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駄女神に信託を受けた俺、世界最強の流派で異世界を無双する!  作者: 雪月花
闇に染まった王国と幻想郷の再建
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第21話 vsアール 上







「はぁぁぁっっっ!!!」


「ふっ…!!」


俺の目の前に一瞬で肉薄したアールの一撃を難なく受け流した俺は、内心では敵の技量に驚いていた。


アールとの激しい打ち合いの中、これ程まで武を高めた男がこの世界にはいる事に、驚愕し、そして歓喜した。




この世界でなら俺は本気で戦えるのだと




元の世界で強くなりすぎてしまったユウキは、自分が生きていく事に興味を無くしていた。偉大な祖父が死に自分の生きていく指針が無かった。



オタク文化にハマったのも現実逃避でしか無かったのだが、そこで得た知識はこの世界では技を作るのに役立ったので、なるほど…この為に俺はオタクになったんだな!と訳の分からない納得の仕方をしたのは記憶に新しい。




「くっ!!これはっ…」


一度大きく飛び退き、呼吸を整えるアールはユウキの底知れぬ強さに再度驚愕する。



ユウキの見た目通りならあまり筋肉もついていなさそうな腕からは想像もできない程、一撃一撃が重かった。



「ふっ、ふふふ…あははは!!」


突如として笑い始めたユウキは、訝しげな目を向けるアールに言い放つ。



「いいね!その高められた剣の冴え、一撃一撃で確実に僕のことを仕留めようとする殺意!どれも本物だ!だけど、僕には届かないよ!そのままじゃね!」



「それはやってみないとわからないのでは?」

「わかるよ?」



間髪入れずに言い切ったユウキを睨みつけ、仕切り直しだ!と言わんばかりに斬り込んでくる。



「ハァァァッ!!!ッ…お前に何がわかるというんだ!!」


アールの一撃を受け止めた俺は、ギリギリと剣が鍔迫り合う中で視線が交差したタイミングで告げる。



「君の目を見ればわかるさ、迷っているんだろう?大切な人達をその手で殺さなくてはならない事に…それを自分の信仰している神のせいにして!!自分を正当化しようとしてる自分から目を逸らしてる!自分の信念も押し通せないやつに僕が負ける訳ないだろう!!!」



力任せにアールを吹き飛ばし直ぐに距離を取る




「ミスティやるぞ!」


「はいなのです!全力で行くのです!」



2人の意思を確認し、ミスティを人間の姿に戻す。




いきなり現れたその場に似つかわしくない可憐な少女の姿に、ある者は心奪われ、また別の者は保護しようと駆け寄ろうとする。



「邪魔しないでください!!」



今にでも動き出そうとしていた者たちにリリアの喝が飛ぶ。


リリアのあまりの剣幕に一歩踏み出した足を元に戻し、誰もが静観に戻る。



(ユウキさん…頑張ってください…)


そう心の中で呟くリリアに、ユウキは視線を送りありがとうと口を動かす。



それを正しく読み取ったリリアは、緊張感のないとろけた表情を晒す。最後まで締まり無いリリアにユウキは流石残念王女…とちょっと残念に思った。



誰しもがユウキとミスティの動向を見逃さないようにしていたおかげで、リリアを見てる者がいなかったのは、不幸中の幸いである。




「ぐ、うぅ…な、何を…?」


瓦礫の山から抜け出したアールを待ち受けていたのは、仁王立ちで武装解除したユウキの姿であった。


「早く起き上がってきなよ、今から第二ラウンドだよ!本気で来ないと一瞬で終わっちゃうよ?」



「な、何を言ってる…?さっきから私は本気で…」


「嘘でしょ…僕は鑑定スキルがあるからね…君の能力は全て把握してるよ」



自分の情報が筒抜けだったことに色々と腑に落ちる。バレてるなら隠していてもクサイだけだと悟り、覚悟を決める。



「バレているなら仕方ありませんね…では…我が剣よ…全てを斬り伏せる邪なる剣よ!今ここに顕現せよ!!」



アールは愛剣を呼び起こす為の句を言い放つ…そして、アールの目の前の空間がねじ曲げられ、そこから一振りの剣が現れる。




「魔神剣ヴァルクス…これが私の愛剣の名前です…良き剣でしょう?」



誰しもが思った…


いや、禍々しすぎるだろ!?と



だが、その中でもユウキだけは違った。



「何それめっちゃカッコいい!?羨ましい!!」


「ちょっ!?マスター!?あんなのの何処がいいのです!?」


「いやいや、ミスティさん?わからない…厨二心をくすぐら「今はそんなのはどうでもいいのです!!」あっ、はい」



また言動がおかしくなり始めていたユウキの言葉を途中で遮る。


「さぁ、こちらは準備できましたが…そちらは良いのですか?」



「言われなくても!!いくぞミスティ!」


「はい!マスター!」



「我は敵を叩き伏せる者なり」

「我は敵を斬り伏せる者なり」


「我は全てを守り抜く者なり」

「我は全てを護り抜く者なり」


「「我らの心はここに一つとなり、我らの信念を貫き通すなり!!」」



「「完全共鳴!我らは共に敵を討ち滅ぼす!!」」


「「神装解放!モードミスティルテイン!!」」



瞬間、辺りを眩い光が覆い尽くす。

全てを白に染めた光が徐々に元の明るさに戻る。



「さぁ、第二ラウンドを始めようか」



目を背けて強烈な光をやり過ごしたアールが前を向くと、そこには1人の少女が居た。



「おや?随分可愛らしくなってしまわれましたね…それが真の姿ということでしょうか?」



「くっ!こいつ気にしてることを…まぁいいや。そうだよ、びっくりしたでしょ?」



それは間違いなくユウキなのだが、見た目は完全に別人になっていた。


ミスティの新装の力により、端的に言うと合体(シンクロ)したのだ。


身長はユウキとミスティの中間あたりで、見た目は2人の面影をそれぞれ残しているが、髪が腰まで伸びており、一振りの刀を携えた黒髪美少女がその場に佇んでいた。


今までは、個と個であったが為にミスティを媒介とする魔法の発現や一々明確にイメージを共有してから、形状を変化させていたのだが、ノータイムで変化させることができるようになった。



そして多くは語らないが、色々と出来ることが増えたのだが、ここで使うつもりは無いので割愛する。



「それでは、今度はそちらから来ていただいていいですよ?」

「最初からそのつもりだよ?」


「ッッ!!?クッ!!」



アールが言い終わる前に俺は瞬動を使い背後を取る。なんとかそれを塞いだアールをさらに追撃する。



「西園寺流抜刀術 中伝 桜花一閃ッッ!!」


「フォートル流クイックノヴァ!!」




ワンテンポズレたはずなのに完璧に俺の攻撃に合わせてきたか…



「へぇ〜、さっきより随分動きがいいじゃん」


「えぇ、先程敵に塩を送られてしまったのでね!」




2人は言葉を交わし再び距離を取る



意外とやるなこいつ…焚き付けたのは失敗だったか…?


だけど…全力でできるってやっぱ素晴らしいな!






俺はこれから起きるであろう死闘に心を踊らせるのであった。







次の更新は2日後になります。

平日は2日置き更新になると思います多分。


戦闘シーン難しいなぁ…

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