお父様達は避難してください」



「いや、リリアよ…それはできぬ。アールは私が直々に騎士団に取り入れたのだ…ことの顛末を最後まで見届ける事は私の義務だ」



「し、しかしお父様の身に何かあっては!」



「大丈夫だ、リリアよ…よく見ておれほら来るぞ」



その瞬間ユウキが受け流したアールの剣から放たれた剣気がリリアに向かって飛んでくる。



天空や紅葉がリリアを庇おうと前に踊り出た瞬間、目の前に透明の盾が現れて完璧に防いだのだった。



その場に集まった者たちは、今起こった不可思議な出来事に目を丸くする。この場にいた者はリリアが切り裂かれる未来が頭の中で浮かび上がっていたのだから仕方ない。



実際はそうはならなかったわけだが…




「お、お父様…?これはお父様が…?」



「はっはっは!そうだと言いたいところだが違うな…これは多分ラピス殿の仕業であろうな」



高速戦闘中になるべく大きな被害が出ないように、周りを気遣いながら闘っているユウキに皆一様に、本日何度目か分からない驚愕する。




(ユウキさん…私達を護りながら闘ってるなんて…もう素敵過ぎます!!)



ユウキへの好感度が一方的にうなぎ登りで上がっていくのだが、その一方で落ち込むこともある。



(いつか、ユウキさん共に隣で闘えるようになりたいです…何もできない自分が歯痒い…)



リリアはユウキの闘う姿を一挙一同見逃さぬように必死に脳内フォルダ(ユウキ専用)に保存するのであった。








そして、周りから注目を集めている事など微塵も感じず、注目を集めている等の本人であるユウキは、すべての思考を目の前のアールに注いでいた。




一瞬でも気を抜いたら身体とおさらばしなくてはならなくなるような激しい戦闘が、かれこれ10分以上続けられていた。




(くっ!このままだとジリ貧だな…ミスティこのモードってあとどれくらい保てるかわかる?)


(このままの状態だと…後10分で限界を迎えると思うのです…)



10分か…くそっ!


ミスティの言葉にユウキは心の中で舌打ちする。



一撃で決めるしかないか…



(ミスティ!今から相手の隙を無理やり作って全力の一撃を打ち込むから、そこで一気に力を出せるように調整は任せていいかい?)


(了解したのです!完璧に対応してみせるのです!)



相棒の心強い返事に思わず口元が緩みそうになるのを、グッと堪え、アールに話しかける。



「ふっ!はっっ!そろそろバテて来たんじゃない?ッッ!剣筋が鈍ってるよっっと!」



「はぁはぁ、そちらこそっ!大分刀に込められた力が落ちてる様子っ!くっ!さっさと私に斬られては?ハァァァッ!」



激しく打ち合いながら探りを入れたユウキだったが、そんな事で隙を見せる程甘い相手では無いのだ。



チッと舌打ちをし、魔力を凝縮させてアールに向かって解き放つ。



ユウキによる予想外の攻撃に不意を突かれた形になったアールは、ヴァルクスに焔を纏わせ魔力弾を斬り伏せる。




その隙にユウキは一息着こうとその場を大きく飛び退き、刀を鞘にしまう。



「ふぅ…今のは焦りましたよ?まさかの攻撃でした」


「ふーん、どの口が言うのやら…完璧に防いでおいて、何が焦っただよ…焦ったならもう少しその様子くらい見せたらどうなの?」


「いやいや、そんなあからさまに態度で示してしまったら貴方ならその隙を見逃さないでしょう?」



くそっ、マジかこいつ…俺の狙いに気づいてるなこれは…

てことは時間稼ぎされてると思って間違いないな。



全く、やりにくい…ならば仕方ないか、無理やり行かせてもらおう!



「アール殿!僕はまどろっこしいのは嫌いだからハッキリ言うけど、次の技で勝負を決めに行くよ!懺悔の準備をしておく事をお勧めするよ!」



「ふっ…なるほど、そう来ましたか…えぇ、いいでしょう。その言葉に乗ってあげます。私も次の一撃に全力で行かせてもらいましょう」



「「では、参る!!」」





姿勢を低く、地を這うように地面を蹴り、宛ら一発の弾丸の如くアールに迫るユウキに対し、アールはその場から一歩も動か事なく待ち受ける。



ユウキの流派が自分から戦場を掻き乱し敵を斬るのに対し、アールの流派はどちらかというと受け流しに特化している為であった。



陽と陰、静と動…決して混ざり合わない相反する二つの流派の集大成の技がここに炸裂する。





「はぁぁぁぁあっっっ!!!西音寺流 抜刀術 奥伝ーー…」


「うぉぉおおお!!!フォートル流奥義…フォートレス・ブレイク!!!」








今この瞬間決着が着く。







獲ったっ!!!そう確信したアールは、必殺の一撃をユウキに叩き込んだ。



その様子を見ていたリリアは悲痛な叫び声を上げそうになるのをグッと我慢した。


周りにいた者は、どうやって見てもユウキが殺されるであろう姿に、あっ…と気の抜けた声を漏らし、中には手で目を塞ぐ者もいた。







だが、現実はそうはならなかった。





「ーー…西音寺流抜刀術 奥伝 陽炎(かげろう)…」





アールが斬り伏せたと思った瞬間…


ユウキの姿が忽然と消え、なぜかその声はアールの背後から聞こえたのであった。




「これで終わりだ!」





ばっ!!とアールが背後を振り返ったと同時に、胸を斬り裂かれ、ドバッ!と血が噴き出す。




「グッ…ガハッ!!?」






口からも血を吐き出してその場に膝を折るアール





その眼前に佇むユウキの姿は、返り血を浴び真っ赤に染まった髪の毛がまるで、彼岸花のように見えるのであった。


















気が変わったので月曜更新になりました!


戦闘シーンは続けて見たいと僕は思いますので…


次の更新は水曜日の正午になると思います。(予定)

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